育成選手の話

気付けば新人合同自主トレも終盤に差し掛かった。明日には新ユニフォームが発表され、10日も経てばキャンプインだ。

そんなこんなでようやく、このドラフト指名選手紹介も最終回を迎える。元々は2回に分けようと思ったものの一気に4人やる事にした。

それでは育成ドラフトで指名した4選手を、1巡目からまとめて紹介しよう。


▶ 福島蓮 (八戸西高)

守備】RHP 【身長】190cm 【体重】70kg
フロアー】 ・ ・ ・ ★ ・ 【シーリング
ロールモデル】上沢直之

ドラフト時に育成で指名予想をしていただけに少しだけ思い入れのある投手だ。現時点では“素材”の2文字に尽きる。

明らかに線が細過ぎるし、投球フォームも多少は修正が必要だろう。球速にしても右腕でMax143キロは物足りない。

現時点(入団時点)で誰かと比較するならダース・ローマシュ・匡だろうか?彼ほどの粗さは良くも悪くも感じないが。

ただ、素人目な上に曖昧なワードになってしまうが“ボールを操る能力”に関しては非常に優れているのではないだろうか。

プロで使える球種を増やしつつ、身体が大きくなれば(出力が上がれば)上沢直之の様な成長曲線を描ける可能性はある。

おそらく育成選手の区切りとなる3年間(その後は毎年更新)で一軍を意識するのは難しいだろうが、5年後のローテ入りは可能と見ている。


▶ 速水隆成 (独立リーグ群馬)

守備】C 【身長】188cm 【体重】100kg
フロアー】★ ・ ・ ・ ・ 【シーリング
ロールモデル】高橋信二

独立リーグでは数年前から有力候補として挙げられ、昨年は読売の入団テストに合格したものの指名はされず。正直なところ厳しいのかなと思っていた。

20年ドラフトで指名した今川優馬と同様に、独自の理論で築き上げた打撃フォームは独特。体格も相まって“和製アーロン・ジャッジ”と呼ばれている。

捕手としては独立リーグ入り後にコンバートした事もあり評価はそれほど高くないが、そもそも打力のある捕手は守備を過小評価されがちだ。

球団は捕手として成長が見られたのが指名の理由だと答えているので、実際にプロでどこまで守れるのか注目したい。

彼の打力であれば第3捕手として無難に守れれば充分だろう。高橋信二田上秀則の様に、マスクをかぶらない試合は1B/DHや代打で出場するイメージだ。

とはいえ、樋口龍之介の例を見ても分かる通り育つのをゆっくり待ってはくれない。とにかく早く結果を出す事だ。


▶ 柳川大晟 (九州国際大付属高)

守備】RHP 【身長】191cm 【体重】83kg
フロアー】  ・ ・ ・ ・ ★【シーリング
ロールモデル】石川直也

育成ドラフト3巡目指名ながら、純粋に素材だけを評価すれば一本釣りした達孝太にも勝るとも劣らないであろう高校生右腕。

細身の190cmオーバーでMax152キロ」と聞けばスカウトが色めき立ちそうなものだが、その他の部分…投球フォームや制球などはあまりにも未完成である。

ただ、夏の大会直後の8月に肘の手術を受けている。その影響で投球フォームが崩れていた可能性はあるだろう。※とはいえ、下級生時の登板を見るにそれほど変わらなさそうだが

一軍へ最短距離で到達したいのであればリリーフだろう。スライダー&カッター&チェンジアップという球種構成も“いかにも”だ。

ただ、これほどの馬力があるのであれば先発として育てて貰いたい。支配下と違い(最初の3年は)登録枠を気にせずじっくり育てられるのも追い風である。

個人的には石川直也を中継ぎに回すのも時期尚早だと感じていた。本人が目指すタイラー・グラスノーの様な支配的な先発投手になって貰いたい。


▶ 阿部和広 (平塚学園高)

守備】OF 【身長】170cm 【体重】65kg
フロアー】 ・ ・ ・ ★ ・ 【シーリング
ロールモデル】杉谷拳士

実績らしい実績は3年夏の予選2試合だけ。それでも1番CFとして2長打含む5安打を放ちアピールすると、入団テストを経て指名にこぎ着けた。

身長が低い上に細身なので「空振りせずにゴロを打つ」様なタイプに見えるが、しっかりバットを振れる打者である。

俊足を最大限に活かす為にはボテボテの凡打を内野安打にするより、短打を二塁打に・二塁打を三塁打にする方が良い。

系統(完成形)としては近本光司だろうが、まず打撃は15年の杉谷拳士を目指して貰いたい。打席数は少ないが打率.295/出塁率.355/長打率.367を記録した。

というより(杉谷と違い)ユーティリティ性能が無い事を考えれば、最低でもこれくらい打たないとレギュラー定着は難しいだろう。

4番手OFとして細く長く生きる道もあるが、平塚学園の大先輩である中居正広さんと共演する為にも(チーム最終指名からの)下剋上を期待したい。

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