バリカンで逆モヒカン!?[高次脳機能障害]
38日目【バリカンで前頭部を剃った日】
2009-04-15 18:06:18
忘れもしない衝撃的な日
この日は、忘れもしない。
病室につくと洗面所の床は髪の毛が散乱し、そこには変わり果てた姿の父がいた。バリカンで頭部の中央に見事な1本線ができているではないか。「モヒカン モヒカンー」と本人は鏡をみながら頭をペンペンしている。とうとう気が触れたのかと思わずにはいられない奇行に言葉を失った。
父の奇行はこれだけでは止まらなかった。次々と鏡で見える部分をモヒカンでかりはじめたのである。なんてことを! 目はうつろで、呂律はまわっていない。学生時代の先生が罰で生徒をモヒカンにしてたといった趣旨の話をたどたどしく話し出す。これが真実なのか、高次脳による作話なのかもわからない。父はどんどんおかしな人になっていく。
”加害者よ お前は父の脳を破壊した それがどういうことかわかるか”
このフレーズが心の底から浮かび上がる出来事だった。
明日はリハセン初診
明日はリハセンの初診なのに、その前日の惨事。先日、院内の床屋さんできれいにしてもらったところなのに。あわてて車椅子を押して床屋に向かった。店主は、「これは もう丸刈りにするしかないなぁ。ど真ん中を刈っちゃってるから手の施しようがないよ」と。坊主になった父。
リハセンに行くためにリフトタクシーから何から準備はしていた。待つことができない父がキレないように気をまぎらわすものも鞄に詰め込んで準備をしていた。髪型がなんだ。丸坊主上等だ転院するならリハビリ病院がいい。隔離病棟には入れたくない。ただただ必死だった。
無線LAN
病院の個室に無線LANが来ているのに気づいてPCを持ち込んだのがこの日である。これでリサーチも仕事も出来やすくなる。本当にありがたかった。父がうとうとしたのがチャンスとばかり私はPCで加害者の虚偽の証言を覆すべく目撃者を募ったり、高次脳機能障害に関わる文献や病院を調べたり、デザインの仕事をしたりと時間が有効活用できるようになったのがありがたかった。