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Canon 7 レンジファインダーの分解

キャノン7は、キャノン製レンジファインダーの最後期につくられたモデルです。露出計が電池化されたキャノン7sもあります。
通称ドリームレンズといわれる50mm F0.95を装着できることで有名です。


トップカバーの分解

シャッター速度をバルブ、ASAを400にします。
これ以外だと、シャッターダイヤルが外せません。
露出計の目盛りの11が少し隠れるくらいの位置です。この位置は分解清掃中にずれやすいので覚えておいてください。

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巻き戻しクランクと下のワッシャーを外します。

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巻き上げレバーを外します。
カニ目のカバーとる→レバーを上に抜く(金具は乗せたままでOK)

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レリーズロック用のダイヤルを外します。
側面のイモネジ3本を外して上に抜きます。

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シャッターダイヤルを外します。

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側面3か所の穴の奥にイモネジがあります。
なおBのASA400以外だとイモネジが見えません。
シャッター速度1と2の間にあるネジは抜いて下さい。
他の2つは緩めますが、緩めすぎないのがポイントです。*2,3回まわす程度
緩めすぎるとネジの頭が内部のASA感度の文字盤に引っかって抜けません。馴れないと少し加減が難しいと思います。

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ASA感度の文字盤は、指標の少し下に "21" があるのが正しい位置です。
分解中にずれるので覚えておいてください。
中央に茶色い板バネが入っています。外側が下がっているので戻すときは表裏を注意して下さい。
文字盤ともに上に引き抜いて外します。

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シンクロ接点を外します。
内側のカニ目を回して外す→外側のパーツを取る。
ちなみに7sは、カニメがないので外しずらいです。

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逆サイドの側面のネジを外します。

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分解に必要なパーツはすべて外したので、トップカバーを上に引き抜きます。

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ファインダー清掃

アイピースの左下のネジを外すと、外側の接眼レンズが取れます。

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ファインダー前面のカバーを外します。
横からマイナスドライバーを入れて上にはがします。

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ファインダーカバー下の隙間に、カビが発生していることが多いのでよく清掃して下さい。

その他、中央にある反射鏡やトップカバーの集光部の内側など清掃する部分は多々あります。
目を近づけてファインダーを覗くだけでなく、少し離して覗くことでファインダーの内部の汚れが確認しやすくなります。

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底板の外し方

ネジ2本とカニ目のネジを外します。

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下にワッシャーがあるので回収しておいてください。

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二重像の合わせ方

縦軸

シャッターダイヤルそばのカニ目のカバーを外します。下に押しネジがあるのでマイナスドライバーで上下を調整できます。

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トップカバーを開けた状態だと画像の矢印下のネジです。

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横軸

ファインダー横のマイナスネジのカバーを外します。同じく下に押しネジがあるのでマイナスドライバーで左右を調整できます。

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分解した状態だと矢印上のネジです。
二重像は分解せずとも調整できますが、トップカバーを外すのならば、その時に調整するほうが楽です。

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低速シャッター不良の改善

しっかり治すのならば、外カバーを外してからスローガバナーを清掃しますが、症状軽い時の荒業的な治し方を紹介します。
マウント内部のカバーにわずかに隙間があります。そこから揮発性の溶剤を流し込んでください。

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外カバーを外した時の画像も載せておきます。
下に側面カバーの外し方を記載しましたので、外側からで改善しない場合は分解して対処して下さい。

Canon 7sの二重像調整

Canon 7sもCaon 7と同じく、二重像の縦軸は外側から調整可能です。
場所は違いますが、似たようなカニ目のカバーがありますので、外して下さい。(Canon 7sの前期型はCanon 7と同じです。)
中にある押ネジを回してと行きたいところですが、残念ながらそれらしいものは見当たりません。
暗くて見えづらいということでなく、ネジ自体ないです。

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