モルト交換(キャノンAE-1)
Canon AE-1のモルト交換をしていきます。
交換箇所は、ミラー室と裏蓋上下の細い溝と側面です。
作業前に画面中央のピンを押し下げて裏蓋を外しておきます。
モルトの除去
裏蓋の溝に沿ってアルコールを注し、モルトをふやかします。
巻き上げレバーの下部分には、モルトが切れている部分があります。
内部まで繋がっているので、あまりアルコールが入り込まないように加減して下さい。
一通り、モルト全てにアルコールをかけてしまいます。
本体側面
裏蓋側面
溝の大きさにあわせたマイナスドライバーを用意します。
溝に沿ってドライバーを入れ、ふやかしたモルトを剥ぎ取っていきます。右利きの方であれば右から左へ掻き出します。
曲がっているところははがしづらいですが、こういう箇所こそ新しくモルトを貼るときに影響があるので丁寧にはがして下さい。
ドライバーについたモルトは随時ぬぐい去って下さい。
右側のモルトを取るときは上下を引っくり返します。
マイナスドライバーであらかたモルトを除去した後に、ウェットティッシュで仕上げます。
竹串にウェットティッシュを巻きつけて細かく残ったモルトを拭き取ります。細かいモルトが寄って端に貯まるので、ドライバーで再度掻き出します。
側面をヘラ、先を平たくした割り箸などで剥がし、ウェットティッシュで仕上げます。
裏蓋の側面も同様です。こちらは、下にキズを付けたくないので、割り箸かウェットティッシュだけでモルトを取ります。
ミラー室のモルト除去
ヘラもしくはマイナスドライバーを横に動かしモルトを削ります。
端に溜まったモルトを除去します。
スクリーンに大きめのモルトが落ちたときは非金属製のピンセットで取り去って下さい。細かく散らばったモルトはブロワーで吹き飛ばします。
モルトの貼り付け
換え用のモルト、接着剤の入った注射器、モルト切断用の小型のハサミを用意します。
はじめに注射器で、裏蓋上下の溝に接着剤を入れます。
注射機で糊を注しつつ、注射針で伸ばしていく感じです。
うっすらと糊が付けば十分です。とぎれとぎれ位でちょうどよいです。
始点、終点部分には糊がないと剥がれの原因になるので、薄くてよいものの確実に塗布して下さい。
溝にモルトを入れ、マイナスドライバーで端から貼っていきます。
モルトは伸ばさないように、上から置いていく感じで貼っていきます。
モルトが捻れないように注意して下さい。
曲がった部分は隙間ができやすいので、モルトを少し縮めるような(密集させるような)感覚で貼っていきます。
端まできたら、長さを合わせてモルトをカットします。
上の溝は、穴がある部分でカットします。多少はみ出る分にはかまいませんが、飛び出たピンには干渉しないようします。
側面のサイズに合わせてモルトをカットします。
裏側がシールのモルトを使う方が楽です。
カットの後貼り付けます。
同じく裏蓋の側面にもモルトを貼り付けます。
ミラー室にもモルトを貼ります。これは側面に使ったモルトよりも厚手のものを使います。
以上でAE-1のモルト交換は終了です。
機種ごとにモルトの貼り方は微妙に違います。
注意しておきたい機種を少し列記します。
Olympus Pen EE, EES など・・・底板のモルトは2mm以上厚いものを使用して下さい。光漏れの原因になります。
Olympus F, FT,Trip35・・・裏蓋上下の溝のモルトは一部分のみ、全面貼る必要はありません。
Minolta srt101, srt superなど・・・ミラー室のモルトは1mm程度の薄いもの。
Canon FTなど・・・ミラー室に一見モルトは使われていないように見えるが、カバーを外すと内部に使われています。
Nikon EMなど・・・ミラー室のモルトは、前面だけでなく、コの字の形ですべて張り替えます。
以上よく遭遇しそうなものだけ記載しました。
他の物もありましたら追記します。
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