Olympus F.Zuiko 38mm F/1.8 ペンF用レンズの分解
オリンパス 38mm F/1.8は、オリンパス ペンF, FT, FV用のレンズです。
焦点距離が38mmなので一見広角レンズ?と思いますが、使用するペンFはハーフサイズカメラの為、35mmフィルムで換算すると50mm代の標準レンズになります。(ハーフサイズカメラは35mm換算だと約1.4倍の焦点距離になる。)
弱点として絞り羽根がネバっていることが多いです。またそのせいでカメラボディだけならシャッターが切れるのに、レンズをつけると止まってしまうという症状が発生します。
基礎知識
TTLナンバー
絞りリングに、絞り値とは別に0~6の目盛りがあるタイプがあります。
これはTTLナンバーという露出計用の数値で、Olympus PEN FTに対応しています。
絞りリングは、このTTLナンバーと絞り値表記を切り替えて両方使えます。
上に引っ張って半周させると切り替わります。
露出計のないモデルではTTLナンバーでは分かりづらいので、絞り値表記に切り替えておいた方が使いやすいでしょう。
当然、Olympus FT販売以前に作られたレンズにはこの目盛りはついていません。
特に、TTLナンバーのあるなしで値段や売れ行きの違いは感じたことはありませんが、レンズ販売時には”TTLナンバー付”と記載すると分かりやすいと思います。
レンズセットで販売するときには、PEN FTにはTTLナンバー付を合わせるのがベストです。
Olympus 38mm F/2.8
ペンF用の38mmレンズには、F1.8のほかにF2.8もあります。
スペックが下なので、値段も下に思えますが、そういうわけでもありません。
画像のD.ZUIKO 38mm F2.8は限定一万本で販売されたレンズなのでかなりレアです。その為値段も少し高めで取引されています。*とはいってもレア度の割には安いです。
上とは別物で、OLYMPUS E.ZUIKO AUTO-S 38mm F/2.8というパンケーキレンズもあります。
こちらはかなり人気も値段も高く5万円以上で取引されています。
前玉分解
銘板をゴムオープナーで外します。
外周のフィルター枠が取り外せます。
その下の銀のリングも外して下さい。
ここで注意ですが、リングの下には小さい球が入ってます。
もともとは、その下にあるリングのスプリングの上に載っていたものです。
失くすと、絞り値を回した時のコリコリっとしたクリック感が無くなります。
内側の渦巻リングを外します。
ゴムオープナーを壁面に押し当てて外して下さい。
渦巻リングの下にあるレンズを外します。
その下は、結構固いのでカニ目レンチで開けると良いです。
ここを開ければ絞り羽根まで到達します。
分解時の注意
レンズ内側の金色部分は前玉で押さえつけてあります。
そのため、レンズがないと緩んで少し浮いてきます。そうすると絞りと連動するピンが金色の内側に潜り込んでしまうことがあります。
絞り値を変えても羽根の開きが変化しないときには位置を確認して下さい。
後玉分解
マウントにあるネジを3本外し上に抜きます。
レンズの周りにカニ目があるので、先が細いペンチやカニ目で外して下さい。
マウントを戻すには少しコツがあります。
矢印先の金具に中に絞り連動ピンを挟み込むようにして戻します。
一枚目のレンズだけならマウント外さなくても取り出せます。
この下のレンズは回せるものの、引き抜こうとするとカバーに引っ掛かって外れません。
カバーを外して分解していく方法
マウントを外さず、カバーを外して分解していくこともできます。
このカバーはすごく傷つき易いので、ネジを外す際に、ドライバーの先で引っ掻かないように注意して下さい。
中央の絞りと連動したピンは、本体とバネでつながっていて外れると面倒です。元位置から外れないよう(あまり負荷を与えないように)にしてレンズ分解を行って下さい。
以上オリンパス 38mm F/1.8 ペンF用レンズの分解でした。
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