＜号外＞EURO2024 ポルトガルvsフランス　レビュー

洗練vs洗練　最強のグラディエーター同士が対決するかのよう

ゴール付近や勝負所での１対１、サイドでのローテーションを織り交ぜながらのグループでのポゼッション、突出した個の能力をフルに活かす
仕掛け、場所、時間帯に応じた適切なボールキープ・・・

のらりくらりとボール回しをするかと思いきや、突如として縦への仕掛けが
発動、それに呼応するかのような、周りの選手のタイミングを逃さないフリーラン。攻めている方が必ずと言ってもいい程に相手ゴールを脅かす、その迫力、緊迫、スリル・・・

神出鬼没、縦横無尽のカンテ。やはり地球の3割はカバーされている！？

息をのみ、感嘆の歓声と拍手が自然と沸き起こる。ゴールをかすめるシュートに頭を抱え、信じられない加速を見せる選手には思わず声量MAXで
叫んでしまう・・・

喜怒哀楽、全ての感情が消費され尽くされるような、サッカーの魅力がたっぷり詰まった、素晴らしい試合でしたね。

加速力抜群のレオン。「戦術の一つはレオン」とも呼べる程の破壊力だった

全ての選手が己と、自チーム、相手チーム互いの能力の限界を熟知しているかのようで、高いサッカーIQを備えた頭脳戦による駆け引き、緩急、時間やスペースの使い方が常に前提としてあり、ピッチのどの場所に、どのような局面にボールがあろうと、次の瞬間に展開されるであろう素晴らしい攻撃に、胸躍るような期待感が止む事がないのです。

その闘いを例えるなら、お互い堅固に仕立て上げた盾と磨きに磨き上げた剣を装備した、当代最強のグラディエーター同士の対決とでも言えるでしょうか。致命傷となる敵の攻撃はすんでの所でかわしながら、一瞬のチャンスに
己の全てをかけその剣を振りかざす・・・

先発起用に応えたカマビンガ。チュアメニ、カンテと共に３人で中盤を支えた

こんな緊迫感に満ちた攻撃の応酬が120分、途切れる事なく繰り広げられるのですから、自国サポーターは勿論、サッカーファンにはたまらないものだったでしょう。
全ての選手が自身の長所を最大限発揮し、体力の限界まで闘い抜いた
今回の試合は、まさに最高のサッカー劇場、極上のエンターテイメントと
表現して余りあるものでした。

高い戦術眼とセンスを発揮したヴィチーニャ。ルイコスタ、デコの系譜を
確実に継いでいると感じさせてくれた

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