5. カルマ … 悪夢
カルマ … 悪夢
悪夢
意識の深淵からそれは湧き起る
様々な想いが私の中で浮かんでは消えた。自分に起きている現象の真実を考えれば考えるほど私たちには見えていない大きな何か、眼に見えている世界とは別の世界か次元かが実はあるのだと想えてしまう。たとえ、私に反復の作業で念力がついたのだとしてもそこがなければやってこないではないか。いつのまにか苦しかった悲しかった頃を忘れて眼に見えていない私達の根底に横たわる何か、何者かを追いかけ始めていた。
しかし、身震いするような落とし穴が待っていようとは思いもよらず、事が起り始めて私は愕然としたのであった。悪いこともかなってしまうのだ。良いことも悪いことも区別なしにかなってしまう。なぜか?私には漠然とわかっていたことだったのかもしれない。私の心の中と私が見ている外の世界は繋がっているのだから嫌なことを嫌と想わないようにしようと思っても折に触れてふつふつと湧き起る悪感情と想念をどうすることも出来ない。暴れ馬のような感情のコントロールが効かない、制御不能、どうすればいいんだ?自分が恐ろしかった。いかんともしがたい状況を何がなんでも何とかしなければならなかった。戻るわけにはいかないのだ。自分の中をじっくりと眺め見つめていくと、それは縁に触れて海底の砂の中から涌き出てくる小さな気泡が少しずつ大きくなり海面ではじけるのに似ていた。海底の砂の中が問題なのだ、すなわち私の心の奥底が問題なのだ。そこをきれいにしなければ…でもどうやって?占星術の本に載っていた「瞑想」という言葉を思い出していた。また、様々な本の中でも見え隠れしていた「瞑想」という言葉が私の中で大きく響いたようだった。
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