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気楽な楽器

 一昨日の金曜日の夜にふと思い立ってクラシックギターを買った。

 名古屋の錦にあるYAMAHA。買ったのは「CS40J」という小さなクラシックギター。多分子供や手の小さな女性が使うモデル。自分にはサイズが小さすぎるかな、と思ったけどこれじゃないと嫌だった。大好きな青葉市子がこのモデルを愛用しているそうなのである。この人の真似をしたかった。

 ギターを受け取ってから店を出て、車に戻ってから我慢しきれずにソフトケースからギターを出して爪弾いてみた。ノイズ混じりの、だけど木で包まれた優しい音が出た。窮屈な運転席でギターを抱えたまま、スマホで『卯月の朧唄』の電子楽譜を購入して、チューナーのアプリでそそくさと音を合わせてからちょっとだけ練習をした。押弦する左手指の爪はコードを弾くには長すぎたし、右の方は爪弾くには短すぎたが、気分はよかった。

 ギターを抱えたまま、車窓の外の人通りを眺めていたら、YAMAHAの店から電話がかかってきた。お釣りの5千円を渡し忘れていたというので、ちょうどまだ近くにいるから取りに行くと言って店に戻ると、店員さんが5千円札の入った封筒と、お詫び品(?)のピックを手に店の前で待ってくれていた。ピックは白と青と赤と緑色の4枚あった。これでバッキング(=ギターをかき鳴らすこと)も練習できるな、と思った。椎名林檎の『ありあまる富』も練習しよう。

 小さなクラシックギター。蜜柑みたいに気楽な楽器。毎日朝の1時間をギターの練習に使おう。


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