「接客業」その根拠

前回は、「箱」の仕事は「お客様に満足していただくということ」ということを書きました。

ではどうすれば満足していただけるか。

俗に言う「良い演者」を揃えライブイベントを組み、「良い音響」、「かっこいいステージ」を用意すれば満足するのでしょうか?
それで満足してくださるお客様もいるとは思います。いい環境の箱には演者も集まってくるでしょう。

ただそれだけではないと断言できます。
照明設備が充実してなくとも、簡易的な音響機材しかなくとも、人が集まる箱はたくさんあるからです。
ではなにがいいのか。

例えば立地がよい、フードがおいしい、ドリンクの種類も充実している。
店員の接客態度がよい。値段が安い。
店の雰囲気がいい。
個人個人のお客様によってその尺度は変わります。
ライブハウスに来たことないお客様も来ます。

大事なのは、その個人個人の好みや意見に寄り添えるように考えることです。
女性が来やすいお店にしたいなら、ドリンクの種類は多いほうがいいでしょう。
暗くて怖いイメージを持たれやすいので、接しやすい接客態度、内装に気を遣ってもいいでしょう。
若い方が来やすいようにしたいなら値段設定も考えなければいけません。
割と年齢層の高いところに焦点をあてるなら
フードや落ち着きのある高級感のある雰囲気が大事かもしれません。

とどのつまり、いい箱はライブのことだけでなくお客様のことも考えられる箱です。
演者にたくさん飲んでもらおう、演者に楽しんでもらおうとする箱は結局のところ
「自己満足」です。

せっかく演者が一生懸命ライブをするのですから、箱はお客様が楽しんでくれるように考え、また来てもらえるようにするべきです。

当店も充分にそれができているかはわかりません。
ただ、お客様の顔を覚え、会話をし、「また来るね」と言ってもらえるように努力はしています。
ライブイベントにおける常連さんもいます。
「いつものちょうだい」とドリンクを注文してきてくださるお客様もいます。
それに応えられるように気を巡らせています。

これは自分が20年以上接客業をしてきたからこそクセづいていることです。

これからも「接客業者」であることを忘れずにお客様の要望にも添えるように
努力していきたいです。

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