Rangasthalam完全初見ネタバレ感想をします。

※追記
7/14祝🎊日本語字幕【ランガスタラム】上映!
日本全国で衝撃を受けている人がいると思うとニヤニヤが止まりません!
こちらは英語字幕版を観た時の感想になりますので、多少役名やセリフに違う部分があります。ご了承ください。


やったよ、ついに観たよ、ランガスタラム…
直訳「舞台」で、ラームチャラン主演。RRR で気になり、Youtube漁ってた時にMVを見つけ、ラームチャラン沼に一気に突き落とされた作品。テルグ語まったくわからないのでMV見ててるだけでは話も全くわからず、ただただ「チャランかわい〜」だったんだけど、とんでもなかった。わしゃあんな凶悪な映画を観たのは初めてじゃ。あらすじはざっと読んで、フゥンこういう独裁者がいる村の話なのか〜っでもラストは完全初見で観たいから調べんとこ!てなってたのがあかんかった。まともに食らってしまってしばらく立ち上がれず、発した言葉は震えていた。それくらい衝撃を受けてしまった。だってさ〜!その前に観たのが「バジュランギおじさんと小さな迷子」だよ!?一緒に見たらあかんて!何この幸せから絶望への転落!!無理無理無理無理!ムルムルムルムル…
映画を観る前に「インド残酷物語/池亀彩(著)」を読んでたのも解像度が上がってしまっており、暗澹たる気持ちになった…

追記:日本語字幕版が7/14に公開となりました!
少し解釈が違ってた点もあることお許しください

こっから完全なネタバレ↓

・最初はひたすらチッティがかわいい


田舎暮らしで難聴の持ち主。聴きたいものだけを聞き、煩わしい言葉には耳をかさず、短気で粗暴だけど純粋で根はいいやつ。怒ると手がつけられない。
執念深く一度自分を噛んだコブラを仕留めようとずっと探している。
ある日ドバイから帰ってきたお兄ちゃん、クマールにお土産にもらったグラサンかけて「わー!真っ暗!キャッキャッ!」てなってるチッティに悶絶。何この子かわいい、、、
ラマラクシュミに振られたと思い大泣きしながら船の上で飲んだくれるシーンあれ最高じゃないですか?可愛いかよ!?チッティいっぱい泣くね!?たすけて萌える

・チッティの恋、クマールの恋


チッティは村娘のラマラクシュミに一目惚れ、クマールには結婚を視野に入れたパドマという恋人あり。クマールにぃにがしっとりとした恋愛を育んでいるのに、チッティはいつもわちゃわちゃしてて可愛い。今日から俺は!のさんちゃんと理子ちゃんみたいな関係で可愛い。
つねっておっきい声で喋らせようとするのいじましくて好き。
ラマラクシュミちゃんがオイ!オイ!て呼びかけたり、オットトトトッ…て言うとこ、日本語みたいで可愛いんだよぉ…

・とりまく環境


村の人たちは暴れん坊チッティに手を焼きながらも、しゃーないなーチッティだからな〜て苦笑いしてる感じ。家族のみんなもチッティのことちゃんとわかってて、クマールにぃにが選挙に出ることに反対もせず応援してた。だからこそあのシーンがほんと、ほんとにもうっ…
祭りの時に絡んできたチンピラまでもが根はいい奴。みんな村人が好きでこの村が好き。よく言えばみんな友達、悪く言うと閉鎖的なムラ社会。
あ!ランガンマおばさん!ランガンマおばさんがほんっっとうに素敵でした!!チッティの可愛がり方に「わ、わかるー!チッティに対してはそうなっちゃうよね〜!」ていう接し方しててとってもよきでした…
チッティの友人のマヘシュも限りなく善性の持ち主で底抜けにいい奴!

・絶対的に君臨する「悪役」


プレジデントかっこよすぎない???何あのイケジジイ…葉巻咥えて「悪の象徴」してるのがあんな似合う俳優さんすごいね…
「神はフルーツをもぎ取るように人の命をもぎ取るのだ」(セリフうろ覚え)というセリフを言いながら自分が神の所業をしてるという…か、かっけぇー!でも胸糞わっるうううう!!
村人に重税を強いて苦しめているやべー「悪役」

・チッティとクマールの関係


落ち着きのない単細胞のチッティとは違い、クマールは学もあり落ち着いてる有能男子。そんなクマールに対して無邪気ににいちゃん!にいちゃん!てしてるチッティがとにかく可愛い。喧嘩してたことでぶんむくれてるチッティかわいい。弟のことになると見境なくなるブラコンお兄ちゃんもかわいい。何この可愛いのダブルスは。ずっと可愛く楽しくしてて欲しかったな…
弟のために、村のためにプレジデントの圧政から解放しようと立ち上がる勇気もクマールにはある。
チッティと一緒にプレジデントに宣戦布告しに行くシーン、めちゃくちゃよかったー!あの煽り方やべぇよ!「ガァル??」と煽るチッティと一緒にクマールが被せて言うところ…ぐああ お兄ちゃん!あなたも好戦的ですね!好きです!!

・歌あり笑いありの世界から一変、クマールの死で全てが変わる

クマールが殺されるシーンは見ていて本当に辛かった…
耳が聞こえないから後ろで何が起きてるかわかんなくて、必死に必死に兄を探すチッティが辛くて辛くて。
そんでさーようやく見つけてから、こっからが本当にすごい。あんな明確な「殺意の応酬」を観たのは初めてかもしれない。なまじ銃や刀じゃない、「鎌」や「石」で泥臭く、でも執拗に命を刈り取っていくシーンにチッティの狂暴さ、荒れ狂う感情の振り幅が見て取れてなんかもう…
いちいち心臓に耳を当てて、死んだかどうか確実に確かめながら命を刈り取って行くのやばい。でもイノセントさがそこにあって、画面越しに観てても思わず顔を背けそうになった。
そんで、あ、クマール…助かった、の…?と思わせてからのワンカットで進むあのシーンよ…
日常にどうにか戻そうとメガネをかけさせ、ターメリックでなんとかなるべ!おばちゃんターメリックちょうだい!と一瞬クマールから目を離して、振り返った次の瞬間…
あそこでメンタル崩壊しそうになったよね
チッティの世界もあそこで壊れたんだね…
聴きたいことだけを聴き、聴きたくないものからは目を背けていた結果があれだとしたら、この舞台を用意した奴はどれだけ残酷なんだろうね…

・インド残酷物語を読んでた上で最後に襲いかかってきた闇、「ランガスタラム」というタイトルの意味

そこからのチッティは兄が買ってくれた補聴器をつけ、社会と繋がりを持たざるを得なくなって行き、
兄を補助してくれていた役人ダクシナ(プレジデントによる策略の事故?かな?で意識不明)の介助を長期間続け、その献身的な介助でダクシナは意識を取り戻し、回復していく…

ちょっと思ったんだけど、この辺りラマラクシュミモブになっちゃってんだよね、あんないちゃいちゃしてたのにチッティはまるで目に入ってなかったの、もしかしてこれ、ラマラクシュミとしての「舞台装置」は終わったから、パペットになっちゃった…てコトォ?
だとしたら誰この脚本書いたの…こえーよ…

そしてついにチッティの口から明かされる真実。
「わかった?わかったね?あなたが殺される意味、理解した?」と言いながら鎌で喉をかき切って殺す。(雑な訳だから違うかもしれん)
それがあまりにもあまりにも辛くて、悲しくて、チッティから溢れ出た涙とか、その後立ち去る時の表情や音楽で私のメンタルは二度崩壊したのでした。

テルグ語で聴いてた時はまったくわからなかった歌詞の意味、英語になってようやくわかってゾッとしたんだけど、

ランガスタラム、ランガスタラム
ここではみんな操り人形
聞こえない歌に合わせてダンスを踊り、ルールも知らないゲームで遊ばされる(竹見映画評さんより引用)

この村では誰しもが操り人形で、プレジデントですら舞台上のただのパペットで、糸を操り、画策し、全てを己の好きなように動かしてしまう黒子がいるという…
待ってあんな楽しそうに歌ってたのに…どうして…ドウシテ…?

そしてクマールが殺されたのも、舞台の演出であり、その演出を使うことにより自らの手を汚さず殺人を犯すと言う…
クマールが殺された真の理由がえっぐい。でもこれを日本語で、日本人が言語化していいのかな。私には消化しきれないなあ…
名誉殺人って日本にはないから、全くわからない、わからないから怖くて悲しかった。

チッティはこれからもランガスタラムで生きて行くんだろね。
俺は舞台装置にはならない。操り人形にはならない。と前を見据えながら。

あと最後パドマー!!!!パドマおまえーーーーっっっっ!!!!!うわああああああああああああ(メンタル崩壊)(これもインド残酷物語読んでたから私の中のソウルジェム濁り散らかした)

つ、つれぇ〜!!!!!チッティ〜!!!!!!!!!

・チャランさんが繋がらない


RRRで知ってから、マガディーラ、orange、Naayak、Yevadu、Dhruvaと観てきたけど全部違う人じゃないのこれ??繋がらない…演技が繋がらないっ…!カメレオンなの…?こんな役者さん私知りませんよ…あっでもNaayak、Yevaduあたりは繋がるか…
でも言えることはチャランさんの役作りにも狂気を感じると言うこと、あと前ボタンが毎回仕事放棄してて目のやり場に困ると言うこと、まつげは毎回5メートルあるということ…
ランガスタラムではそれに加えて常時短パンみたいな格好してるからあ、ああ、ああーってなりました…何この感情は…とんでもねぇ俳優さんに出会ってしまったなぁ…

・ジャングだ!
・あっ!ニザーム藩王国の顧問の人だぁ!

観れてよかったけど咀嚼して落とし込むにはまだまだ時間がかかりそうです。でも米アマプラの無料期間中はたっぷり見返していこうと思います!
ありがとうランガスタラム、いい映画でした!

おしまい

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