ラーゼフォン感想(第1話)
・第1楽章「首都侵攻- OVER LORD -」(脚本:出渕裕)
自分はこれまでレビューしてきた「ガサラキ」や「アルジェントソーマ」を始めとする、「新世紀エヴァンゲリオン」に端を発する20世紀末~21世紀初頭くらいのエヴァフォロワーとも称される退廃的な雰囲気がそこはかとなく漂う作品が凄く好きな嗜好を持っているのですが、ロボットアニメの重鎮出渕裕を監督に据え、そうそうたる面子でスタッフを固めて製作された今作は、その集大成とも言えるのではないか、と(視聴前の段階では)思っています。この雰囲気を漂わせるアニメ自体はこれ以降もいくつか製作されていくものの、ロボットアニメは今作終了後に「機動戦士ガンダムSEED」が製作され新世代のガンダムシリーズが幕を開けたり、「OVERMANキングゲイナー」が明るさ重視の作風で製作されたりしてこの暗めの作風からは離れていく傾向にあるので、実質的にこの作品が今までのエヴァフォロワーの総括、ということにはなるのかと思います。この作品的にはどちらかというと「勇者ライディーン」のオマージュ、といった側面が強いようですが…
視聴前の予想としては、登場人物皆暗め、みたいな想像をしていたのですが、メインを張るキャラ達の中でそれっぽい、と思ったのはヒロインと思われる玲香くらいで、実際は全体的に登場人物のノリは軽め。現実から非現実への段階的な変化を行っていく、ということなのか。最初に綾人の日常らしい生活を描写しつつ、そこから突如兵器やら謎の巨大像によって現実が壊れていく、という話の流れが1話の内でなされ、流石に豪華なスタッフが揃っているだけあって、戦闘や町の破壊の描写は非常に高いクオリティで圧倒されます。巨大像は今作におけるロボット枠なのでしょうが、口が変形して破壊音波を出す攻撃(恐らく「勇者ライディーン」のゴッドボイスのオマージュ)が、なかなかに有機的で気持ち悪い。
電車に乗り込んだ綾人と玲香が迷い込んだ世音神殿など、神話的な世界観も先程の兵器描写とは打って変わって神々しい壮大感ある作り込みとなっており、これも素晴らしかった。
第1話は典型的なボーイミーツガール、といった話で始まり、視聴者を綾人と同様何が何だか分からない、という中で演出の暴力で殴ってくる、というような話でストーリー面においては右も左も分からない段階ですが、まずまぁ間違いなく自分の好きなタイプの作品だろうなぁ、ということで視聴を今後も継続していこうと思います。
EDはこのタイプのアニメらしいゆったりとしたタイプで実に好み。
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