新宿スワンII(2017年)

画像1 新宿スワンIIは週刊ヤングマガジンで2005年から2013年まで連載された、和久井健原作の漫画「新宿スワン〜歌舞伎町スカウトサバイバル〜」を、園子温監督が映画化した作品。本作は前作新宿スワンの続編となる。主題歌はMAN WITH A MISSIONのDead End in Tokyo。
画像2 ヒデヨシが亡くなり、仲が良かった洋介も急に消えた。チーフのポストに就いた龍彦は、いつものように歌舞伎町で声をかけ続ける。今回のヒロインは広瀬アリス演じる小沢マユミ。龍彦がスカウトしている姿を見て、相談をもちかける。マユミが抱える闇金からの借金の額は200万。龍彦はマユミに涼子ママ(山田優)の店で高級クラブのムーランルージュを紹介する。派手さはないけれど笑顔が可愛いくて、おじさんに大人気。
画像3 全日本酒飯連合会が大型クラブを2店舗出店するという情報を入手したバースト山城社長(豊原功補)は、横浜に進出することを画策。募集がかかっている200人のホステスのスカウトの枠に食い込むことを狙い、関と龍彦を横浜に派遣させる。しかし横浜は既にウィザードという武闘派スカウト集団の手の中にある。全酒連の住友会長(椎名桔平)はウィザードのオーナー滝正樹(浅野忠信)に1億を渡し、仕事を依頼する。
画像4 横浜で生まれ育ったウィザードの滝は、バーストの関と幼なじみで仕事仲間だった。ウィザードで一緒に働いていた頃、ある事件で滝を庇った関が刑務所に入り、出所した後は親交が途絶えていた。そこへ龍彦を連れた関が乗り込んで来て、ウィザードとバーストによるナワバリ争いが始まる。
画像5 前作も今作も主役の龍彦の成長譚ではあるのだけれど、今作は滝と関に焦点を当てた物語でもある。かつて横浜ウィザードにいた関がなぜバーストに流れてきたのか、滝との深い因縁とは一体何だったのか。それぞれの「俺ストーリー」が掘り下げられていて、前作より内容は深いものになっています。
画像6 滝は部下でNo.2のハネマン(中野裕太)に、ウィザードのケツ持ちの蓬莱会に上納金を渡してこいと指示する。さらに滝は新宿でバーストの面倒をみている紋舞会の天野会長に、バーストから手を引いてウィザードに切り替えて欲しいと5000万を積んだ。こうして暴力団や刑事との関係を構築し、横浜で勢力を拡大していった滝は、新宿から横浜にフィールドを拡大したバーストと対立していく。
画像7 横浜に進出したバーストが精力的に活動を始めたことを知って、ウィザードは黙っていない。夜の街で両者は衝突し、警察沙汰の騒ぎになる。
画像8 バーストの山城社長は蓬莱会の田坂総長(中野英雄)のもとを訪れ、横浜で今後自分たちが活動するにあたり、面倒を見てほしいと願い出た。逆にウィザードがここ最近新宿に進出し、紋舞会の天野会長の世話になっていると言う話をするが、滝を可愛がっている田坂は全く聞く耳を持たず、バーストを追い返す。一昔前に「愛という名のもとに」のチョロ役でその存在を知った中野さん、今はコワモテの役が似合う貫禄ある役者さんになりましたね。息子の太賀の活躍もめざましく、親子揃っての今後も楽しみ。
画像9 龍彦にちょいちょいケンカを吹っかけてじゃれついてくる、渋谷のスカウト会社パラサイツの森長千里(上地雄輔)も、バーストの横浜進出に人肌脱ごうと参戦する(というか、ただ暴れたくていっちょかみしてる感ありw)。バーストvsウィザードの対立がいよいよ激化してきた折、龍彦は滝らに捕らえられてボコボコにされる。
画像10 借金返済のため、龍彦に紹介されたムーランルージュで働くマユミ。しかし、返しても返しても追いつかず、借金は280万に増えてしまう。「生きていても仕方ない…ここから飛び降りたらどうなると思う?」と自暴自棄になったマユミを龍彦は必死になだめる。「信じていれば空も飛べる」という口グセを繰り返すマユミは橋の手すりにのぼり、幼稚園の頃に母親から教わったバーニーステップを踊ったあと、背中からダイブw 龍彦に助けられて岸に上がったマユミは、愚かな自分にとことん付き合ってくれる龍彦に謝りながら号泣し、自分を取り戻す。
画像11 真虎からバーストの現状を聞き、天野会長に直談判する涼子ママ。店の修繕費用に2億取りたい。そして、ウィザードとの関係を切り、今までどおりバーストを守ってほしいと懇願しに行く。
画像12 かつてバーストで龍彦と仲が良かったが、忽然と姿を消した洋介(久保田悠来)が横浜にいるという情報が入る。滝から麻薬の取引の仕事を任せられたが、自身が薬に溺れてしまう。龍彦はすっかり変わり果てた洋介をバーストに連れ戻したいが、洋介は滝とその女にいいように使い捨てられてボロボロになっていた。
画像13 全酒連は大型2店舗のオープンのために、大量の女の子をスカウトするコンテストを企画した。バーストもウィザードもコンテストの日までに、出場するホステス候補をひたすらスカウトして確保していた。しかし、大多数をウィザードに引き抜かれてしまう。出場者が大幅に足りなくなったバースト、最大のピンチ!
画像14 そんな中、ムーランルージュの涼子ママが54人の女の子を引き連れて現れた。ウィザードの連中による嫌がらせでお店を荒らされたおかげで、再開までしばらく営業停止になったことが吉と出た。バースト側の飛び入り参加が許可され、審査を受けることができた。
画像15 トリを飾ったマユミはコンテストで例のバーニーステップを披露。これが意外と住友会長にウケてたww 涼子ママの機転で数を集めることに成功したバーストは、採用者98対92でウィザードに勝って賞金1000万を手にした。
画像16 ちょうどコンテストの日、本牧埠頭の第21番倉庫では洋介たちによって麻薬の取引が行われていた。そこへ先日半殺しにされた恨みを晴らしに、龍彦が乗り込んで来た。
画像17 綾野剛vs浅野忠信が大暴れ!このシーン、一切スタントなしでやり切ったというからすごい!よく怪我しないなあ…と並外れた身体能力に感心。殺陣やアクションもできるし、世界に羽ばたいて欲しいです!
画像18 洋介を薬漬けにして、滝は自分の女アリサ(高橋メアリージュン)さえも差し出して洋介を骨抜きにし、麻薬を捌かせて莫大な利益を得ていた。しかし洋介を可哀想に思ったアリサは、龍彦に洋介を新宿に連れて帰るよう頼む。騙されて利用された挙句に捨てられたことに憤り、洋介は滝に銃口を向ける。しかし、滝が田坂総長を射殺したことへの報復に、蓬莱会の組員が滝を撃ち、死亡させる。
画像19 滝が死んだのち、関は滝の意思を継いで横浜に残った。龍彦は洋介を連れて新宿に戻った。ヒデヨシ殺しの疑いがかかった葉山は、本当は洋介がやったと言い、洋介は自分がやったと認めているが…果たして真相は?何だか続編を匂わせるようなモヤモヤした終わり方ですが、豪華俳優陣が揃いも揃った前作・今作の続編なら観たいです。園さん、よろしくお願いします!

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