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アルジェントソーマ感想(24話)

・アルジェントソーマ Phase:24「勇気と愛と」

タイプH2のプラズマ化に為す術がないフューネラル。ようやくジェイルに辿り着いたハティとリウの呼びかけにも、全く反応を示さないフランク。しかし、リウが自分とフランクが同様の存在であったことに思い至った時、奇跡は起きる。フランクは、地球の未来のために飛翔した。

バンダイチャンネルのあらすじより

エイリアンが太陽のような高熱を発し、ギネビアとそれを助けにトートに乗ってやってきたスーが行動不能、更にはマイケルも高熱の中で身動きが取れなくなってしまう事態に。ここでの戦闘はかつてのギネビアのザルクのエイリアン化もあって、今度はギネビアが助けに入る形となる、ということで手堅く盛り上がりました。

本部内ではダンがやはりというか何というかまたしても裏切って元の鞘に収まり、リウとハティの手ほどきに加え、イネスの救助にも向かう。しかしエイリアンの高熱現象は本部にまで被害を及ぼそうとしていた…

逆転の鍵となるフランクの元へと向かうリウとハティは、ウォルトの助けもあって遂にフランクの元へとたどり着くことが出来たが…フランクはハティの声にも、リウの声にも反応しない。ユリシーズ号の計画に反対していたロレンスも粛清され、刻々と迫る危険を前に、リウは怒りを形にしてフランクへとぶつけ出すが…そんなリウを見てハティはフランクをかばう。そして…

「自分のことをよく知らないのに、他の人のこと、分かるはずないよ!
フランクのことも、マキのことも…」

「それでもマキは、俺に笑顔を向けてくれた!」

「でもそれだって!ただ答えが見つからなかったから…それとも嫌な言葉を聞かされたから…」

「違う!」

「ううん…何も答えられないから、ただ笑ってただけかもしれない…」

「お前に…お前みたいなガキに…俺とマキとの何が分かるって言うんだ!
言ってみろよ…」

「言わない!言ってもリウには本当のこと…伝わらないもん」

そのハティの言葉は、リウに一つの気付きを与える…

「そうか…俺もまた、心を…
同じだったんだな…お前も俺も…だから俺はお前を憎み…そして…愛した」

ここでリウに対して言い返したりといったことはちょくちょくあれども、別にそこまでリウの心を変えさせる、というようなことはなかったハティが、ここに来てリウに痛烈な一言を浴びせ、これはお見事でした。リウの行動原理は割と一貫している反面、場合によっては感じ悪く責めるような言動をしてしまうことが多かった(マキ絡みの回想とか結構多かった印象があります)のをハティの言葉として分かりやすく表し、リウとフランクが「同族」であった気付きとなりました。そして…

「言葉は…全ての溝を埋めてくれないのかもしれない。
だが私は覚えている。深い眠りの海に浮かぶ私に何度何度も諦めることなく呼びかけてきてくれた声を…
教えてくれ…お前のことを。お前が生まれた世界のことを…
そして心の奥に直接打ち込まれた問いかけの言葉を。
あなたのことをもっと知りたい…と。

フランクが光を発しながら飛び立ち、地球上の、ユリシーズ号の、そしてハティからのエネルギーを吸収して新たな姿形へと生まれ変わっていく。それはリウに言わせてみれば、まさに「錬金術」であった…

詳しくは解説されないものの、ハティから出ていたエネルギーは恐らく9話で解説されていた「ハティの体の中に入っていた金属片」であると思われ、フランクはエイリアンのパーツを取り込んでいる、ということでいいでしょう。ハティはエネルギーを失う寸前、フランクから別れを告げられ、一人になるのは嫌、といいつつ気を失う。そして巨大化したフランクはフューネラルの面々に別れの挨拶を済ませると、帰ってきた故郷を再び後にし、巨大エイリアンと共に宇宙の彼方に消えるのであった…

こうしてフランクの犠牲により、地球に迫る最大の危機は去った。
が、リウはハティをフューネラルに預けてその場を去ってしまう。イネスにタクト、と呼びかけられたリウは…

「間違っている。俺は…リウ・ソーマだ」

…というわけで、事実上の最終決戦回。それぞれのキャラの活躍がしっかりと見られ、満足の出来でした。次回は個人的に気になっていた、「復讐を果たした後リウは何を目的に生きるのか」という問題に決着がつきそうなので、最終回まで楽しみたいと思います。あと、途中で出てきた新物質「ソーマ」が拾われるのかどうか(笑)

最終回は「愛と再生と」で、第1話の「再生と死と」にループして繋がるというのが最後まで手が込んだところ。

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