確定申告してみたら月収の2/3くらいお金が戻ってきた話

 私は民間企業で会社員をしている。
 確定申告云々の難しいことは会社でまとめてやってくれるので、住宅ローンもなく各種保険にも入っておらず、扶養家族もいない私は、個人情報を入力したフォームの提出ボタンを押すだけで確定申告が終わった。

 が。
 昨年度から、私は個人でも確定申告を行う必要があった。
 医療費控除の確定申告である。
 年間10万円または年収200万円未満場合はその5%を超える医療費を支払っている場合、確定申告を行うことによって過払い分が戻ってくる。(と、認識している。「セルフメディケーション制度とは併用できないこと」などの周辺知識は丸暗記のように頭にあるものの、今回自分には当てはまらないため、詳細は全く分かっていません。)
 私はいろいろあって2021年の夏から1年間休職をし、その間に様々な病院にかかることになった結果、1年間の累計で医療費が10万円を超える年が2021年、2022年と2年連続で続いた。

はじめての確定申告


 「10万円を超えたらお金が返ってくるらしい」というふんわりした知識だけがあり、詳細はイマイチわからないまま2021年の医療費が10万円超であることが計算の結果分かり、やらないともったいないという気持ちから、e-Taxの画面を開いた。
 全然わかんない。 
 
税務知識がなく、会社の確定申告もふわっとなんとなくで済ませていた私には、画面を開いたところで自分がなんの確定申告をしようとしているのかもわからなかった。個人事業主の人たち本当にすごい。
 
わからないながらもこれかな……? と思う項目を選んでいくと「医療費控除」という項目が出てきてやっと正解を見つけた気持ちだった。安心したところだが、まだ何も始まっていない。今この記事は何の裏取りもせずに記憶だけで書いているため、非常に曖昧な書き方になっている。この調子では来年も入口からわからなくて途方に暮れる未来が見える。先に書いておけばよかった! 備忘録になったのに!
 
 
ただ、入口が分かればあとはそう難しくはない。1月〜11月分までは保険組合から発行される医療費のお知らせを元に金額を入力し、(入力したかも定かでないです、マイナンバーカードと紐付けされてたかも。)12月分は領収書をかき集めて医療機関と金額を入力していくだけ。だけ、といってもこれがめちゃくちゃダルい人にとってはダルいんだろうな〜と確定申告で死んでる知人の様子を思い浮かべながらひたすら入力をしていく。
 私はこの作業をあまり苦には感じないので、仕訳がダルい人は私をバイトに雇ってください。簿記とか取っておくので。(医療費に絞っているために悩む要素が少ないから苦しくないのかもしれないけど。確定申告全体だと知識がなさすぎて爆発四散しそうです。)
 
 私はiPhoneを使用しており、マイナンバーカードを所有していたので、スマホ1台で確定申告を完結させた。力技で。
 iPhoneであれば別途カードリーダーがなくてもマイナンバーカードを読み取ってマイナアプリへのログインから確定申告の提出まで完結できるし、スマホであればスプレッドシートを使用するほか、e-Taxの画面で直接入力していくこともできる。
 私はスプレッドシートの用意すら面倒くさがり、「10件くらいなら直接入力するか」と思って画面で直接入力した。なんなら、同じ医療機関なら計算して合計金額をまとめて入力していいのに、合計を出すのも面倒くさがって1件ずつ入力した。よく確定申告を終えられたものだと思う。
 とっても非効率的なので、配布されているスプレッドシートに入力したものを添付するのがいいと思います。
 そんなこんなで終えた2021年度の申告により確定した還付金は92円
 割に合わない。
 初めての確定申告だったこともあり、いろいろと迷いながら、なんとか終えた。全部で3時間くらいかかったと思う。時給換算で30.6円
 すごい頑張った難しい作業に全然見合わない金額につい笑ってしまった。

月収の2/3くらいお金が返ってきた話

 2022年度も懲りもせず医療費控除の確定申告を行なった。
 2021年よりももう少し大きなお金がかかっていたため、今年もやるだけやっておくか〜と束になった領収書を持ち出し、前述の力技で地道な入力をした。
 年1回しかやらない作業のため何を申告したいのか等入口から迷子になったものの、無事確定申告を終え、提出前の確認画面を見て驚いた。
 還付金、月収の2/3くらいあるじゃん???
 
確かに去年に比べれば約1.5倍の医療費がかかっているが、じゃあ92円×1.5倍の金額にしかならないはず。
 そこで、医療費控除の対象となる要件を思い出した。「10万円または年収200万円未満の場合は5%を超す医療費を支出している場合」に、控除の対象となる。
 私は休職中傷病手当金を受給しており、その間は収入を得ていなかった。(傷病手当金は収入にはならない)
 よって収入は前年に比べてかなりの減収となり、後者の要件に該当することとなった。
 その結果、月収の約2/3に相当する金額が還付されることとなり、早く返ってこないかな〜と待っている。確定申告をしなければ戻ってこないお金だった。

とりあえずやってみたほうがいい

 2021年と2022年で収入を含めた自分を取り巻く環境は大きく変わった。仕事を休んで、復帰して、部署が変わり、収入は大きく減った。(会社が悪いと言いたいわけではないです。念のため。)
 私はあまりお金に関心がなく、やりくりが極端に下手くそだと思う。お金はないけど、生活水準はそう簡単に下がらない。趣味や嗜好品に自由奔放にかけていたお金を減らすように努力するように意識する、という全然達成できなさそうな曖昧な考え方で過ごしている。その結果今めっちゃくちゃ困窮しているのだけれど、あまり焦る気持ちが湧かない。それくらいお金に関心がなく、本気の節約なんてできないし、あまりする気持ちになれない。
 ただ、お金はないと困る。家に住むのも、ご飯を食べるのも、病院に通うのも、好きなことをするも、お金が必要だ。だから、お金は欲しい。
 けれど、確定申告は1箇所で行われれば良く、こと還付に関する申告については強制ではない。
 税金を取ることに関しては取り損ねないようものすごい数の制度が敷かれているし最悪家に取り立てに来るが、返すことについてはこちらから情報を取りに行かないといとも簡単に取り返し損ねる。
 お金に関心が薄くても、損をするのは嫌だと思う。
 今年度の医療費控除の確定申告を行なったことによって、6桁のお金が返ってくることがわかった。
 もし去年の作業を徒労だと思ってもうやらなくていいやと思っていたら、そもそも医療費控除の申告ができることを知らなければ、損をする一方だった。
 医療費控除の確定申告のことをどこで知ったか覚えていない。少なくとも学校の授業ではなかったと思うし、街中でポスターを見かけたりSNSで広告を見かけたりなどの国税局からのお知らせではないと思う。
 自己責任の論調が強い世の中、情弱は損をし続ける。これは悲しいけれど間違いないし、私は情弱の側の人間だと思う。
 そう思うから、自ら学びに行く姿勢を忘れてはいけないと強く感じる。
 学校教育に求めたところで私はもう学校に通う年齢ではないし、そもそも先生も自分で確定申告してないだろうからよくわかっていないんじゃないかと思う。

 知ることは世の中を上手に渡り歩く第一歩だ。積極的に教えてくれないなら、こちらから情報を見つけてアクセスするしかない。
 もしこの文章を読んで医療費控除制度を知った方がいたら、ぜひ病院の領収書は取っておいてほしい。過去絶対10万超してたわ! と思っても大丈夫、領収書があれば5年分は遡って申告できる。(たぶん。裏取りしてなくてすみません)
 薬局で薬買う方が多いなという方は、冒頭で触れたセルフメディケーション制度を軽くでいいので調べてみるといいと思う。
 今回は医療費控除に限って話をしたが、自分が知らないだけで損をしていることはまだまだたくさんあるんじゃないかと思う。
 これは世界の秘密を知って大金持ちに! みたいな陰謀論めいた話ではなく、一般常識として持ち合わせていた方がいいような知識が欠けていると感じるということだ。
 何から手をつけていいかわからないけれど、まずは備忘録として、自分のやった確定申告とそれに際して感じたことを記すことにした。
 「これにたくさんお金使ってるかも」と思うことがあったら、それに関することを調べてみるといいかもしれない。
 私も、とりあえずやってみようと思う。


#確定申告やってみた

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