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【ライブレポ】 80kidz 10th Anniversary Live (2018/09/08)

そもそもの出会いから:  

  80kidzにハマったのは1stアルバム「THIS IS MY SHIT」がきっかけだった。当時、プロディジーやケミカル・ブラザーズやジャスティスは好きだけどもダンスミュージックにそこまで浸かってない自分にとって、強いディストーションのかかったシンセリフをギターのカッティングのような軽快なリズムで繰り出す80kidzの楽曲は、強烈な衝撃だった。未来から届いた音楽を聴いているような興奮をもたらしてくれた。

 2006-7年頃に喧伝された「ニュー・レイヴ」なるムーブメントに並行して起こった、ダンストラックのプロデューサーが生バンドっぽい躍動感を積極的に取り入れる動き (Digitalism「Pogo」の、ハイハットがシャキシャキ開閉してるビートとかが多分まさにそうだと思う)のさらに先にある最新形を、日本の駆け出しのアーティストが形にしているという事実に熱くなった。

後から同系統の他のアーティストのアルバム (Capsule「MORE! MORE! MORE!」、Boys Noize「Power」などなど)も聴いたけど、80kidzの曲は音圧が強過ぎなくて気持ち良いことや、快楽重視一辺倒にならずに空虚さ・切なさ・希望といった多様な感情・表情を楽曲に宿しているところがとても良かった。

それから2nd以降のアルバムがリリースされていく中、当時は関西に住んでいたので大阪でライブがある度にほぼ毎回観に行っていた。

そんな風にずっと好きで聴いていた80kidzが10th Anniversary Liveを演るということで、本日9/8 (Sat)は渋谷WWW Xへ。

感想

 とっても熱くて楽しいライブだった。代表曲の大判振る舞いに加えてレア曲 (ALT Aとか!! FADED PINKとか!!)が飛び出すので猛烈に楽しかった。

フロントに立つメンバーの2人 (ALI&とJUN)は本当に良い意味で「小慣れた」感じが薄くて、完成度の高い楽曲をライブでどう再現するか? という課題といつでも真剣に奮闘していることで生まれるフレッシュな熱を放っていたと思う。

一方、サポートメンバーのリズム隊は
● 今回のために30曲近い楽曲を新たに覚えることになったベース担当 (メンバー紹介で聞いた名前を忘れてしまった……笑)
● 米津玄師のサポートも務めるドラムのホリさん

の2人共、堂々とした佇まいだった。

ベースは笑顔を絶やさずに強いアタックで楽曲をグイグイ引っ張っていくし、ドラムのホリさんはロックバンドのダイナミックさと4つ打ちビートの機能的な気持ち良さを見事に兼ね備えたビートを叩くし、大事なライブでの演奏の屋台骨を見事に務め上げていたと思う。

強靭かつ盤石なリズムと、真剣なフレッシュさが、楽曲の魅力を存分に引き出してフロアを沸き立たせていた。ロックバンドの形式でライブを演ることが彼らにとって一番の解であることが改めて証明されたような気がした。

次の10年へ

 80kidzのこれまでの10年が、右肩上がりで支持規模が拡大して行くような順風満帆な道のりでは無かったことは、大阪公演の客入りの変遷を見てきてなんとなく分かっていた。2ndアルバムを聴いた頃は「すぐにZepp OSAKAを埋めちゃうくらい大物になるな!!」と期待していた。けど、そんないちファンの勝手な思惑に反して、回を経るごとに会場は小さなハコになっていった。

それが音源の売れ行きに起因するものなのか、あるいはライブの評判に拠るものなのか、そもそも大阪は他のアーティストに関してもそういう状況 ( =首都圏一局集中的な何かの影響)なのかはよく分からなかったけど、もちろんファンとして寂しいなぁとは思っていた。

でも、今日のライブのMCで語ってくれた熱いモチベーション、次の節目: 20年のときにまた会いたいというポジティブな願い、そして演奏そのものの熱量が強い説得力となって、まだまだ80kidzは面白くなっていくはずだと確信できた。KenKenや小袋成彬とのコラボを経て、次は誰をゲストに迎えるのか? も楽しみだ。

 かつてa flood of circleの佐々木亮介さんがロックンロールというものを「最高を創るためのもんじゃない。最高の先へ行くためにあるんだ」と語っていた。この言葉を「ロックンロール」というジャンルにとらわれずに「バンド」という概念に拡張して、80kidzがきっと、最高の瞬間を届けてくれるだけじゃなくて、また見ぬエキサイティングな音楽を届け続けてくれると信じたい。

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