S-最後の警官-奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE(2015年)

画像1 S - 最後の警官 - は小森陽一原作、藤堂裕作画の漫画で、小学館のビッグコミックより2009年から2016年まで連載された。2014年に同タイトルでTBSで平野俊一監督によりドラマ化されたが、本作はその劇場版である。
画像2 オリジナルキャラとの比較をしてみます。どちらも警察組織の特殊部隊に所属しています。たとえ凶悪犯罪者であっても、命を奪わずに確保することを信条とするNPSの突一(最初に突撃する隊員)の神御蔵一號(かみくらいちご:向井理)はちょっとスレンダーかなと思うけど、元プロボクサーで、銃を使わずプロテクターだけで相手と闘う熱血漢役がよく似合っていました。凶悪犯罪者を銃で制圧することを目的とする、SATの狙撃手である蘇我伊織(そがいおり)役の剛くんは、一號とは正反対のクールな切れ者役でなかなかハマっています。
画像3 剛くんはちょっと美化しすぎじゃね?w という気もしますが、左目の下にある2つのホクロもちゃんと再現されていますし、角度によってはソックリ。姉を強姦殺害された過去から狙撃手の道を進む影のある雰囲気はピッタリだと思います。この獲物を狙う鳥のような目元が刺さる俳優はそういないのではないかと。
画像4 原発のMOX燃料(ウランとプルトニウムの混合)を積んだ第2あかつき丸が、フランスに向かう途中にシージャックされるのと同じタイミングで、園児を乗せた送迎バスを狙ったバスジャック事件が起きる。
画像5 乗っ取られたバスの中にいたのは、海上保安庁の特殊部隊であるSSTの倉田隊長の息子?!
画像6 SATの蘇我と同レベルと言えるほどのNPSの優秀な狙撃手である林イルマを、ガッキーが演じています。しかし、犯人の右肩を狙ったはずが、後ろに隠れて見えなかった倉田隊長の息子が、血を流して倒れているのを見て動揺する。
画像7 SSTの倉田隊長を演じるのは、青木崇高。ワイルドで屈強な男を演じさせたらこの人!って感じですよねw るろうに剣心の相良佐之助役でも大暴れしていましたし。ポテチ片手にNPS、SAT相手に俺たちの縄張りをお前らに仕切らせてたまるか!的な挑発シーンがありますが、原作でも倉田隊長はポテチ好きとして知られています。
画像8 海上での作戦について詳しくないNPSやSATが、自分たちの領域に入って指揮を取るのが許せない倉田隊長を、蘇我が冷静になだめます。NPSやSATは犯人と過去に闘ったことがあるから、役に立てるはずだと。真剣に働く男同士のプライドのぶつかり合い。こうして倉田隊長はまだ懐疑的な気持ちはあれど、NPSとSATの介入を渋々認めざるをえないのでした。
画像9 今回のシージャックは表向きにはNPSとSAT合同のデモ演習となるはずであった。その真の目的は凶悪犯を殺さず確保するNPSでは国家の治安を守り切ることは難しく、SATが最終的に制圧する(殺す)ことは認められてしかるべきだと世論に納得させるためである。政府と警察組織の予定調和的イベントだったはずが、正木圭吾という男の裏切りによってシナリオが書き換えられ、事態は急変。首相以下15名のVIPを乗せた船上でのテロ事件にすり替わってしまう。正木は以前にも拉致や立て篭もり事件でNPSやSATと直接対決している。
画像10 以前にも対決したことがあり、なかなか手強い相手と知る正木との戦いを前にして、自信を無くして弱音を吐く一號。そんなときにいつも側にいて励ますのは、看護師の棟方ゆずる(吹石一恵)。一號が所属するボクシングジムオーナーの孫娘です。本作で最後に一號に「私と結婚する?」という逆プロポーズするなかなか男前な女です。
画像11 ネゴシエーターの古橋がシージャック犯との取引を開始。正木の要求はVIP15名それぞれ2億ずつ、計30億の身代金を用意しろというものだった。船内の様子、人数、武器など内部に潜入して隠しカメラで撮影できるよう、NPSの香椎隊長が同行することを譲歩させた。ただし丸腰が条件…嫌な予感が漂いますね…。
画像12 首相役には辰巳琢郎さん。最初はいかにも官僚っぽく淡々とした立ち振る舞いだったけど、命が危機に晒されて緊迫した状況で、おどおどした情けない感じになる表情が上手かった!
画像13 ヘリから第2あかつき丸に隊員たちが乗り移るために接近したいが、船に張られたワイヤーが邪魔で近づけない状況。それを蘇我とイルマの2人がヘリからの狙撃で切り落とすシーン、めちゃくちゃカッコ良かったなー!
画像14 「作戦名…リカバリー!!!」SATの中丸隊長には高島兄。悪に赦しは通用しないという信条は一貫しており、NPSを腑抜けた部隊と否定するが統率力はピカイチで、それぞれの部隊を連携させながら、目的遂行のために的確な指揮を取ります。
画像15 SATの初代隊長を務めた横川勇太郎の娘で、警察庁科学警察研究所主任の横川秋を演じるのは土屋アンナ。意外なキャスティングと思いきや、ドラマ版で拉致されてボコボコにされる姿や、頭がキレて男勝りでカッコいいキャラがすごく似合う!NPSの香椎隊長とは「香椎ちゃん」「秋ちゃん」とお互いに呼び合う間柄で、常に特殊部隊の面々のことを気遣い、捜査に協力したり、新兵器を開発して提供している。
画像16 その横川警視が開発した一號専用の特殊防弾装備「ガーディアンAKIスペシャル」を身につけ、テロリスト集団と闘う。
画像17 武器を持たないことを条件に、小型カメラを襟元のボタンに仕込み、人質と一緒に第2あかつき丸に乗り込んだ香椎隊長。警察側が何かしらの細工を仕掛けてくるだろうことは相手もある程度は想定済みだったのか、案の定香椎は徹底的に狙われ、ボコボコにされる。
画像18 しかし、香椎隊長とにかく強い!!!犯人に腹と脚を撃たれ、肩を刺されて重症なのに、軽やかな身のこなしで襲ってくるテロリストの攻撃をかわして闘うんだよねw 普通ならとっくに死んでるよww 人を癒したり、命を救う手と言われる一號の掌。傷口に当てると、少し痛みが和らいだ気がする…と息も絶え絶え一號に伝える香椎隊長。
画像19 被弾して動けなくなったところに正木が手榴弾を投げ込んできた時、倉田隊長は一瞬命を諦めた顔をする。そこへ一號が現れてガーディアンで銃弾を弾き飛ばしながら盾になり、爆破から隊長を守った。弾を受けた時に腕を持っていかれるから、そこは一號の馬鹿力と思いの強さで持ち堪えろという横川からのアドバイスを見事に実戦し、きちんと使命を果たした。役に立たないと思っていたNPSに命を救われて、国家を守るチームとして彼らの能力を認めた。そこで息子が意識を取り戻し、一命を取り留めたとの連絡が入る。
画像20 自分のせいで倉田隊長の息子を負傷させたことにずっと気を病んでいたイルマ。負傷した倉田から、息子がくれたというお守りを受け取り、勇気づけられてまた敵に立ち向かっていく。
画像21 マイクロトロンに繋がる電源ケーブルを切断する作戦をとるも、発電機の温度上昇は止まらず。イルマが加熱口を撃ち抜き、なんとか核エネルギーの拡散は免れた…。
画像22 撮影は海上保安庁や陸海空自衛隊の協力のもと、壮大に行われました。ドラマの主題歌にもMISIAの「僕はペガサス、君はポラリス」が使用されていましたが、映画版のエンディング曲も同じくMISIAの「流れ星」。海猿とちょっと似てる感じ?と思ったら、Sの作者の小森さんが海猿の取材・原案を担当していたんだ〜!どおりで。またドラマ編も一から全部見返したくなりました!

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