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第30期 APSカップ本大会 参戦記 (前編)

2022年9月25日に行われた、第30回APSカップ東京本大会 ハンドガン部門。
初めての参加となる本大会は(おそらく優勝した選手を除いて皆がそうであるように)振り返るのも辛い結果に終わった…。

でも、でも、一生に一度しかない「初めての本大会」。その思い出を、このまま風化させてしまうのは惜しい。
というわけで、ショックから立ち直り、来年の本体化に向けて気持ちも練習量も「再始動」し始めた今だから、しっかりとここに痕跡を残しておこうと思う。
いつかあの舞台の頂点に立ったとき、自分自身がその喜びをより深く味わうためにも……

プロローグ

私がAPSを始めたのは2020年8月。
父親がエアガンや散弾銃を所持していた影響で幼少期から銃に馴染みはあって、漫画版ドラえもんでのび太が銃を手に活躍するエピソードに胸を熱くしたり、東京マルイのエアコキで単3電池を狙って遊んだりしたことはあったが、別にエアガンが趣味と言えるほどのものではなかった。

それが、2020年の正月休みだったか…実家に弟家族も集まったときに、母親から「初売りに行くついでに、たまには兄弟でお父さんからスーツでも買ってもらったら?」と言われて、親子3人で向かった先がなぜか、地元のエアガンショップ「猫奉行」だった。
弟と「スーツとか着る機会そんなにないよねー」「エアガンでも見に行かない? 親父もそれなら来るだろうし」みたいな会話をしたのを覚えている。
このとき、いい年して父親に購入してもらったのは、マルイのグロック19 Gen.3。
グロックにはなんか憧れがあって、久々に手にしたガスガンは、めちゃくちゃリアルで、リコイルはガンガンきて、昔はなかったホップアップにより驚くほど遠くまでまっすぐBB弾が飛んでいって、久々にテンションがあがった。
……そして物欲が刺激された。

とはいえ、もともと実銃に強い思い入れがあるわけでもなく、ガスブロは(当時)最新機構を搭載しているというグロック1丁で満足 → 次はとにかくよく当たる銃が欲しい → Youtubeで検索 → おおー、このマック堺さんと言う人凄い人気だな… → ほほう、マルゼンのAPS-3ね。いかにも競技銃って感じ。精度良さそう。複写式のターゲットいいな。シルエット? 当たると気持ちよさそう! → ふむふむ、買うならフロンティアね。では、ぽちー(グラマス弾、複写式ターゲット、シルエットターゲットとともに)
→ (数日後)おおー、メカメカしい。めっちゃ当たる! 楽しい! → APS、ちょっとやってみようかな… → フロンティア山中社長のYoutubeライブが! おお〜Enzoさんが、福岡市内でも練習会を! どうせ銃があるなら行ってみようかな…

ということで、スマホの履歴によると、フロンティアへの注文が8月3日。
8月28日には、なぜかプレート機も注文 ← いま考えるとかなりおかしい(汗
Enzoさんへの連絡が9月9日。
練習会初参加が9月22日。
Enzoさん教わったイレクターパイプを使って、3競技撃てるオリジナルの練習機材を完成させたのが、9月25日。

自作練習機材(組み替えて3競技対応)

見事にハマった。
通勤の運転中は常にマック堺さんのAPSラジオを聞き、リスキーさんの裏ラジオを聞き、先輩シューターのブログを漁り、あきゅらぼでグッズを購入し、フロンティアグリップを削って盛って…
そうやって、いろんな情報を吟味した結果、銃のカスタムにお金と時間をかけるより、練習とその環境作りに注力するのが正解と考え、あとはもう、毎日、帰宅したら即練習の日々。

……このペースで書くと、本大会にはいつまで経ってもたどり着きそうにないので、ここからペースアップ。

点数はすぐに伸びていって、練習で180点台がコンスタントに出るようになった。
博多体育館の練習会には最優先で出席して、そこでも自信を深めていったものの、コロナの影響で公式練習会は次々と延期となり、悶々とした日々を過ごしていた。

そして、2021年7月18日、初の公式練習会…ご想像の通り強烈な公式の洗礼を受けて撃沈。
13…7−3X……
茫然自失。
でも、たくさんの方に声をかけていただいて、仲間に加えてもらった感じがして…
なんだろう。ボロボロになったのに、この癖になる感触は…

そして、福岡県柳川市でも練習会が開催されるようになり、
地元の仲間が増え、
福岡公式でも砕け散り、
もっとうまくなるためには何をしたらいいか、また情報をあさり、
夢にも見るくらい考えて…毎日毎日練習して結果をTwitterに垂れ流し…
各地の公式でまたボロボロになり…
本大会の案内(え? 最終のD組? 上手い人が撃つグループでは…?)が送られてきてからは、少しでも緊張感を持とうと動画撮影してYoutubeにあげたり…

気がつくとあっという間にAPS-3を手にしてから2年の月日が流れ、本大会の日がやってきた。(文字通りの嵐とともに)

前夜

台風15号によって予定を大きく狂わされた本大会参加者は多かったと思う。
9月24日は午前中まで仕事で、安全指導員講習会への参加は叶わなかったものの、心配された台風によるフライトへの影響はほとんどなく、私を含めたAPS Cup Challenger’s Fukuokaのメンバー6名は9月24日、無事にAPSの聖地、赤羽フロンティアに集結した。
フロンティアでは憧れのRiskyさんにちょっと褒めてもらって、同じくRiskyさんをリスペクトする あやなおパパさんに本気で嫉妬されたりして…(*´∀`)

そして、赤羽の居酒屋で福岡メンバーで前祝いをしたのだけど、よく考えると、コロナの影響で、いつも一緒に練習しているこのメンバーで食事を食べたのはこれが初めてのことだった。

浅草のホテルへついたのは、確か22時を回っていたと思う。
シャワーではなくてお湯に浸かろうと決めていたので、持参したバルオイルを使ってゆっくりと入浴して、深呼吸瞑想をして…
緊張で眠れない可能性を予想して、少しでも神経を休めるようにと予定したことはそれなりに効果があったようだ。

そして、夜は明けた。

当日〜待機時間

ホテル周辺…浅草寺を中心に散歩したり、持参するのを忘れたマスクを買いにコンビニへ行ったり、サンドイッチと野菜ジュースとプロテインバーの朝ごはんを食べたり、落ち着かず据銃練習してみたり…
前日の過ごし方をある程度、決めていたのに対して、当日の時間の潰し方は考えておらず、結局、ソワソワしながらチェックアウトの時間をただ待つ羽目になった。
この点は大いに反省。来年は当日の時間の使い方も計画すべし。

11時過ぎに、会場入りしてみると……
体験会・物販ブースや待機スペースの存在が本当にありがたかった。
なんといっても、Twitterや各地の公式で知り合いになった方々が声をかけてくださって、みなさんとお話することでリラックスして自分のグループの番を待つことができた。

ひと足先に福岡の同志たちの順番となり、みんなは下の会場へ移動して…
上の階には、撃ち終わって夢破れた選手と、次第に殺気を帯びてきたベテランシューターの方々…

ああ、これを書いていても心拍数が上がっていく…

ちょっと長くなったので、まずはここまで。
続きはまた後日…


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