政協副主席にならなかった人の話
第14期全国人大、全国政協が閉幕し、習近平3期目の陣容が固まった。特に驚いた人事はなく、事前に予想できたり、漏れ伝わってきた通りの人選だった。
第20期は全国政協副主席を兼任する閣僚級はいなくなった。替わりに、全国政協常務委員を兼任する閣僚が複数誕生した。宋濤、易鋼、李小鵬の3人だ。
いずれも、政協委員に選出された時点では副主席を兼任するものと考えていたが、そうはならなかった。
共通するのは、3人とも第20期の中央委員に選出されなかったところだ。中央委員は正部級なので、兼任するポストは閣僚級となる。ヒラ党員となれば政界の第一線から引退か、政協副主席を兼任して副国級となり、閣僚級ポストを続けるしか道はなくなる。
例えば、劉結一は中央委員を外れて閣僚ポストを手放し、今年1月に政協委員と政協に設置される専門委員会の一つ・外事委員会副主任に選出されている。
対する宋濤は昨年6月に対外連絡部部長を退き、直後に政協委員と教科衛体委の副主任に選出された。ここだけ比較すると、両者ともに上がりポスト送りなのは衆目の一致するところだ。
決定的に違うのは、宋濤は劉結一の後任として昨年12月に国家台湾事務弁公室主任に就任した点だ。なので、政協副主席は固いと考えた。
易鋼は一旦北京市副市長を辞任した殷勇が後任の人民銀行行長に就くのかと思いきや、なぜか北京市代市長に返り咲き、そのまま正市長となった。
目ぼしい人材がおらず、易鋼の続投はありそうだったので、彼もまた政協副主席を兼任して行長を続投するものだと踏んだ。政協副主席と閣僚ポストの兼任は、前任者の周小川から始まったことでもあるし。
李小鵬は正直常務委員止まりで第一線を退くかもという気はしたが、政協副主席には選ばれず、交通運輸部部長の続投となった。
政協常務委員は正部級なので、兼任による恩恵は得られないはず。このままでは65歳に到達すると否応なく解任されてしまう。
非党員の閣僚もいたので李小鵬はともかく、宋濤は67歳ですでに閣僚級引退のラインである65歳を超えている。また、易鋼も全国人大開催当日にめでたく65歳の誕生日を迎え、退任待ったなしのはずだ。
第20期中央委員会は定年ラインの68歳を超えた王毅や張又侠といった面々が政治局委員に昇格、または留任したが、習近平も含めてライン超えは3人にとどまった。
ところが、政協副主席ですらない政協常務委員の閣僚兼任だ。どういう理屈で彼ら3人のポストを保証するのだろうか。
==参考消息==
https://note.com/aquarelliste/n/n60466c1558de
https://note.com/aquarelliste/n/na4f0c7bff399
http://www.news.cn/politics/2023-01/17/c_1129294818.htm
http://www.cppcc.gov.cn/zxww/2023/03/11/ARTI1678466016246259.shtml
http://www.cppcc.gov.cn/zxww/2023/01/18/ARTI1674005617470226.shtml
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