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戯曲 こじらせプリン①
学生時代に書いた戯曲を、投稿してみようと思います。書いただけで、上演はしてないです。したかったけど。
先日実家で発掘し、久しぶりに読んだら、あまりにも拙いセリフたちに笑ってしまいました。でも、こじらせレベルMAXだった大学生のときの私にしか書けない戯曲だなぁと。今思うと、命削って書いてました。
命を削ってこじらせプリンを書き上げてくれた貴女へ_____。
随分マシにはなったけど、多分今もまだこじらせているし、半年前にお別れしたアスペルガーの彼のことを忘れることも、全然できてないんだー。(このことについては、以前の投稿をご覧ください!笑)だけど、なんとかやってるよ。なんとか生きて、この戯曲を発掘したよ。せっかく発掘したから、noteに載せてみるね。
こじらせプリンを読んでくれたどこかの誰かが、こじらせてるのは自分だけじゃないんだって思って、ちょっとだけでも前を向いてくれたらいいな。
では、スタート。
戯曲「こじらせプリン」
登場人物(2名)
・愛希(あき)・・・24歳の女性。OL。決してルックスや性格が悪いわけではないのだが、自分に対して全く自信がなく、自己評価が極端に低い。また、卑屈で思い込みも激しい。しかし同時に、自己愛や自己顕示欲が非常に強いため、自分の中に常に矛盾した感情を抱いている。俗にいう「こじらせ女子」である。
・まみ・・・24歳の女性。幽霊。愛希とは全く面識がないが、愛希にしか存在は見えない。自由奔放でよく喋りよく笑う。怖いもの知らずである。愛希のようにこじらせてはいない。
愛き深夜0時過ぎの公園。
スーツ姿の愛希が一人ベンチに座り、プリンを食べている。愛希以外は誰もいない。
そこへ突然まみがやってくる。
まみ こんな時間にプリン食べてんの?
愛希 ・・・。
愛希、まみから離れようとベンチの端へ移動。まみはベンチのど真ん中に座る。
まみ 太るよ?
愛希 ・・・。
まみ え、ちょっと無視?
愛希 ・・・。
まみ ねー聞いてるー?
それまでまみを無視していた愛希だが、ベン チから立ち上がり、その場から立ち去ろうとする。
まみ え!ちょっと待ってよ!
愛希は無視してそのまま立ち去ろうとする。
まみ 待ってよ愛希ちゃん!
愛希、自分の名前を呼ばれたことに驚き立ち
止まる。
愛希 え・・・?
まみ 愛希。愛と希望で愛希。名前合ってるでしょ?
愛希 あなた私の知り合いですか。会った覚えないですけど。
まみは無視して話し続ける。
まみ 愛希ちゃんすごい今時な名前だよねー!私最初なんて読めばいいかわからなかった!だって「愛」を「あ」って読むとは思わなくてさ〜。そしたら「あいき」でも「まなき」でもなく「あき」だって神様が教えてくれたの!
愛希 ほんとにあなた誰なんですか。どうして私の名前知ってるんですか。答えてください。じゃないと警察呼びますよ。
愛希、携帯を取り出し、110番通報しようとする。
まみは全力でそれを阻止する。
まみ 待って待って待って!ごめんってば!てゆか私警察呼ばれるようなことしてないからね?
愛希 は?急に会ったこともない人に話しかけられて、しかも名前まで知られてるなんておかしいでしょ。気持ち悪い。
まみ ごめんごめん!だってこんな時間に一人で公園でプリン食べてるからさー。てかそっちの方がなんか気持ち悪くない?え、待って、しかもそのプリン3割引のシール貼ってあるじゃん。笑える。あはははは。
愛希 そうですけど。なんか悪いですか?
まみ いや悪くないけど、3割引ってなんかちょっとおもしろいなーって。だって腐りかけのプリンってことでしょ?消費期限大丈夫だよね?
愛希 別に腐りかけじゃないですけど。(ひとりごと)ん?いや待てよ。今何時だっけ。
まみ、公園の時計を確認する。
まみ 0時15分。
愛希 15分前に消費期限切れてた。まあいっか。
まみ あはははは!ちょっと待って、愛希ちゃんおもしろすぎでしょ。
愛希 15分くらい過ぎたって別に何ともないです。ていうか待って、さっきから思ってたけどなんで私の名前知ってるんですか。いい加減答えてください。やっぱり警察呼びます。
愛希、携帯で110番通報しようとする。まみ
は再び全力で阻止。
まみ 待って待って待って!私別に怪しい奴じゃないから!
愛希 どこが。
まみ まあ信じてもらえないかもだけど、わたしさぁー、愛希ちゃんに会いに来たんだよねー。
(続く)
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