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夢幻

ふっと息を吹きかけたら消えてしまいそうな
夢幻の女の子になりたかった。

だから手首を切った。
こんなに耐えているはずなのに
こんなに泣きたいはずなのに
頭すら痛くならない私が嫌いだった。

だからダイエットをした。全然ダメだった。
あの子みたいに細くなれなかった。
こんなにしんどいはずなのに
お腹が空く私が嫌いだった。

文化祭で作らされる工作、どうせ終わったら踏みつけて捨てられてしまうのに
儚いってずるいよ。と思った。

頑張ってるのってそんなに素晴らしい?
誰にも言われたことがなかった、ふっと笑うしか出来なかったね。
美術室から盗んできた、錆びたカッターナイフは、きっと今もどこかの筆箱に入っている。
誰かの傷を癒している。

誰にも気づかれなかった、それが幼い心には十分な理由だった。
自己開示をするのは、悪いことだと誰が決めたのだろう
恥辱、、 。
だから全部面を被って苦笑いするしかない。
ただ、自己開示以外の方法で、誰かが気づいてくれたのだろうか、、、

階段を登っている時、何段からなら落ちれるだろうかと考え、授業中、窓の向こうを何度シミュレーションしたことだろうか。ホームからこっそり足を伸ばしてみたり、電柱に頭を叩きつけてみたり。 強いから、全然平気を保ててた、

夢幻、それは勿忘草

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