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011. ANKOWさんのこと:浜野安宏氏「ありがとう東京」会

いつも見ていた空のはず
大きな 大きな 空だったはず
ここに住んで、暮らしているのは なぜ
いつの間に、いつの間に ほんまに ほんまに
狭くて 狭くて キューくつ
・・・ 
僕は旅立つはず いなくなるはず
・・・サヨナラ サヨナラ 東京
「サヨナラ東京」作詞 浜野安宏

 京都のご出身で渋谷、青山、原宿、西麻布、六本木界隈を拠点とし60年以上日本のファッション、街づくり、そして世界の環境保護活動を牽引してこられた浜野安宏さんが、比叡山の麓、琵琶湖の畔に新居を建て転居される。東京の関係者が集まり、ささやかながらお祝い会が催された。

 お名前は学生時代からよく存じ上げていながら"生"浜野さんは初めてで、とても緊張していたのが、旧知のおじさんのような、包まれるような大きさを感じたのは、ANKOWさんのお人柄がにじみ出ていたためだろう。

 転居は天台修験道で得度されたご尊父の遺言を守られるため。近畿の名だたる霊場、神社を99か所めぐる映画を撮られるという。一方で、バチカンをクライアントとして、イタリアのダンディーな名優8名と日本人の華麗な女優さん1名で別の映画も撮られるらしい。
映画の話に情熱がこもる。聞いていても絵コンテが思い浮かぶようでとても楽しい。カーター大統領をはじめとする巨人たち、洋の東西を問わず時代の寵児たちが、ANKOWさんの意見に真摯に耳を傾けるのは、こんな感じだったのかなあ。

 11/30、青山の夜は華やかで艶やかで、どこか怪しさが漂う。建築家でありプロのジャズ歌手でもある旧知の小高由紀子さんが、ANKOWさん作詞の唄を歌う。青山浜野ビルの地下会場で1960年代のアングラな雰囲気が漂うのは、ANKOWさんがその時代の一角を担っておられたから。
 懇親会会場にはご自身の手による1950年代の鉛筆と水彩によるファッションデザインスケッチがさりげなくおかれ、壁にかけてある油絵は、名だたるフライングフィッシャーとして吊り上げてこられた魚達と尼崎の工業地帯の風景、そしてファッショナブルな、まるでイタリア映画に出てくる女優さんのような、洗練されたファッションを纏う女性像が多数あり、ANKOWさんの「カッコよさ」が伝わって来た。

 参加者全員がいつまでもいたくなるような、楽しく素敵な「お別れ会」であった。

ANKOWさんが傘寿で出版された自伝「自由無限」とにかく大きな夢をどんどん実現されていて、元気がでる。

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