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『ASMRアマガミ』をキミはもう聴いたか。

2022年5月16日、ボイスドラマ配信マーケットプレイス「mimicle」にて「ASMRボイスドラマ アマガミVol.1桜井梨穂子編」が発売。

2014年に発売のPSvita版から実に8年ぶりの展開であり、震える指でヘッドホンを装着して待っていたのは当時と変わらぬ輝日東高校の部室。そしてサイバーパンクテクノロジーであるASMRによって現実感を持って存在するヒロイン「桜井梨穂子」であった。

ここでは嬉し涙と共に感想を記していく。

公式サイトにて1話が丸ごと聴けてオススメしやすい。てんきゅね!

ウェルカムバック、アマガミ

ボイスドラマは恐らくスキBESTエンド後、告白が成功し晴れてカップルとなった世界線で展開していく。あまたの苦難をのり越えた二人はもはや夫婦の領域。冒頭からリスナーは減速なしのイチャイチャ空間に叩き込まれることになる。

まず筆者が驚いたのはその素晴らしい没入度。主人公たる「橘純一」は今作では一切喋る事がなく、劇中で聴こえるボイスは梨穂子の声のみ。
掛け合いを楽しむのがメインのドラマCDと違いこれが聴き手を「部屋の壁」から「当事者」へと引き込む大きな要因となっている。

空間を演出するSEも丁寧の一言。引き戸を開ける音、畳を歩く足音、梨穂子がならす手拍子…ひとつひとつの音がキャラクターの質量として積み重なっていき、こちらを冬の輝日東高校へと誘う。

シナリオ面でもゲーム及びアニメをみていればピンとくる場面が満載。
ネタバレは避けるが全編通して純一と梨穂子の関係性がしっかりと描かれており8年越しに原作のその後が聴ける喜びにどっぷりと浸らせてもらった。
    

ASMRは完全に「いる」

メインコンテンツであるASMRをひと耳聴いた瞬間、今まで画面越しにしか存在していなかった梨穂子が数センチの距離にあらわれた。狂人の妄言では決してない。

いわゆるバイノーラルというものだろうか。音量やSEの繊細な調整により距離感すら伝わってくるような圧倒的描写力と臨場感。
ASMRは耳心地の良い音によって引き起こされる快感というのが意味のひとつだそうだが、てきめんに底上げされた梨穂子の柔らかな声はまさにそれ。画面という枷から解き放たれ、自由に動き回る梨穂子にどうしてもニヤニヤが抑えられない。たとえマスクをしていても電車内で聴くのは避けた方がいいだろう。


まとめ

令和の世に突如現れたアマガミASMR。それは過去の人気コンテンツに胡座を描いたものではなかった。傑作の「その後」を描こうという強い覚悟と原作愛に満ちた素晴らしい作品であり、今後シリーズが続くのであればこれほど嬉しいことはない。

アマガミ史の新たな展開を予感させる一本。なんとかしてアマガミSS及びSS+梨穂子編を試聴し、みんなで聴こう!