[高次脳機能障害]交通事故から50日目:リスパダールは切らしてベゲタミン(「飲む拘束衣」と呼ばれた薬)
リスパダールを切らしているためベゲタミン
事故から50日目。まだまだ劇薬づけの父。
リスパダールの投与についての説明は全く医師からなかった。転院先の医師からは注意書き等びっちりかかれたA4のプリントをもらってそこで初めてどういう薬なのか、危険性を知ることになったのだが、この日はリスパダールはきらしてありませんと看護師が言ってきた。そのかわりにベゲタミンを持ってきた。
今調べてみてもベゲタミンは怖い薬だ。「薬物乱用防止の観点からの販売中止」となっている。
当時の記録から
【2年前の今日:平成19年4月27日】
この日、私が付き添ったのは15時からでした。
PCを持ち込んでいたので、かなりこまかく記録していました。
なんてことはない、行動に思えるかもしれませんが、
事故直後は、意識混濁状態でしたし、
体を起こすこともできませんでしたから、
おむつ状態でした。
それが、自分で立ち上がり、トイレまでいけるということだけでも感動でした。
でも、カーテンはあけはなしたまま。
それが、カーテンを閉めるという行動がでてくるようになった。
羞恥心がもどってきたんだと思いました。
こんな些細なことですが、
私達家族にとっては、とても大きな進歩だったのです。
朝は忙しいねぇと、朝だから、髭をそり、歯を磨くということをしていることらしい。
もうすぐ夜だよ。といっても、何いっとる昼だがや。
時間軸がむちゃくちゃになっている様子。
昼夜が逆転してしまっています。
いまが何時なのか認識できなくなっていました。
リハビリも行っていないと言い張る。
みんなびっくりしてるだろうなぁ、俺がリハビリいっていないから。
この日、15時には、リハビリにいったといっていたのに
1時間後には、リハビリには行っていないと言い出し、認識できなくなっていました。
お茶がとどく。
介護士さんのことを、貞子だがやと地元の人間の名前を言う。
(実際はまったく関係のない人、Iさん)
この方、だけではなく、看護士さんに対しても、知っている人と思い込んでいる人がいて、
いまだにその誤認は直っていません。
主治医が回診:
足が痛いだけで、あとは問題ないという。
先生は、父のいうことを丸呑みして信じていそうで恐い。
これが、一番不安の種でした。。。
夕食後歯磨きを促したが、
今は昼だから歯はみがかんといって磨かない。
今何時?と時計をみせ、18時すぎだということがわかっても、寝る前に歯は磨くものだといって歯間ブラシしかしようとしない。
夕食がまだこんと、突然言う。
さっき食べたでしょうというと、食べとらんときかない。
キャベツたべたじゃないというと、あれは昼だ、という。
お昼にはお寿司たべたでしょうというと、あれは朝だと言ってきかない。
イライラしている様子だったのでこの話題からは離れる。
リハビリにいっていないとまた言い出す。
リハビリいったよ。というと声をあらげるようになって
口をへの字にまげて口を聞かない。
リハビリいってない、と大声で反論してくるので一旦席をはずす。
しばらくして戻るが、口数がほとんどなくなる。
眼鏡をかけ電子手帳を開いて操作をしている。
アドレス帳がみられるようになった。
携帯電話をとりだし、液晶が壊れていることに気がつく。
なんでこうだ。充電きれとるのか。
これで電話できるかな?
それは電子手帳だから電話できないよ。
これで電話できるよ。といい、電子手帳のアドレス帳を繰り返しみている。
能登震災(H19)の番組を静かにじっとみている。
時々、リハビリでやっているのか、バーベルをもっているようなしぐさで、
手を垂直に上下運動を左右交互に繰り返す。
それリハビリでやっているの?と声をかけると。うん。といい暫くしてやめる。
あるよ~と鰯とするめとお茶をだす。
(通風が出ることを恐れ、カロリーの低いものしか用意しない。)
しかし直ぐには手をつけず、身体をのばしたりしている。
なんとか起き上がり、何があるんだこれ。
するめか。と一本口にくわえ、よいしょ、よいしょと身体を振りながら
少しずつ上にあがって寝転がるが、
身体をおこしてテレビのニュースを見入っている。
スルメをたべて、歯間ブラシを要求、薬飲んでからにしようかというと
歯間ブラシしてからと、はさまったものを先にとりたがった。
歯間ブラシをつかいながらテレビを見入っている。今日はほとんどNHKばかり。
歯間ブラシでは歯につまったものがとれないと歯磨きをする。
新しい、歯ブラシのふたがあけられず、これどうやってあけるんだと怒り出す。
(今まではねじってあけるキャップ式のもの。今度のものはポンとあける蓋のもの)
2年経過しているので、こんなこともあった・・・という気持ちであらためて読み直しました。
こんなころから、主治医に不安を感じていたんだな・・・と。
執着も強いし、カッとなりやすいし、健忘性もみられるし。
これは、高次脳機能障害ですね。と言われても、おかしくない症状ばかり。
よく、つきっきりで、23時までいられたなぁ。と思います。
事故から、まだ1ヶ月半程度でしたから、
まだまだ、気力・体力、ストレスに対抗するエネルギーがあったのだと思います。
今は・・・自分のベクトルをあげていくのもなかなか厳しい状況です。。。