第2週目 大水槽、サメ、水処理チーム
飼育員(仮)となって2週間が経った。それで、今までやっていたことを書く。実習は一週間ずつ全ての部署で働くこととなっていて、もともと第1週目は新人教育の予定だったが、何故か初日から仕事をやらされた。
1チームのお仕事
1チームは主に大水槽と水処理を担当する。他の水族館にはLSS(生命維持装置)チームという水処理を担当する部署があるが、今働いている水族館では飼育員がその業務を担当している。水族館が地下にあるため、地下から地上まで重い荷物を運んだり、収水施設の設置や解体などで大変忙しいのである。
1チームは自分を含めて5人いるが、チーム長は他の業務で忙しいし、そのうちの一人はダイバーさんだし、休暇を取る人もいるわけで、実質3人体制となる。
水槽の紹介
1チームが担当する水槽は以下の通りである
大水槽
水槽水量3千トンに及ぶこの水族館で一番でかい大水槽。水槽左右にトンネルがある。
シロワニが11匹暮らしている。マダラトビエイ、ツマグロ、シノノメサカタザメ、マダラエイ、ホシエイ、トラフザメ、ヒョウモンオトメエイ、美ら海水族館から来たコモリザメ、センネンダイ、ターポン、カンパチ、メガネモチノウオ、ロウニンアジ、マアジ、マルコバンなどがいる。
サメ水槽
珊瑚礁を模した水槽なのだが、ドチザメがいる。サメはツマグロ、イヌザメ、韓国でここだけのマモンツキテンジクザメがいる。
他にデバスズメダイ、ヒフキアイゴ、オオスジイシモチ、ヒラテンジクダイ、アイゴがいる。
フォトゾーン
裏の通路に入って水槽に入っているかのように演出できる水槽。白点病で低塩治療を行っている。サザナミヤッコ、タテジマキンチャクダイ、セガタヤッコ、マンジュウイシモチ、チョウチョウウオ、ハタタテダイ、イシダイなどがいる。
7m水槽
コガネシマアジ、ウマヅラアジ、サザナミトサカハギ、カゴカキダイ、一匹のメガネモチノウオ、一匹のアマメフエダイ、一匹のメジナがいる水深7メートルの円柱型水槽。
ここでマーメイドショーをやっている。
ウミガメ水槽
腕が一本ないアカウミガメ一匹、タイマイが2匹、9匹のドチザメが住んでいる。もともとマンボウを飼育していた水槽で、今は竜宮城風の内装になっててとても悲しい。
隔離水槽
ウミガメ水槽の裏側にある。チョウハンが2匹ある。病気のタイマイ1匹を入れいている。
メディカル水槽
昔は保護目的で搬入したスナメリが、少しあとはウミガメ、今はバックヤードとなって何も入ってないが、大きい生き物を搬入した時に使うようだ。
日課
私の日課は以下の通りである
6:50 起床
7:45 出勤
7:55 大水槽の水質チェック
海から水を汲んでいる。ろ過装置を通っていったん大水槽へ水が流れる。
それをすべての海水水槽で使用するため、大水槽の水質管理は重要になる。
8:00 朝礼
その日の作業内容とかを共有する
8:15 地上に上がって臨時取水施設を設置する。
取水施設が故障しているので、小さいポンプでやっている。
8:30 2日前に出した餌を調餌台に出す
冷凍倉庫から二日前出しておいた餌を出す
8:40 管轄の水槽の水質チェック
海水水槽7つ、淡水水槽1つ。装備を片手に持って水のサンプルを汲んで精密検査に出す。
9:00 調餌
スケトウダラ、ニシン、サバ、ホッケ、カラフトシシャモ、バナメイエビ、ワタリガニ、アサリ、オキアミ、イサザアミを使用している。
わたは大水槽の水質悪化と繋がる取り除く。ワタリガニのはさみやエビの角は生き物を傷つける恐れがあるためとる。
軟骨魚類には専用のビタミン剤を魚の身に差し込んで与える。
オキアミやイサザアミは液体ビタミンとニンニクパウダーにまぶして栄養強化をする。
10:00 餌出し
冷凍倉庫から二日後分の餌を出す。毎日用意する餌は殆ど変わらないが、曜日によって違うので要注意なのだ。
10:30 ウミガメの餌やり
アカウミガメ一匹とタイマイ2匹、ドチザメ9匹のいる水槽に餌をやる。
エサとしてサバ、サンチュ、ロメインレタスなどを使用している。
10:50
11:30 餌の用意
12時に大水槽のシロワニの餌やりがあるので、餌をアクリル箱にいれる。
スケトウダラ8、ホッケ4、サバ2,ニシン3がシロワニ用
ワタリガニ1とサバ1がシノノメサカタザメ用
11:55 大水槽のマダラトビエイの餌やり
大水槽の上からのばし棒に餌を刺してマダラトビエイに与える。3匹いて、個体識別は客の頃からできていた。
12:03 大水槽の餌やり
ダイバーさんから潜るという合図が来たら、用意していたシシャモ、アサリ、ワタリガニ、バナメイエビ、サバやニシンをぶつ切りにした物を水槽に撒く。上から誰が来たのか確認する。
12:10 昼休憩
餌やりのせいで10分減らされているため主にマックで済ます。
13:00 水質チェック
13:30 餌やり
魚のある水槽にオキアミやイサザアミを投げる。病気の魚が多いので注意深く観察する。ちなみにイチオシはイシダイくん。
13:50 サメの生態説明会
と書きまして餌やりと呼ぶ。4種類のサメのいる水槽に餌をやりながら解説する。二人一組で行われるが、自分は新人なので、見ているだけ。
サメはツマグロ、イヌザメ、ドチザメ、マモンツキテンジクザメがいる。
14:40 7m水槽の餌やり
ここのメガネモチノウオ、イカのゲソしか食べないうえで近寄ってくれないので、難易度が高い。先輩もコガネシマアジに奪われたりする。
15:00 館内チェック
15:55 マダラトビエイの餌やり
16:03 大水槽の餌やり
16:10 調餌場の掃除
16:20 ミーティング
その日の作業などの報告
16:30 pH調節
地下3階の倉庫から25kgの重曹と12.5kgを地下2階まで運んで投入する。
地下3階にはかりがないので、間違えるとかなり苦労する。
16:50 ファイナルチェック
バックヤードや機材に異常はないか確認する。
17:20 退勤
お疲れ様です。
終わりに
まさか初日から仕事をやらされるとは思わなかった。
思ったのと少し違う仕事だったけど、工業高校を通ったおかげで工具の使い方や配管の知識は少しあって助かった。今は楽しいと思ってる。
来週からケープペンギンやコツメカワウソなどを飼育する2チームと移動する。うまく行けるかな
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