野毛印刷社さんインタビュー
株式会社野毛印刷社さんは1948年に創業した横浜市南区にある印刷会社で、アクションポート横浜の会員としてご支援いただいております。
今回は、2023年7月に新しく代表取締役社長に就任された見山雄一さんに、野毛印刷社さんの地域や社会への関わり、今後アクションポート横浜に期待することなどを伺いました。
1. 野毛印刷さんについて(地域や社会との関わり方など)
野毛印刷社さんでは、CSVとして多くの地域貢献活動を行なっていると存じております。具体的には現在、地域とどのような活動を行っているのですか。
はい。野毛印刷では、現在、鶴見小学校の5年生と、防災絵本をアプリ化する活動をしています。鶴見小学校の先生の協力の元、総合的な学習の時間を利用して活動をしており、今年の秋の完成を目指して、子供たちと会議を進めているところです。子どもたちは物おじせず、私たちに意見を出してくれるので、私たちの方が圧倒されています。これはとても有意義な活動だと思うので、鶴見小学校だけではなく、ほかの小学校や地域ともこういった活動ができたらいいと考えています。
なるほど、それは子どもたちにとっても素敵な活動ですね。
新社長として新しく取り組みたいことはありますか。
地域にとっても社員にとっても、サステナビリティな取り組みをしていきたいですね。鶴見小での取り組みがその例として挙げられます。5年生の担任の先生が、阪神淡路大震災を経験した神戸市出身で、防災教育が徹底したところの生まれなので、横浜市の防災教育に驚いたそうです。「子どもたちにちゃんとした防災教育を」という熱意に私たちも応えたいと思って、積極的に取り組ませてもらっています。これからも地域が求める需要に合わせて展開していきたいと思っています。
何か他に具体的な取り組みを考えていらっしゃいますか。
子どもたち向けに、プログラミング教室のようなものができたらと考えています。大学生の皆さんにもぜひ協力していただけたら嬉しいです。子どもたちもお兄さんやお姉さんが来てくれると喜ぶと思うので。
そう言っていただけると嬉しいです。ぜひご一緒に取り組んでいきたいです。 次に、変わらず持っていたい理念はありますか。
情報サービスをつうじて、人と人を繋げる存在であり続けたいと思います。昔から印刷会社は、地域に存在していて町の情報屋としての役割を果たしてきました。今は、紙からSNSに情報を伝えるツールが変わっただけです。私たちも「情報屋」として、お客様のニーズに合わせて地域に関わっていけたらいいと思っています。
民間企業がCSR活動を行うことの意義は何だと思いますか。
仕事へのマインドが向上することですね。良い取り組みをしていると、自然と新しい事業に結びつくことが多いです。地域に貢献しながら、本業にも良い効果が見られるので、こういった活動は民間企業が行ってこそではないかと思っています。
2012年から参加してくださっているサンタプロジェクトや鶴見小学校との活動を踏まえて、子どもたちとの関わりを大切にしている印象を受けたのですが、そこに対して何か特別な思いはありますか。
そうですね。子どもたちのことが心配なんですよね。
私は地域コミュニティ作りの活動もしていて、NPOさんやNGOさんの方と接する機会が多くて、その影響が大きいですね。様々な年代のみなさんのお話を伺うと、自分の中では気が付かなかった社会問題の深刻さを痛感します。特にシニアの方たちの中には「今の世の中は自分たちが作ってしまったものだから申し訳なくて、少しでも子どもたちの役に立つことが、私たち世代の使命だと思う」 と仰ったり、考えさせられる事が多くあります。自分たちの世代が作ってしまったものを引き継いでしまう子どもたちをとても心配しています。だから、私たちが少しでも子どもたちの役に立てたらいいなと思っています。
2. アクションポート横浜の会員になったきっかけ・活動
アクションポート横浜の会員になったきっかけを教えて下さい。
はい。先代の森下会長から続いているつながりを、私が引き継いでいきます。アクションポート横浜(さん)の活動にとても意義を感じているので、これからも継続して関わっていけたら嬉しいです。
3. アクションポート横浜に今後期待すること
私たちアクションポート横浜に今後期待することはありますか。
そうですね。2012年から関わっているサンタプロジェクトもそうですが、アクションポート横浜(さん)には、これからも企業とNPOをつなぐ存在でいて欲しいですね。
ありがとうございます。では、最後に、今後行っていきたい活動について教えてください。
野毛印刷社は今年9月で75周年を迎えます。節目としてまずは地域への恩返しをすることですね。先ほども述べましたが、時代に合わせた活動をしていくべきだと思っています。今力を入れている防災の活動やプロジェクトのネットワーク化、大学のゼミとのコラボなどを考えています。企業×NPOの輪を広げることを中心に幅広く活動したいですね。
ありがとうございました。「企業×NPO」をキーワードに、私たちもお手伝いさせていただけたらと思います。今後ともアクションポート横浜をよろしくお願いいたします。
編集後記
今回のインタビューでは、新社長見山さんの地域貢献活動への熱い思いをお聞きすることができました。お話から「企業だからこそできることがある」と何度も感じ、大学生の私にはとても新鮮なものでした。今後とも、企業さん側の思いも汲んだ活動をしていきたいと思いました。
フェリス女学院大学1年 鈴木文乃