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本の学び

赤いモレスキンの女


紫色の二種類の革で作られ
外側に大きさの違う
ポケットがいくつもある
美しいハンドバッグ

モリナールのハバニタ
イランイランと
ジャスミンの香り

ヒエログリフの彫られた
金メッキ
プレートの鍵束


わたしの生活の中にはない
洗練された物たち


リビングには
深いソファがあり
照明が繊細に配置されていた

窓際に置かれたゴムの木の枝が
暖炉まで伸びている


ひょんなことから
不思議なことに
巻き込まれていく?

自ら巻き込まれていく???

そんな主人公の
感性もすてき

”自分宛てではない
手紙を読む”
ような感覚は

ハンドバッグを
開けた時より
いっそう強く感じられた

アパルトマン自体が
無数の隠された場所を持つ
巨大なハンドバッグの
ようで
部屋の主人の人生の
断片を感じさせた


壁一面の書棚には
建築、絵画、推理小説
数々のフランスの名作の
文庫本が並ぶ中
村上春樹も入っていて
親近感

あなたが
ポトフ用の玉ねぎに
クローブを5粒入れた
って言い張るのよ
3粒にしてって
さっきから
言ってるんだけど

電話の内容まで
おしゃれすぎる

すてきな表現が
たくさんあって
日本ぽくない
日本の小説には出てこない感じ?

ストーリーを追う
だけじゃなく

この感覚を
取りこぼさぬよう
咀嚼しながら
読み進める


遥か彼方から発信される
ラジオの周波数を
つかむ時のように
メッセージは
確かにぼやけているが
耳をじっと傾けていると
現実には起こらなかった
人生のサウンドトラック
の断片を
聞きとることができるのだ


パリの景色を妄想しながら
うっとり雰囲気も楽しむ


カフェの風景
街の書店の風景

こことは違う
非日常への
妄想旅行

だけど
登場人物が
”本好き”
”読書好き”

唯一の
わたしとの共通点に
心踊る

すてきな大人の
すてきな出会い

再び綴ることになった
彼女の日記が

かわいくて
かわいくて

わたしまで
心臓どきどき
した


憧れるけど
今の人生では
ないな

いつか
何回目かの人生に
期待したい

できれば
パリで

まずは
すてきな
手帳を作ろう


先月
娘に連れて行かれた
蔵前の
すてきな文房具屋さん

オリジナルの
手帳が作れるらしい

愛娘の愛娘も一緒に
ここでお絵かきも
楽しみたい♪











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