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018. 水産加工施設の小さな増築(2016 セントビンセント&グレナディーン諸島国)

 セントビンセント&グレナディーン諸島国は人口は約11万人。観光業と農業を主要産業とするカリブ海と大西洋の境に浮かぶ、総面積389km2の小さな島嶼国です。
 日本政府は持続可能な漁業の発展を支援するため1980年代から水産加工施設をいくつか建設しています。その施設・機材の改修と一部増築を目的として、水産4施設の製氷機・冷凍・冷蔵庫の修理と室外機等機械を風雨、塩害から守るべく小さな母屋を建てました。
 小さな離島、カヌアン島の機械棟新築工事で、現地工務店のおじさんに屋根組を理解してもらうため、現地で捨てられていた段ボールで縮尺1/50の屋根構造模型を製作。模型を見た職人のおじさんたちは大喜びしていましたが、わかってくれたのか、ちょっと心配。模型はそのまま工務店の大将に渡しました。

左:セントビンセントの首都キングスタウンから車で30分のヤング島
右:セントビンセント本島の漁港と漁師たち

 日本からマイアミ乗り継ぎで約30時間かかるため、日本人にはあまりなじみがないですが、カリブ海は本当に美しい。マグロやカツオ、ロブスターやシイラなど日本でもお馴染みの魚が採れます。

左:魚フェスティバルで売り子をするハワード水産局長(2016年当時)。
右:水産施設改修をする同国離島のひとつカヌアン島の夜明け。川がないため海がとても美しい。

 付き合いが長くなるととても気さくな現地の人たち。打ち合わせ時は厳しい表情の水産局長も、お祭りに参加すると破顔一笑です。

カヌアン島の機械室。屋根は現地で最も入手しやすいガイアナ産の堅木、通風ブロックは雨が入りずらい断面構造。屋根面の自然光が美しい。

 現地の職人と工務店の大将は模型を見ながら打ち合わせをして、仕事をしていましたが、なんとか理解してもらえたようで良かったです。堅木がかなり固いようで、切り出しに苦労していましたが大工の腕が良くて、これはうれしい誤算でした。

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