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燃えろ!!ロボコン感想(49,50,51話&西園悟、扇澤延男脚本総括)

・第49話「噂の二人!ついに婚約」(脚本:明星剛/扇澤延男、監督:加藤弘之)

今日はロビーナちゃんとデート!そんなときに「ダーリーン!!」って、あの声は・・・ロボピー!?。「あたしのバズーカがなくなっちゃったのよ。お願いダーリン、一緒にバズーカを探して!!」・・・何でオイラが一緒に探さなきゃいけないんだよ!!

公式配信のあらすじより

年明けから年末に向けての最終章かと思いきや、49,50話共に通常回でした(50話は西園さんの最後の登板ということもあってか、最終回らしい感じの話にはなっていますが)。と言うわけで今回は予想に反しての話の主題らしい主題はあまりないドタバタ回で、連名で扇澤延男さんが並んでいる割には扇澤さんらしさは感じられず、明星さんの色が濃く出たのかな、という回(ちなみに明星さんで検索をかけてみたのですが、他に脚本は見られませんでした)。個人的に最終回直前の回としては中身はパンチ不足に感じる物の、ロボコンの勘違いに結果的に気付かせることになったロボボスとロボゲタも含めロボット達をしっかり活躍させており、及第点、といった出来。

・第50話「さよなら!オイラ留学」(脚本:西園悟、監督:岩原直樹)

「スクープだぁ!スクープ!スクープ!!」って、ロボビンが騒いでる。どうしたんだよ、ロボビン。え、ロボット学校の生徒が、海外留学する事になったって??でも、どうやって留学する生徒を選ぶんだろう・・・。こないだ書かせられた『今年の目標』が関係あるのかな!?

公式配信のあらすじより

今年の目標をいち早く達成した生徒が海外へと留学できる!と早合点したロボット達。ロボコンも留学できるエリートになればロビーナちゃんに褒められる…と思い、目標であるジュンの背中を温泉で流す、を達成しようとするが、そんな矢先にロボイドが怪我をしてしまう。海外へと行き見聞を広めたいと考えていたロボイドは今回のチャンスを逃すまいとしていた。ロボイドを見て自分の浅はかさを知ったロボコンは、ロボイドの代わりに彼の目標、海岸を綺麗に掃除する、を達成しようとする。

様々な苦難を乗り越え海岸を掃除し、ロボイドのマークを残して彼がやった、ということにしたロボコンだったが、ガンツ先生には海岸を掃除したのがロボコンだと分かっていた。また留学の話も、本当は隣町の小学校にロボットを紹介する、というものだったのが判明。とはいえこの頑張りに免じて、小学校にはロボコンが派遣されるのであった…

通常回ではあるのですが、最終回を目前にしてロボット達の夢とは?目標とは?を主題に掲げ、最終回を扇澤さんに譲った西園さんが最後にいいアプローチ。どちらかというと面白い回はネタ回寄りになりがちな西園さんでしたが、今回は全うに楽しめる出来でした。

・第51話「オイラ街の人気者!」(脚本:扇澤延男、監督:岩原直樹)

ケンカしているパパさんとママさん。何とかケンカをやめさせなきゃ。オイラに任せて・・・って思ったんだけど、これが大失敗。パパさんからもママさんからも「どっちの味方なんだ!」って怒られちゃった。オイラはオイラなりにこの家のためを思ってきたのに!頼まれたって、誰がもうこんな家にいてやるもんか!!

公式配信のあらすじより

栗原家を追い出されたロボコンは何でも屋を開き、一時は街で大盛況となる。ロボコンが出て行ったことを悲しむジュンのために栗原家は何でも屋の代金の電池5本を払ってロボコンを家に招き、説得しようとするが失敗してしまう。

しかし、ロボコンの何でも屋も後からクレームが相次ぎ、ロボコンは何でも屋を廃業。ロビーナちゃんにこの街を出て行く、と告げて去って行った子とを知ったジュンは電池5本を持ってロボコンを追うが、ロビーナちゃんのいない街なんて考えられない、と街に戻ってきたロボコンと入れ違いになってしまう!

ボロボロになりながらもやっとのことでジュンを見つけたロボコン。エネルギー切れに陥ってしまうが、ジュンの持っていた電池5本で息を吹き返すのだった。

ロボコンの今週の点数は0点。しかしそれは何でも屋が失敗したからではなく、自分が栗原家の一員であるという事をちゃんと分かっていなかったから、分かっていれば家出することなど無かったはずだ、とのことだった。そのことを胸に秘め、失敗もするけれど、それでもロボコンは今日も栗原家の一員としてロボ根性で頑張るのだった…

どんな最終回になるのかと思ったのですが、「俺達の戦いはこれからだ」みたいな感じに際して心機一転、といったエピソードで、割と普通の回になりそうな感じの回でした。正直出来としては及第点とも言い難く、

・ロボコンとジュンの友情回は風邪回だったり芸術家回だったりで何度もやってしまっていて食傷気味
・最終回にはこれまでのロボコンで面白かった回によくあった「全員が一致団結して一つのことを成し遂げる」という展開を期待していたのだがロボコン一人が頑張る感じの回でこちらも食傷気味
・最後まで扱いに困るロボケロ、改心しないままだったロボボスとロボゲタなどロボットの扱いがいいとは言えなかった
・何より最終回まで通常回でもやってよさそうなノリの回だったために盛り上げやカタルシスがこの時期の特撮の最終回とは思えないほど致命的に不足してしまった

と、流石にワーストとまでは行かないものの、残念な出来でした。そもそもこの作品にあまりこういった盛り上がりを期待するのはお門違いな感じもしますが、それでも最終回、扇澤延男さんにこれは、というのを見せて貰いたかっただけに、どうにもすっきりしない最後に。結局事実上の最終回は、45-46話のロボボス活躍-クリスマス全員奮闘回、といったところでしょうか。また機会があれば別に総括とかを書くかもしれません。

西園悟脚本総括

第1話「大当り!!ロボ根性全開」(坂本)
第2話「はじめてのおつかい」(坂本)
第3話「大ピンチ!!オイラ解体」(岩原)
第9話「特訓!究極の天気予報」(岩原)
第12話「迷惑もOK?噂の真相」(石田)
第17話「目指せ!ホームラン王」(石田)
第23話「ウララ!熱血根性先生」(石田)
第29話「呪いの音楽 幽霊の館」(石田)
第33話「美人モデルは写真嫌い」(岩原)
第36話「秋のロボット大運動会」(石田)
第48話「祝2000年!勝負の初夢」(加藤)
第50話「さよなら!オイラ留学」(岩原)

前半のメインライターを務めた西園さんですが、正直話のノリが自分の苦手なタイプで、浦沢さんと同じくドタバタして終わり、みたいな話が多く(メインライターの立場からそういう話を求められていたのかもしれませんが)、面白いと感じた話はごく少数(^^;

そんな中から選ぶとするなら、ロボボスとロボゲタの活躍も描きつつロボット達の団結する姿をしっかり書いてくれた36話、最終回を目前にロボコンらしいテーマで一本綺麗にしめてくれた50話、後これは関智一さんの演技あってですがロボビンが面白かったので12話、でしょうか。思えば前半のロボビンはドモン寄りの演技だったのですが、後半になるにつれてスネ夫っぽい声しか出さなくなった気がします(笑)

・扇澤延男脚本総括

第5話「カレーの鉄人ロボ登場」(石田)
第10話「春だ!恐怖のお入学」(岩原)
第15話「友情とあんパンの選択」(岩原)

第18話「3兄弟で不良デビュー」(石田)
第25話「新入生!華麗に登場」(坂本)
第27話「特報!危険なスクープ」(岩原)
第31話「三億円犯人ロボイド!」(坂本)
第38話「改造ロボコン大暴走!」(岩原)
第40話「ロボコン弟子をとる!」(石田)
第49話「噂の二人!ついに婚約」(加藤、明星剛と連名)
第51話「オイラ街の人気者!」(岩原)

今作の後半のメインライターとなる扇澤延男さん、視聴する前は今作のエースとしての活躍を期待しており、実際10話は全員が一致団結する素晴らしい回で年間ベスト級の一本を繰り出し、続く15話でも真の友情とは何か?を題材にとてもいい回を繰り出してくれたので今後に期待していたのですが、後半になってから一気に調子が悪くなり、晩節を汚す、という感じになってしまった印象で勿体なかったです。後半戦は担当本数が増えた代わりに質が落ちてしまったのですが、その中でも31話はそれまで空回りしていたロボイドをしっかりかっこよく書けており、ここは扇澤さんの意地が見られたのでこの一本があっただけでも良かったかな、と思います。

以上「燃えろ!!ロボコン」感想でした。他作品は簡素なものばかりになっていますが、このようにしっかりまた作品の感想を書くかどうかはまたそのような作品が出たら、ということで。

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