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【HHKB】理想の"馬の鞍"と出会うまで

HHKBというキーボードを知っているでしょうか?

一部で有名な、超シンプルな形のキーボードです。
Google検索や、YouTubeで動画を調べると、山ほど情報が出てきます。
このnoteにも、たくさんの記事がありますね。

私も愛用していていますが、すでにこのキーボード以外は使用できない体です。

そんな、気に入っているキーボードを布教するのが今回の内容です。

キーボード選びに迷っている方を、こちらに引き込めれば嬉しい限り。


◆ それって、どんなキーボード?


早速、使用中のキーボードでも。

私が使用しているのは、こちら。

HHKB(Happy Hacking Keyboard)
・【Professional HYBRID Type-S】
・【英語配列】【無刻印】【墨色】

キー数60という超ミニマルキーボードです。

一般的なテンキー付きのフルキーボードは、キー数109らしいので、約55%のキー数ですね。

大体3年ほど使用しています。

気に入っている理由は、打鍵感が特徴的で非常に打ちやすい事。
そして限界まで余計なものをそぎ落とした、シンプルデザインでしょうか。

打鍵の音は ”コトコト” といった感じです。

ちなみにタイトルの「馬の鞍」は、このキーボードの設計思想から。

「アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない」

HHIB 公式HPより

要するに「キーボードはPC本体よりも、遥かに長く付き合うものだ」という事ですね。

そして、このHHKBにはその思想にふさわしい特徴があります。

それは、「乾電池」ということ🔋

今時「乾電池」!?
と、思うかもしれません。

でも普通の充電式無線キーボードでは、いつかバッテリーが劣化します。
乾電池であれば、交換すれば良い。

つまり、充電周りについてキーボード本体の劣化が無いのです。

ちなみに、私はエネループを使用しています。
これなら電池が切れても、買いに走る必要がありません。

・・・

◆ 出会いに至るまでの悩みとか


さて、私とこのHHKB。
実は運命的な出会いが……ありません。

そもそも、私はキーボードに拘りなどありませんでした。

では、なぜ結構お高いキーボードを買うことにしたのか。
まぁ、やむを得ない事情があったのです。

私は仕事の関係で、PCの前に座って作業するのが業務時間のほとんどです。

で、当然職場に設置してあるキーボードを使用するわけですが、キーの高さがほとんど無い「パンタグラフ式キーボード」でした。

構造的に薄く出来るので、ほぼ全てのノートパソコンに採用されているほか、一部のデスクトップパソコン向けキーボードに採用されている。指先に反発の力がダイレクトに戻ってくることや、構造上ステップスカルプチャ形状をとるのが困難であることなどから、長期間のタイピングには向かないとされていたが、低いキートップや短いキーストロークにより長時間のタイピングでも疲れにくいとする意見もある。

「キーボード 」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』2023年12月15日 (金) 11:33

このキーボードで、毎日パチパチ(打鍵音です)打っていたわけです。

すると、ある日右手小指に痛みが……。
色々と自己分析してみたのですが、おそらく下記が原因の様でした。

1.キーを打鍵する力が強すぎる
2.右手小指でEnterを押す際、過剰に指を広げてしまう

日に日に痛みを増してゆく右手。
さすがに負担の少ないキーボードが必要、と考えました。

そんなところから、痛みの原因を緩和するキーボード探しがスタート。

とりあえず、原因解決のために、キーボードに求める事を考えました。

1.キーの打鍵する力が強い問題
⇒ キーストロークの深い構造を選択する

2.Enter打鍵で指を広げる問題
⇒ 英語配列を選択する?

まずは、「1.キー打鍵強すぎ問題」。
これは単純ですね。ストロークが深い構造を選べば良し。
候補は「メカニカル式」か「静電容量無接点方式」でした。

次に「2.Enterキー指広げすぎ問題」。
こちらは悩みました。

実は「日本語配列」のキーボードは、右手小指のデフォルト配置とEnterキーの間に2つのキーがあります。

ですので、小指がEnterにたどり着くまでに、キー2つ分の移動が必要です。
指が短い私には、この移動が負担となっているわけです。

変わって「英語配列」はEnterとの間がキー1つしかありません。
つまり、指を動かす距離が少なくて済むのです。

「なら、英語配列を選択すればOKでは?」と思うでしょう。

でも「日本語配列」と「英語配列」は微妙にキー配置が異なります。
基本的なローマ字位置は同じなんですけどね。記号関係が結構違う。

私は器用な方ではないので、自宅と職場で異なるキー配列を使える気がしませんでした。

何日か悩んで出した結論は……

キーボード自体を持ち運んで、どこでも使えば良いじゃん。

でした。

そんなわけで、「深いキーストローク」「英語配列」「持ち運び」この条件に合うキーボードを探してネットの海をさまようこと数日。

このHHKBにたどり着いた、という訳でした。

・・・

◆ どこへ行くにも


現在は自宅、職場、外出先の全てで、このHHKBを使用しています。

もう離れることはできないでしょう。

これは、単純に使い勝手が良い、というだけでありません。

キー数を削っている構造上、一定の記号やファンクションキーは、2つ以上のキーを同時押しする "コンボ" が必要になってきます。

この "コンボ" に一度馴染んでしまうと、他のキーボードを使用した時の違和感がすごいことに。

ですので、HHKBを選択する方は「背水の陣」で挑む必要があります。

いや、器用な方であれば、使い分けることも出来るんですかね?
まぁ私にはできませんでした。

でも、このHHKB専用の環境になって、全く後悔はありません!!
それだけ私にマッチしたキーボードでした。

キーストロークが深く、打鍵が強くても指に負担が少ない。
そして、英語配列でEnterキー位置が近い。

右手への負担は目に見えて改善しました。
現在は毎日 "コトコト" やってます。

ただ、ここに行きつくまでには、何度もキーマップを弄りました。

そう。HHKBには公式でキーマップを変更可能なアプリがあります。
絶対に変更できないキーもあるのですが、大半は変更可能です。

これを自分に馴染むように変更すること十数回。
今では手元を見ることなく、全ての記号が打鍵できます!!

……ま、そもそも私が選んだのは【無刻印】なので、手元を見たところで何も印字されてないですけどね。

ちなみに、【無刻印】を選んだのは、単純にカッコイイからです。

カッコイイと思いません?
喫茶店で "さっと" 【無刻印】のキーボードを取り出して、作業し始める姿。

(実はHHKBを選んだ理由の半分くらいは、これだったのは秘密)

・・・

◆ 沼へ沈む前に


そういえば、キーボード界隈には、キーボード選びにハマってしまい抜け出せない状態があるそうです。

それが「キーボード沼」。

日夜、自分に合うキーボードを求めて、筐体やキーキャップを選び抜き、場合によっては自作する方も。

私の場合は、幸いにもHHKBに出会えたことで、この沼を回避できました。
でも、危ういところだったと思います。

元々はキーボードに拘りがない私ですら、調べ始めると止まりません。

このメーカーの〇〇主体で、キャップはメカニカルの▲軸を……

とか、こんな感じです。怖いですね。
それだけ、カスタマイズ性が高いガジェットという事でしょう。

この「キーボード沼」にハマるのが楽しいという方もいるそうで、HHKBも沼を渡るの最中に通る道なのだとか?

私にとってのHHKBは "完成している" と感じたので、なんとか沼には落ちませんでした。

今現在、沼を渡っている人は、一度HHKBを試してみてはいかがでしょう?
もしかしたら、沼を抜け出せるかもしれませんよ。

◆ 終わりに


さて、いかがでしょうか。
HHKBの購買欲が湧いてくだされば、布教の甲斐がありました。

最近は新型の「HHKB Studio」も発売したので、私も購買欲が出ています。
ただ、こちらは持ち運びには向かないのが迷い所ですね。


最後に。

正直、HHKBは「人を選ぶキーボード」だと思います。
でも、ぴったりと合う人が使用すれば、他には移れなくなりますよ。

そんな魔性の魅力を持ったHHKB、良ければお試しあれ。


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