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伏兵あらわる!NHK連続テレビ小説『オードリー』:その5

 このところ、お母ちゃまが本領発揮してなくて「ツマンナイなぁ~」と思っていたら、とんだ伏兵が表れて、俄然おもしろくなってきた。
 錠島尚也、ジョーだ。

 美月が一方的に思いを寄せており、恵まれてはいないが志は高い。他人に媚びることのない孤高の人物だと思っていたが、大間違いであった。我ながら人を見る目の無さにあきれかえる。
 確かに、群れることを嫌う一匹オオカミ的な部分はあるが…。孤児院で育ったため、家族の存在を知らず、人の温かさや優しさにもほとんど触れてこなかったジョーは、まず他人を信頼するということを知らない。信じているのは自分だけだ。好意を寄せてくれている美月に対してだって、うっすらとよい感情を抱き始めてはいたが、そんな自分自身を信じられていなかった。
愛のない人生を送ってきたんだよなー、ジョーは。

 それでも、なんだかんだ美月と一夜を共にするのであるが、あの薄汚いせんべい布団に二人並んで寝てるのを見ても、1ミリもエロさを感じなかったのは何故なんでしょうかね。まったく色気がなかったよ。

 6月18日放送回である。ジョーのわけの分からない怒りが爆発して、美月に対するDVとなった。なんかもう、身体がでかいので暴れると大変なことになるのだが、やってることは小さな子供がおもちゃを買ってもらえず、癇癪起こしているのとおんなじなんだな、これが。「ママのバカー!」「ママなんか大嫌い!」「ママなんかあっち行けっ!」ってジタバタしてるのとおんなじにしか見えなかった。かわいそうといえば、かわいそうな男なんっすね、ジョーは。初めて信頼できると思った人が、大事な場面で、自分の思うような働きをしてくれなかっただけで、こんなになっちゃうんだから。
 案の定、「ジョーのDVシーンに視聴者ドン引き」みたいなタイトルがネットのこたつ記事に上がっていたけど、少なくともあたしはドン引かなかったぞ。「うぃぃぃ~、おもしろくなってきたぞ(でへへっ)」とワクワクした。

 そして今日、6月19日放送回をめちゃくちゃ楽しみにしていた。ド天狗になりくさったジョーではあったが、思いのほかチョロく、あっという間に監督や幸さまに頭を下げたのであった。「弱い犬ほどよく吠える」を体現してくれました。笑ったよ、ジョー。

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