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第30期 APSカップ本大会 参戦記 (後編)

前編を書いてから、はや3週間…。
そして、本大会からは約1ヶ月強…。

APSについてのアウトプット先としてTwitterでは物足りず、長文を投稿可能なこのnoteを開始したものの、早くも飽きっぽい性格を露呈しそうになっている。
しかし、「危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし」ともかく、本大会の参戦記だけは書き上げよう。


本大会当日 待機中

よく「命を取られるわけでもないのに、どうして緊張するのか」と言われるけれど、そんなこと言われても緊張するものは緊張する。

受付で日本エアースポーツガン協会の関さんにご挨拶して、指定された待機場所に向かう最中、少しずつ鼓動が大きくなり、両手が冷たくなっていったのを感じていた。

ここからは、競技前のアレコレを思い出したとき、プラスに働いたこと、マイナスに働いたことを羅列してみる。


プラスに働いたこと

・ 公式練習会・記録会への参加経験
周りに知り合いが少なく、皆が少し神経質になっている中、自分みたいな小心者は他人にものを尋ねるだけで緊張してしまう。
渡されたスコアシートやブルズアイターゲットをどのように扱うのか、銃検はどうすればいいのか等々、手順がわかっていただけでも試合への参加経験は大きかったと思う。

・ 長袖のシャツ
そんなにクーラーが効いていたわけではないのに、試合直前には両手が冷たくなっていた。そんなことになりそうだったので、ウールの長袖Tシャツを着ていったけど、もし半袖で過ごしていたら、大変だったと思う。
長袖シャツ、もしくは長袖の上着は本大会には必須だと感じた。

・ 準備運動
上述のように、とにかく手先が冷たくなったので、これはいけないと準備運動をして体を温めた。
行った運動は「ジャンピング・ジャック」。20秒やって10秒休むのを4セット行った。息は上がる運動だけど、競技まで15分以上あいていたので、呼吸は十分に回復する事ができた。
手先の冷えに関しては、カイロなどで外から暖めるのもいいかもしれないけど、ある程度の強度の運動を行ってこわばった手足の筋肉に活を入れつつ、体の中から手を温めるのも効果的だったと思う。来年も似たような準備運動を行う予定。

・ 音楽を聞きながらの呼吸瞑想
もともと日々の練習前に、Netflixにある「ヘッドスペースの瞑想ガイド」や、iOSアプリの「Meditopia」を使って、断続的に呼吸瞑想を行っていたので、当日も試合直前に待機場所で、瞑想を行った。
試合のことを考えて緊張を募らせるよりはいい時間つぶしにはなったし、やり終わった直後は緊張が多少ほぐれていたのを実感できた。
(ただ、結局、射座に入ると一気に緊張したけど)

・ 「直前注意メモ」に目を通すこと
iPhoneのメモアプリの中に、試合直前に目を通すためのメモを作っていたので、それを読んだ。
効果ははっきりしないけど、直前に読んだことで、書いていたことはある程度実行できたと思う。

準備していた「直前注意メモ」


マイナスに働いたこと、反省点

・ 試射を有効活用できなかったこと
「ターゲットの高さが低い」とか「プレート動作の確認をしたいのに机が邪魔」とか「10m先の板が反転している」とかそんなことに気を取られて、もともと試射で心がけようとしていたことが全くできなかった。
本来、試射のときに確認したかったのは…
スタンス・姿勢の確認、グリップの握り方の確認、据銃したときの内的姿勢(感覚)の確認、サイトへ集中するときの感覚の確認、トリガーの感じ方の確認など。
次回は、試射に関しても、直前に目を通すメモを作っておこう。

・周囲に気を取られ、そのことに気づくこともできなかった
福岡メンバーの結果が気になったり、前のグループの射手が集合場所にいなくてジャッジに大声で注意される様子にびっくりしたり、周囲の人の銃の仕様が気になったり…それ自体は仕方のないことだけど、そういうときに気が散っていることに気づいて、また呼吸に注目するなどして少しでも集中を取り戻すトレーニングを積んできたつもりだったけど、それができなかった。
Defusion Technique など、少しでも「ソワソワ」の影響を緩和する手法を取り入れて公式・非公式の練習会で実践していきたい。
(Defusion Techniqueについて→ https://www.olympicpistol.com/?s=Defusion+

競技

① プレート競技

APSにおけるプレート競技の重要性はわかっているつもりだったので、本大会直前1ヶ月はプレート練習に一番力を入れてきた。呼吸の仕方、サブジャッジへの合図の仕方、コール前に目線を上げて動かないように……
でも、やっぱり、胸の鼓動は高まり、手は震え……緊張した結果、そういったルーティーンへの集中が疎かになってしまった。
下段1枚目から外して、あろうことか同じ組の人たちのうち何人が初弾を外したのかなどと他のレーンを見渡していた。
そして、思考はヒュンヒュンと飛び、発射したBB弾も……

「こんなふうに周囲を気にするのは、冷静さの証明じゃないか」
「大丈夫。結構みんな外してる」
「しかし、なんだこの手の震えは」
「大丈夫、震えていても当たるさ」
「でも、このペースで外せば、10枚行かないんじゃないか?」
「10枚いけば、180点の可能性は残る」

終わってみれば、9枚、36点。

こうして、早くも1競技目でバッジ更新の道は絶たれた…😔

初の本大会プレート競技で、なにか得られたものがあっただろうか?

1. ルーティーンに集中する事の大切さ。
  主に練習会・公式で。自宅練習でも真剣に。

2. 「震えていても当たる」を、もっともっと本能に叩き込む。
  練習会・公式で結果を残し、自信をつける。

3. 丁寧さを諦めない。
  試合ではなりふりかまわず、1枚でも多くもぎ取る姿勢を。


② シルエット競技

得意なはずなシルエット。
おそらくプレートのあと、放心状態だったからだろう、よく覚えていない。
みんなが「見やすかった」と言っていたし、自分も見えにくかったような記憶はない。

スタンディングで10mを落とせず、9点。
この時点でシルエットとしては落第点。

プローンは1発外しで18点。これは、そんなものかな?
かかしさんのアイリスシャッターを効果的に使えているので、よっぽどなことがない限りプローンで崩れることはないという自信が深まった。

……ということで合計27点。
35点という目標に届かず。
やっぱり丁寧さが足りない。1点でも多くもぎ取ろうという姿勢が足りない。

しかし、「駄目だ駄目だ」ばかりでは次になにも残らない。
次に繋げるために…

1. もっと時間を使う。
  自宅練習でも、練習会・公式でも。
  スタンスや体の反り具合、首の角度…
  少しでも安定を得るためにそれらをもっと確認する。

2. トリガー操作は丁寧に丁寧に。
  自宅練習でも、練習会・公式でも。
  両手で構えていると、油断してトリガー操作が雑になりがち。
  本大会でも、タイミングはあっているのに引きぶれていた。

3. 丁寧さを諦めない。
  とにかく丁寧に。丁寧に。結果はついてくる。


③ ブルズアイ競技

いつもはXを狙うブルズアイだけど、試合のときにように震えていると、10点を取るのがやっと。
それはわかっているので、8点までを許容する覚悟で、サイトをしっかり……見てなかった(涙
ひと競技くらい満射で終えたい、という欲でくらんだ瞳は自然と黒円に焦点が合い、「今だ」とばかりに引き絞った時に手首は回転する…
そう考えると、これでも割と当たってくれている方だなぁ
2枚めの5点は据銃自体の問題で手が落ちてしまったもの。

48-1X と 45-2X で合計 93-3X

3競技合計で 156-3X 
やっぱり最低でも、バッジの点数はクリアしないと😤

1枚目


2枚目

ということで、ブルズも来年に向けてのメモを……

1. 据銃力をもっとつける。
 
据銃力は裏切らない。本大会を終えて、その確信を深めた。
 震えたとしても、サイトがそれなりに黒点を捉えることができていれば、自信を持ってトリガーを引くことができる。
 自分はまだまだピストル精密射撃を始めたばかりなので、焦らずにこれからも据銃力を磨いていこうと思う。

2. ルーティーンに集中する事の大切さ。
 全競技に言えることだけど、プレートとブルズはシルエットよりも余計に緊張しやすいしそれが射撃に影響する。
 ルーティーンというのは、正しくグリップすることや、姿勢についての確認を含む。
 主に練習会・公式、そして自宅練習でもちゃんとルーティーンをこなして、緊張の関与を減らしたい。それはちゃんと効果があるはず。

3.「震えていても当たる」を、もっともっと本能に叩き込む。
  これもプレートと同じ。
  練習会・公式でも結果を残して自信をつけることが、絶対に必要。

4. 丁寧さを諦めない。
  全競技に共通すること。
  次の1発、そしてまた1発。丁寧を重ねた先に最上の結果が待っている。

本大会を終えて

2年間待ち続けた初めての本大会。
クッタクタになったのをよく覚えている。たった35発なのに(笑)
内容も点数も到底満足できるものではなくて、それは心底悔しかったけど、その一方でなんともいえない楽しさがあった。
この「楽しさ」については、仲間の存在がもたらしてくれたものだと思う。
地元福岡の仲間、これまでの公式で知り合った仲間、Twitterで絡んでくれる仲間…

そういえば、仲間のことで思い出したけど、団体戦のことは競技中、完全に忘れていた。みんながそうだったのかはわからないけれど。。
賛否両論あったと思われる団体戦。
自分としては「地元の仲間だけで団体戦メンバーを組める」という感激が最初にあって、終わってみれば他の団体メンバーに大きく溝を開けられていたという現実をバネに、もし次回があるなら、これから1年間の福岡組の成長を全国に見せてやりたいという野望が残って、単なる個人での参加よりも少しだけ、モチベーションが上がったような気がする。

そう…やっぱり仲間の存在が、そして練習会の存在が、APSの楽しみを何倍にも膨らませてくれていることは間違いない。

団体戦に関しては……今回はこのような形になったけれど、来年以降も、もう少し多くの人の意見を集めた上で、何らかの形で存続させてもらえると嬉しいな。

さあ、次は福岡公式練習会。
(本当はマスターズカップにも出たかった🥹)
これを書いている時点で、すでに最多参加人数となることが確定している。
ホストの一員としても、参加選手としても頑張ろう💪🏻💪🏻
参加してくださった選手の思い出に残る大会になるよう、そして自分自身も最高の思い出になるように…



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