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ピアノとオルガンの日々 オルガンについて(1)

ジャズで鍵盤楽器を使用する場合
一番メジャーな楽器はおそらくピアノで、
その次に多いのが私が弾いているオルガンだと思う。

ソロ(1人)、デュオ(2人)、トリオ(3人)、カルテット(4人)、5人、6人…と、
様々な人数編成が色々ある訳だが、
よくある編成としては3人で構成される
「ピアノトリオ」と「オルガントリオ」がある。

「どっちのトリオもピアノとオルガンが
入れ替わるだけだろう」と思っている人が多いのだが、
実はその他の楽器の編成も変わってくる。

「ピアノトリオ」はピアノ、ベース、ドラム。
「オルガントリオ」はオルガン、ギター、ドラム
で構成されるのが一般的だ。

「なぜ変わるのか」-。
確固たる理由はわからないが、
ピアノトリオの場合はピアノの左手は
低音というよりもコードトーンの発音に重きを置くことが多くて
低音はベーシストが担当するのに対し、
オルガントリオの場合は
足鍵盤と左手で自らがベースラインを弾き、
右手でソロやメロディを弾くことが多い。
そうするとコードトーンがすかすかとなってしまうから、
和音が弾ける楽器奏者としてギターが
入っているのではないかと思われる。

「ピアノと同じように
オルガンでも左手でコードトーンを弾けばよいではないか」
という意見もあろうが、
オルガンのやや低めのポジションは和音で弾くと
結構音が濁るというか「分厚すぎる」感が
ましましに聞こえることも多く、
単体でベース音を弾く方がはるかに
「心地よい音圧」に聞こえることが多い。

これは私見であって
専門の人からは「適当なことを言うな、他に理由があるんだ」と
お叱りを受けるかもしれないのだが-。

ジャズでいうオルガンとは
ハモンドオルガンという電子オルガンの音色を普通は指す。
電子的に共鳴される楽器音としては
私は「エレキギターと双璧の、至高の音色」だと思っている。
人間が電気を生み出し、又、使用するようになってからの
至高の音色のひとつがこのハモンドオルガンの音色だ。

私自身、10代の頃には
すでにこの音色に魅了されていたものだが、
当時は主にロックとして聴いていたことが多かったので
ジャズのことはよくわからなかった。
ロックバンドの場合はベースを欠かせることはないから
オルガンで左手ベースをやることはまずない。
今思えば両手で弾く必要性はほとんどないような気もする。

ジャズのオルガニストが「左手でベースラインを弾く」ということは、
正直言って自分がジャズを演奏するようになるまで知らなかった。
それを知った今、
「オルガンはピアノとはある意味全然違う楽器である」と
改めて思い知ることとなるのである。

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