自分用メモ 民主主義とは何か-白熱教室2022

民主主義とは何か?
中国は民主主義なのか?について考える「白熱教室2022」に関して
ざっとメモしました。

メモの元番組:

民主主義とは何か?-白熱教室よりメモ

・:司会者であるマイケルサンデルからの問いかけ
→:学生からの回答
米:ハーバード大学学生の回答
日:東京大学学生の回答
中:復旦大学学生の回答
☆:サンデル先生のまとめ

※論点のみに集中するため、あえて個人情報(名前/性別/人種/表情)等を載せない記載にしています。
そこら辺も実はとても面白いので、興味あれば↑の番組をどうぞ。

中国の民主主義は「全体」がキーワード

・アメリカ議会乱入事件をどう見る?
→アメリカ型民主主義の衰退、背景はアメリカの政党は国民の一部の利益の代表でしかない、対して中国は国民全体の利益重視でより包括的(中)

・民主主義に複数政党は必要?
→一つの立場が全てを代弁は原理的に出来ない、複数の声を議論する事で反映されない声をなるべく少なくする(日)

・事実や一部の利益ではなく、「複数の意見」というのが複数政党の強みでは?
→中国でも複数政党の協力と協議で運営されており、一党独裁ではない(中)

・中国には全人代という国民が声を上げるシステムがあるから民主主義?
→その通り。アメリカ型とは別の民主主義モデルを世界に示している(中)

・中国を民主主義と言えるか否か(To 米&日)
言える米0日2、言えない米6日4

・何故中国は民主主義と言えないのか?
→意思決定のプロセスに透明性がなく、国民に意見が広がらない(日)
→言論の自由がない、個人が自由に意見を言い政策に繋げるのが民主主義(日)
⇒民側国側両方から意見が言い合える関係が必要(日)

→西側諸国も検閲がある、トランプをTwitterが締め出したのは検閲である(中)

・主題は検閲へ
→TwitterやFBは政府ではない、政府が検閲を行なっているのではない(米)
※「全体の利益」と言うが、中国政治ではマイノリティーの意見が反映されない、という指摘
→政府には検閲はないと言うが検閲を受けたのは国の半数を代弁する元大統領である、またTwitterやFBは部分的な議論の場ではなく全土全世界の議論の場である(中)
説明責任を負わない一企業により言論を封じられる事も、判断が正解か否かは別問題として、検閲であると言える(米)
→Twitterに関しては検閲ではなくトランプの規約違反(米)
→企業による検閲は良くて国家による検閲は良くない、何故なら国家による検閲は個人の命に関わるから。政府に対し意見が言えなくなる、というのは民主主義ではない(日)

議論の初期に、複数政党制なら民主主義かと思ったのだが、アメリカの複数政党議論と中国の複数政党議論はどう違うのか?(日)
→中国の民主主義とは、「中央の政党」と「それ以外の政党」に協議と協力の対話により政策決定している(中)

・民主主義には直接選挙が必要か?
→出来上がった法律そのもので判断すべき、選挙の方法より法律が国民の利益に繋がっているか否かが重要(中)
→検閲があり選挙が無ければその法律が本当に人々に役立っているか知る事が出来ない。政府へのチェック機能が無ければその法律が直接不利益を与えている人々の不満や反対を聞く事が出来ない(米)
→中国でも地方議員は直接選挙で選ばれる。中央政党と全人代は選挙と推薦の組合せの複雑な手続が入る。然し中国の民主主義に直接選挙が必要とは思っていない(中)

・民主主義に必要な条件3つについて意見は?
1)複数政党制で複数の意見を反映
2)法律を作る議員は直接選挙で選ぶ
3)人々が政府に対し自由に発言出来る

→どれも必要ではない(中)
1)言論の自由:言論とは問題解決の為に使う物。人々が不安・怒り・政府への嫌悪を勝手に表明するのは言論の自由ではない。
2)複数政党:複数政党を民主主義と言うのか理解出来ない。大統領とて一つの政党の代表であり国民全体の代表ではない。選挙を行うと金権選挙問題や、選挙の勝ち負けにばかり拘るようになり、国の問題解決に注力出来ない。
3)直接選挙:選挙方法は手続に過ぎない。中国には直接選挙の他に推薦があるが、どんな方法であれ合理的であれば良く、民主主義の本質ではない。それに国民半数の支持で受かった大統領が国民全体を代表出来るとは思えない。

・法律の中身が国民の役に立つ事こそが民主主義と考えている

→民主主義の核心は政府が国民全体の意思を代表する事と考えており、手続きの問題は重要ではないと考えているようだが、政府が国民全体の代表という考え方は拡大解釈である(米)
→民主主義において与党に全ての国民を代弁する責任はない。色んな人々がおり色んな意見があり、選挙に勝った人達が政権を獲得し、意見の相違を考慮した上で何かしらの前進を果たすのが民主主義。選挙で勝っても国民全体を代表しなくていいしそんな事は出来ない(米)

・全体の問題解決を優先する政府と
直接選挙/複数政党/政府批判が許される政府
どちらが良い?
問題解決 中6日1米1、自由 中0日5米5

→自由:全ての人にとり良い事を実現する事は出来ない。例えば経済成長で恩恵を受ける人がいる裏で温暖化で不利益を受ける人も出る。より多元的に物事を考え、より多くの人の意見を反映し政策を決めれる。(日)
→自由:正しい解決策を得る事が一番大事、という議論には何か抜け落ちている気がする。例えば同性婚やアファーマティブアクションの問題が国民投票で決まるか最高裁で決まるかでは全く意味が違う。最高裁で同性婚が認められたとして、それはそれで素晴らしいが、当事者達は自分達の結婚が社会全体には歓迎されてないと感じる。例え結果が同じでもみんながそこにたどり着くという過程がはるかに大きな意味をもつ(米)
→解決:気候変動のような問題には優れた独裁者に任せた方がいいかもしれない。国民の判断に任せると誰もが目先の利益を優先させ海面上昇といった問題は手遅れになる。もしも大局的に見通す事が出来る優れた独裁者なら気候変動の対策が打てるかもしれない。ただ、そう単純ではなく殆どの場合は正解が解らない問題に取り組まなければならず、明確な答えが分からない場合は一人の人物に委ねるのは危険(米)

☆民主主義とは何か?
何のためにあるのか?
何が必要か?
どんな価値を体現しているのか?

この議論で明らかになったのは

民主主義とは未だ未完成のプロジェクトである

という事だ
そして民主主義は希望(aspiration)であるとも言えるだろう

〇ドリル:やりたい人だけがやればいい問題集

・中国学生が各回答時に一番に念頭に置いている事は何か?
表情/声色から読み取れる感情と、中国学生が「自分達がどう認識されている想定か」「それを踏まえどう自分達を表示/世界からの視点に反論したいと思っているか」を
「中国エリートの生育環境(激しい勉強の過当競争)」
「学生である視野の狭さ(実社会のズルさを知らない、農村部の実情を知らない)」
「中国の歴史認識(国家による情報の制限)」
を踏まえた上で答えよ

・欧米型民主主義の核とは何か?
「ポピュリズム(大衆主義)・衆愚政治」を踏まえた欧米型民主主義の脆弱性と、
フランス革命付近から続く欧米型民主主義の歴史及びその背景であるキリスト教思想、
全体主義に対する欧米型民主主義の優位点、
そして未来に向け取るべき脆弱性対策を入れ論じよ

・中国型民主主義(全体主義)が見落としているものとは何か?
中国の歴史及び思想史、中華人民共和国の歴史と不平等な戸籍制度、周辺民族への圧政の歴史を踏まえ、
中身(法律)重視・仕組み軽視の姿勢が生み出している現在の中国社会の実情・実例を挙げ、
過去の欧米及び日本の歴史事例との類似点も挙げた上で、理想主義の脆弱性、確証バイアスの危険性、多様性確保の重要性も盛り込み
「中国学生が」納得する、読んだ後に行動を起こさせるような形で論を組め
尚、過去に中華人民共和国が行ってきた政策の欧米に対する優位性や、中国大学/企業のお陰で欧米のバイアスを破り世界を発展させた事例も必ず入れる事


所感

敵を知り己を知れば百戦危うからず

私はまだまだ中華人民共和国を知らなすぎるな、と思わされた番組
サンデル先生が「説得してみて」と無茶ぶりしてくる度に
それが不可能である事がわかってるので爆笑してたのですが

全体的に、中国学生は視座が低い(※個人の感想です)
自分の自分達の努力・苦しみにのみ注視し、理想主義に燃え、システム設計の前提が性善説で、考えに「自分と違う環境で育った人の感じ方」(特に農村部の実情を心から知る必要があると思う、そこが大部分なので)を入れていない、そもそも他民族や勉強の機会を得られなかった人々を「同じ人間」であるということを理解していなさそうだな、と感じました。
そしてこの現象は中国に限らず全世界の「知識が足りていない人」に共通する事であり、やはり課題はnew enlightenmentであるなと。

中国の話に限らず、興味深いなと思うのは、全体主義の人間こそが精神的に孤立している事。孤立しているからこそ全体との一体を求めるんだろうと個人的に思っています。
なので知識よりなにより一番重要なのは精神ケアだと私は思っているのですが、これもまたなかなか…孤立する人は、なれ合うより自分のプライドを選ぶ、みたいな意固地さと私はいつも対面しているので。あと、引き籠りタイプの孤立はまだしも、「自分と同じ思想の輩と徒党を組む」タイプの方は自分の孤立に気づかない、うっすらと感じていてもそれを認める事をプライドが許さなかったりするんです。周りに自分の意見に賛同してくれる人がいるからこそ、自身の極端な意見こそが正義であると思い込む。
プライドは残しててもいいのですが、他を理解する寛容さへと世界を動かしていきたいですね。また、「完璧なモノ以外許さない」プライド=「不完全な自分への否定、世界への否定」こそが破壊をもたらしているなと私は感じています。理想論・理想主義者が見落としがちなのは「人の感情」だと私は思っています。精神を鍛える事ばかり夢中になって、自分ができる事をできない人を責めたり、自分ができない事をできる人を見て自分を責めたり。もっと自分を、世界を客観視できるようになれば、誰しも得意不得意があり、それこそが人類の強みであり、協力し合えばいいんだって気づけるのですが。そもそも孤立中の人って自分に籠りすぎで、他にあまり興味を持たない、他人を理解しようとしない傾向があるのではないでしょうか。かつての自意識過剰な私のように。そうすると比較できない、比較できなければ客観視もできない。…やはりメンタルケアや認知行動療法的なものが大切だと私は思います。

閑話休題

この番組はある意味「未来を少しのぞき見」できる番組である、と私は思っています。国、そして世界を作るのはひとりひとりの人であり、自律学習出来、世界の発展と共に自分の思想を柔軟に変えていける人は…今の所少数だな、と私は感じています。未来に行けば行くほど多くなるとは思っていますが。つまり、青春時代ー大学辺りの価値観/知識を継続して持ち続ける人が現在非常に多い。しかもこの番組が選んでいるのは将来国を動かす立場になる可能性が極めて高いエリート大学学生。
面白くもあるし、やはり中国の思想の遅さ、視野の狭さに対し危機感を感じもしました。引き続き自分のできる事を地味に地道に無理せず無理強いせずやり続けようとは思いますが。

中国学生から見た世界は「中国は新しい民主主義、別の民主主義の例を示している」かもしれませんが、個人的に私から見ると、いや、それ、過去の欧米の事例にいくらでもあるよ、今の中国(だけじゃないけど)はただの全体主義であり、対外思想がかなり帝国主義になってるよ、なぜかっていうと資本主義経済だからだ!!!って言いたくなりますよね、つまり、今の中国ってかなり大日本帝国と近いんですよーとね。敵を敵視するあまりに自分が敵と同じものになる、ってちょっと面白いですよね。いや、面白くないけど。

素晴らしい番組、そして考える機会をありがとうございました。

P.S.
↓この本面白そう

そしてこの記事でサンデル教授が中国で人気という事を初めて知りました。
私自身の近代中国史の認識ってマオが文革で大事な中国文化思想をゲッタゲタに破壊→鄧小平が改革開放で市場経済/資本主義経済を導入したけど、マオの焚書坑儒のせいで「倫理観/道徳観」が死んだ中国では人を出し抜くクソ競争主義かつ政府主導の管理/監視資本主義の超発展、中国でビジネスしたかったら必ず中共党員にコネつくれ(金渡せ)のクソコネ社会(昭和かよ!つうか合法ヤクザ社会そのものじゃねぇか!)っていうイメージなんですが、この記事でそのイメージは全く揺らぎませんでした。でもこのイメージ自体が自分のバイアス・偏見になってる、そうじゃない場合もきっとあるから気をつけろ!と自分に言い続けたい。

…中国は、「巨大な社会実験の場」とみると非常に興味深いのですが、やはりそこの住む人々の幸福度、そして帝国主義・人権無視(農村もそうだし他民族もそうだし、そして諸外国に対する侵略も)の思想はなんとかしないとな、と切実に思います。

そして蛇足ですが!
現在の日本も日本全体がナショナリズムに傾いており、2022年6月現在自民党が「戦争始めるぜ法案」(※個人の感想です)を出してきて、個人的に非常に危機感を覚えているので!!
良かったら政権交代に協力していただけるとありがたいです!!!!
詳細は↓
【選挙攻略】時間ない人向け2択にしてみた:現状に不満なら野党第一党【学校じゃ教えてくれない単純化】
ていうかほんとこの法律止めてー!!周りに言いふらしてくれるとありがたい!!「敵基地攻撃能力を防御力とする」ってそりゃ防御じゃねぇ!!攻撃だ!!!!!そして戦の定石は先手必勝・先手有利だからな!そんな法律通った瞬間俺なら東京に総攻撃かける!!!窮鼠は猫を噛むって事を忘れるな!!

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