壁とわたし

私は何者でもない、と
誰に問われるでもなく答えると
白い壁が大きく笑い声をあげた
つられて私も笑い出す
そうさ、噴飯ものだ

手にもったチョークで
白い壁にびびびと赤い線を引いた
お礼のつもりだった
だが壁は悲鳴を上げた

なんだい、たいしたことない奴め
わたしは、彼に向って
さらにおしっこをかけてやった!


おともの音楽:細野晴臣、”Non-Standard Mixture”

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?