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機動戦士ガンダムAGE感想(44話)

・機動戦士ガンダムAGE第44話「別れゆく道」

イゼルカントは、ゼハートにプロジェクト・エデンの真の目的を告げ、自らの代わりにヴェイガンを率いるよう命じる。ゼハートは全てを理解した上で、イゼルカントの言葉に従うことを決意する。一方、連邦側では、フリット、アセム、キオ、それぞれの戦争に対する考え方の違いから三人による口論が繰り広げられていた。フリットのヴェイガン殲滅という強い意志に、キオは、ヴェイガンの全てが悪いわけじゃないと立ち向かう。何のために戦うのか、そして、その終わりはどこにあるのか。アスノ家三代の親子は、それぞれの歩む道を見出し、進んでいく。

バンダイチャンネルのあらすじより

最終決戦前の1話にして、登場人物達の思いが露わになる回。

39話で示されたイゼルカントの掲げるプロジェクト・エデンが再びこのタイミングでゼハートを前にして提示され、地球人もヴェイガンも関係なく争いを行わない選ばれた人間を選出する、という全貌を今一度おさらい。ヴェイガンの民のために戦ってなかったんじゃなかったのか!?と言っていたゼハートはなんだかんだあってプロジェクト・エデンの全てをイゼルカントから託され、それを受け入れてしまうのですが、このあたりの心境の変化はよく分からず(^^;もはやイゼルカントの指示に従うしか道はなかった、ということなのかもしれませんが。

一方で連邦側ではフリットが地球の捕虜を移送せず処刑しろ、と発言し、それを聞いたアセムとキオが反発。子供の頃(第1部)から自分が目指していた「救世主」であろうとするフリットだが、それは救世主ではない、とキオに否定されてしまう。キオ寄りの立場であるアセムからも咎められ、一人その場に残ったフリット。彼の脳裏にはグルーデック艦長、ユリンといったヴェイガンとの戦争の中で殺されていった人々が浮かび、散っていった彼らの為にフリットはヴェイガンを滅ぼす救世主であろうとする…

ここでガラス越しに映っていたフリットが、もはや戻ることはできない第1部の頃の姿になる、というのはいい演出でした。数々の人の死を経験し、そんな彼らに背くようなやり方はできなくなった結果、自分の目指していた「救世主」に縛られることになったフリットの抱える哀しみが分かるいいシーンになったと思います。アセムはゼハートの存在がありますし、キオもディーン・ルゥの兄弟と触れ合ってヴェイガンも悪い奴らばかりじゃない、というのがある一方で、フリットにはそんなヴェイガンに会った経験が一度もない(それどころかヴェイガンに肩入れする連邦の人間を多く見て、そして粛清してきた)というのもこの関係性において致命的な点に。

そしてこの戦争の鍵を握る戦闘データ、レグザTVを発見したとゼハートに報が入った。しかしその近くには通常のMSの数倍はあるかという謎のマシンが存在していたという。ゼハートはプロジェクト・エデンと共にイゼルカントから譲り受けたガンダムレギルスを駆り、その場所へと向かう…

最終決戦を前にこの物語の目的は何なのか?を今一度おさらいしたまとめ回。演出でも光る面があり、決戦前の準備運動として丁度いい回でした。

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