デプスチャートの話

気付けばドラフトまで約2週間となった。そんな訳で今回はチーム構成を確認していこうと思う、所謂デプスチャートというやつだ。

何かの目安になるかなとランク付けもしてみた、これは完全主観なのであまり深く考えないで貰いたい。

それではポジションごとに見ていこう。ちなみに年齢は来季の満年齢だ。


▶ 先発投手SP

何と言っても伊藤の一本釣りが大きい。小柄な事や地方大所属という事で疑問視する声もあったが最高の指名となった。ダルビッシュ大谷と比較するのは酷だが、影響力も含めエースとして申し分無いだろう。

上沢も安定感はリーグでもトップクラスで、この二本柱は何処へ出しても恥ずかしくない。復調したバーヘイゲンor代わりの新助っ人をローテ3番手と仮定すれば、加藤もローテ4番手としては充分な存在と言える。

残る2枠は河野池田を筆頭に立野上原吉田あたりが候補か。金子も大ベテランの意地が見たい ※杉浦を戻す可能性もあるが、今回はとりあえず含めない。

こう考えれば一応、ある程度は形にはなりつつある。もちろん口が裂けても優秀とは言えないが最低限の水準は満たしているだろう。

ただ、それ以外で一軍先発候補として名前が挙がるのは生田目望月くらいで頭数が少ない。新助っ人のアーリンを有効活用する前に故障させたのも痛かった。

そもそも先発が欲しくないチームなど無い。1年目から一軍で投げられる投手も、数年後を見据えた投手もどちらも獲得したいところだ。


▶ 中継ぎ投手RP

今季最も多い勝ちパターンは「-B.ロドリゲス-杉浦」という形。杉浦は一度登録抹消されるも、好投を続けていた井口が穴を埋めた。

また、前半戦はボロボロだった宮西玉井に復調の気配有りで、社会人組の西村鈴木健も最近は良いアピールをしている。

以前に比べれば多少改善してはいるものの…やはり質量共に足りない。極端な言い方をすれば「本来なら6-7回で使いたい投手達で8-9回も凌いでいる」という感覚だ。

逆に言えば8-9回を任せられるリリーバーを2人加えられれば充分戦えるブルペンになるはず…と書くのは簡単だがやるのは相当難しい。

鎌ヶ谷から昇格候補になりそうなのは長谷川福田谷川あたりだがセットアッパーやクローザーのポテンシャルがあるとは考えづらい。秋吉も2年連続で不振だと計算には入れにくくなる。

若干話は逸れるが、投手転向したばかりの姫野が150キロ超を連発しているのは驚いた。遅咲きの社会人ルーキーを獲得したと思って来年後半あたりに支配下&一軍デビューを期待したい。

それはそうと、やはり来季はもう1人助っ人リリーバーが欲しい。ゴロ系のB.ロドリゲスとは別に、クロッタ(故障前)やマーティンの様な支配的な投手だ。

そして、やはりTJ手術から復帰予定の石川直だ。心身共にリフレッシュして今度こそクローザーの座を掴んで欲しい。

ただ、本調子に戻るのは術後2年程度かかるのが定説。開幕から投げられたとしても後半までは苦しむ事が想定されるので焦らず見守りたい。

ドラフトで1年目から勝ちパターン入りを狙うのはなかなか酷な話だし、個人的に上位でリリーバー指名はあまり好きではない。

という訳で、ドラフトで指名するなら井口や玉井の様に中位から下位でそこそこ投げられる投手を拾いたい。もちろん結果として勝ちパターン入りしてくれれば万々歳だろう。


▶ 捕手C

ほぼコーチの鶴岡を除き全員が20代と若く、一軍で多くの出場機会を貰っている選手も多い…が、それだけに今後の動きが非常に難しい。

現在メインで起用されている清水宇佐見石川亮をこのまま我慢強く起用し続けたとして、果たしてどれだけの成長が見込めるのか。

もちろん期待はしているものの、ここ数年同じ様なメンツで挑むも目論見が外れ続けているだけにそろそろ考えなくてはいけない。

そもそも宇佐見と石川亮は一軍正捕手になってる画が描きにくく、清水はスペック的に悪くないが攻守で詰めが甘い。

ただ、いま大卒や社会人の捕手を獲ると鎌ヶ谷で育成中の世代と被ってしまう。1年目から半分程度一軍帯同出来るなら良いが、二軍中心だと出場機会を食い合うのであまり好ましくない。

現実的にはトレードか戦力外で、かつての市川友也の様なバックアップ型の捕手を加えるのがベターなのではないだろうか?

ただ、上位候補と目されていた捕手が中位にスリップするケースがよくあるので注視していきたいところ。

年齢構成で言うなら高校生が欲しい、DHでの出場も多くなりそうな事を考えれば長打力を秘めていれば尚良しだ。


▶ 一塁手1B

長らくレギュラーを務めてきた中田が成績不振に加え、夏に不祥事を起こしてまさかの無償トレードされた。

前半にその穴を埋めた高濱は見事だったが、後半戦に入り数字が落ちている。なんとかOPS.700超を維持したまま閉幕して欲しい。

R.ロドリゲス樋口も本職は2B/3Bなので1B固定するプレーヤーではない。今井も良い打者だがバット一本で戦えるかといえば難しいだろう。

やはり清宮がやらなければいけない。今季は過去3年間先送りにしてきた事を鎌ケ谷でじっくり取り組んでいる、あのままダラダラ上で起用し続けるよりずっと良い。

あの筒香でも(札幌ドームより狭い)横浜で初めて20HR以上打ったのは高卒5年目だ。来季に本領発揮してくれれば全く問題ない。

高濱が一応2B/3Bも守れる事、DHが空いている事を考えれば来季クリーンアップを打てるスラッガーは是が非でも欲しい。ここはドラフトではなく助っ人頼りになるだろう。


▶ 二塁手2B

頭数はいるものの決めきれない2B。レギュラーとして開幕した渡邉が元々の守備難に加えてOPS.636と大ブレーキで鎌ケ谷行き。

後半は新加入の佐藤がメインで起用されている。攻守で溌剌としたプレーを見せているものの、成績を見ればOPS.571とあまり良くない。

ただ、ハードヒットは継続して打てているので角度さえ付けられれば良化するはず。まだ24歳と若く、ひと足先に社会人野手を指名した感覚だ。

R.ロドリゲスと樋口はポジションも(佐藤と)打撃スタイルも似ており、助っ人枠と年齢を考えればよっぽど打たなければチャンスは回ってこないだろう。

渡邉はある程度戻してくると思っているので、佐藤と(守備度外視で)高濱を捩じ込める事を考えれば躍起になってドラフトで即戦力候補を指名する必要は無いという認識だ。

個人的にはリスクヘッジの意味で“とある選手”が欲しいのだが、それに関してはそのうち改めて書こう。

ただ、若い層が今季から3Bも兼任する難波(と捕手の郡)くらいしか居ない。細川を回す可能性もあるが、更にもう1人加えても良い。


▶ 三塁手3B

ほぼ2Bと顔触れが変わらないが、今季高卒3年目にしてクリーンアップを任される野村が居るのが救いだ。ただ、AVG.286を残している割にOPSは.702と低く本格化まではもう少し時間がかかりそうだ。

ここから壁に当たる事も充分考えられるため、期待はしたいがあまり計算には入れたくない。1Bで清宮・2Bで渡邉がある程度やれる様なら、佐藤や高濱をこちらに回せるので層が厚くなるのだが。

2Bよりは助っ人を入れやすいポジションなので、ここ1-2年を凌ぐために獲得を考えても良いかもしれない。ただ3B専門よりは1Bメイン(で3B兼任)のスラッガーか、2B等も守れるUTが望ましい。

また、今季鎌ヶ谷で最多起用が今井・次点が難波という事実を見ても若い選手を獲得しておきたいが、2Bとニコイチで考えて良いだろう。


▶ 遊撃手SS

中島に衰えが見られる事もあり石井を中心に回している。守備はUZRで見れば平均より悪い程度でイメージほどは悪くないが、持ち味の打撃がOPS.600未満ではただの“攻守に物足りない選手”だ。

大卒5年目で300打席以上与えてこの数字はかなり物足りない。同じく攻守で伸び悩んでいた感のある平沼をシーズン途中にトレードした事を見ても、今オフにテコ入れは充分考えられそうだ。

助っ人で埋めるのがなかなか難しいポジションなので、ドラフトで即戦力を獲得するならここになるだろう。守備だけなら中島もまだ平均以上で守れて鎌ケ谷には上野も居る。狙いたいのは“最低限守れる打撃型SS”だ。

細川は今季のプレーぶりを見るにSSを諦める理由は見当たらないが将来的にコンバートされる可能性はあるので、(即戦力候補とは別に)好素材のSSは獲り続けて良い。


▶ 外野手OF

大田がOPS.540と大不振・西川もOPS.716とキャリアワーストの出来だが、淺間ら若手達の台頭でそれほど悲観せず済んでいる。西川のLFコンバートが滞りなく出来たのも良かった。

ただ、今季のFAは無いだろうが西川と大田は既にFA権を取得しており、近藤の契約も来オフに満了となる。北広島のBPオープンを前に実績のある3人が揃って退団する可能性も0ではない。

五十幡宮田のスピード・今川万波のパワーはNPB最高クラスの武器になり得るのでレギュラー候補として大きく育てて欲しい。片岡の打撃が伸びてきたのも嬉しい。

OFはここ数年は大学・社会人を中心に指名してきた。それでも全く構わないが、年齢構成的には高校生の方がバランスは良さそうだ。

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