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「有言不実行リスト」をつくろう

何一つ自分や他者と交わした約束を守れない人間すなわち私のような人間は、これまで守れなかった約束を忘れるわけでもなくずっと胸の内に留めており、それらはいつしか鋭い棘になってふとしたときに私を傷つけ、一年のうち100日間ぐらいはもう死のかなと戯れ程度に考えているので、どうにかして身を守る手段を講じる必要があります。

それで昨日まで三日三晩、合間合間にサネコスリを挟みつつ考えたことは、「有言不実行リスト」を作成し、それをしらみ潰しにつぶしてゆこうということでございました。手順は次の通り。

1.生まれてから今日まで、自分や誰かと交わしたものの果たせていないor守れていない約束を逐一書き出す。

2.それらの達成要件を主に数値を使って定める。

3.実行しやすいものから片付けてゆく。

この時いくら荒唐無稽なことであってもまずは書いてみることです。例えば中学生の頃にギターも満足に弾けないのにも関わらず「ロックスターになる」と漠然とした夢を抱いていた人は、その曖昧で馬鹿げた夢を「曲を○曲作り、それをweb上で必ず発表する」という風に書き換えてみれば、とりあえず自分で努力できる範囲で「挑戦」はできるじゃありませんか。


この「有言不実行リスト」を作る上で、ひとつだけ心に留めておかれたいことそれは、項目を一つ一つ潰したところであなたの地位や名声を高めることに繋がると思わない方が良いということです。

むしろ項目を全て自分の努力次第で完了できる形に変換し、実際にそれを完遂することで、「自分は言いっぱなしでは終わらない人間だ」という強い自己暗示を重ね塗りしてゆき、失われてしまった自信や童心を回復しようというのが、「有言不実行リスト」を作成する最大のメリットなのであります。ギターを適当に押さえて3分間雑なバッキングを録音して1曲とカウントしてもいいのです。五十音をしゃにむに叫んで1曲としても良いのです。とにかく自己満足を感じるためにあらゆるズルを駆使しましょう。

守れなかった約束や夢がたくさんある人は辛いかもしれませんね。項目同士で矛盾や衝突は起こるでしょうし、それによってむしろ支離滅裂で滅茶苦茶な人物だと周りから忌み嫌われる展開になるかもしれません。

でもそれでいいじゃありませんか。まずは自己満足することです。外の世界が怖いなら、その恐怖心が消えるぐらい自分を肥大化させてから外に出て改めて適正なサイズにしていってもいいのではありませんか。

そのように考えまして、昨日、私の有言不実行リストの中には「有言不実行リストを作る」という項目が追加されました。果たすかどうかは……未定です。

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