マガジンのカバー画像

近現代史・地政学(My favorite notes)

35
近現代史・地政学をテーマにしたお気に入り記事をまとめています。スキさせて頂いただけでは物足りない、感銘を受けた記事、とても為になった記事、何度も読み返したいような記事を集めました…
運営しているクリエイター

#武智倫太郎

MENA(中東・北アフリカ)専門家によるイラン解説 XXI

 年金制度が充実していない開発途上国では、『20~30年後の老後が年金で安泰』という概念が存在しないことが多いです。一方で、日本を含む多くの先進国では、年金を将来の生活設計の一部と見なしている人が一定数います。しかし、G7諸国を含む多くの先進国では、#人口高齢化や財政難を背景に#年金支給開始年齢の引き上げや支給金額の削減が進められています。このため、若い世代の中には、将来年金を受け取れるかどうか不確かであるため、#年金や#年金制度に対する不信感を抱き、支払いを渋る傾向がありま

MENA(中東・北アフリカ)専門家によるイラン解説 XX

新たに登場する多極通貨環境におけるイランの役割 過去数十年にわたり、イランは国際社会からの経済制裁によって大きな影響を受け、グローバルな貿易および金融システムへのアクセスが制限されてきました。  しかし、グローバル経済環境が進化する中で、#イランは『#米ドル離れ』への動きという重要な変化を国家戦略の最前線に位置づけています。このトレンドは、70年以上にわたって国際貿易と金融を形成してきた米ドルの支配に対する世界的な不満が増大していることを反映しています。 世界的な米ドル離

MENA(中東・北アフリカ)専門家によるイラン解説 X

 私は通常の書籍を執筆する際には、編集者の意見や読者の反応を無視して、自分の書きたいことを書いています。多くの執筆者が編集者の意見を絶対と誤解しているかも知れませんが、私にとって彼らの意見は、それほど重要ではありません。編集者が執拗に原稿の修正を求めてくる場合は、『だったら、自分の名前で書いたらどうなの?』と提案してみるのも一つの方法です。  編集者の意見を無視する前提だと、noteは読者からのコメントに応じて執筆できる点が非常に魅力的です。私は日本国内よりも海外での生活が

MENA(中東・北アフリカ)専門家によるイラン解説 VI

 中国の詩人・杜甫の漢詩『春望』の冒頭には『#國破山河在(#国破れて山河在り)』という一節があります。この詩句からも分かるように、戦争で国家が消滅しても山や川などの自然は残存します。広島と長崎に原爆が投下されましたが、それでもこれらの県は今なお存在しています。そのため、地質学をテーマにしているこのnoteでは、戦争が起こっても消滅することが無い地質学の解説を行うことが特徴です。  地質学や地球史、生物史では、通常、国際政治や戦争に関する解説は行いませんが、2024年4月23

MENA(中東・北アフリカ)専門家によるイラン解説 I

 皆さまもお気付きかも知れませんが、#イスラエルと#イラン間の緊張が戦争勃発寸前に達しています。欧米に住んでいると感じることがありますが、この地域のニュースは新聞やテレビで日常的に報じられており、中東情勢がメディアの大きな割合を占めています。  これに対し、日本の首相の発言が欧米のニュースで取り上げられることは殆どありません。  10ヵ国以上に滞在経験のあるKyoさんは、日本の首相が海外のメディアで取り上げられることが珍しいという事実をよく理解されています。そのため、彼女