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アリー/スター誕生を観て

※ふつうの日記と映画のネタバレありです。

2月14日。

人生初、髪をグラデーションにした。ずっとしたかったことの一つで、仕事柄や人目を気にしてずっとしたくてもできなかったことの一つだった。
でも、最近はわりと以前より気持ちに忠実に動けるようになれてきた気がしている。
今、私が0の位置にいるからということもあるのかもしれない。
お世話になっている美容師のお姉さんと、今からどんな色にしたいのか話すのも楽しかった✨
お姉さんがビフォアアフター撮ろうねと外に連れ出してくれて、まずは無造作な今の髪を撮ってもらう。お姉さんのワンコも一緒に写真にパシャリ(そこの美容室はワンコ連れokで、とても癒されている。)
そして、色々相談して、髪をすみれ色にすることにした。徐々に色が抜けてきたらまた違う色を楽しもうということになった。「しっかりと色の入ってる3日間はお楽しみだよ。それ以降は自然に馴染むカラーになると思うよ。」とのことで、今後の色の変化も楽しみになった。変わった後の髪色の写真を撮ってもらうと、「記念に贈るね」と嬉しそうにカメラのシャッターを切るお姉さん。
そのあと急いで予約していた映画、『アリー/スター誕生』を観に相方と待ち合わせをし、新宿ピカデリーへ。
この映画はずっとずっと観たかった映画だ🎬✨
ボヘミアンラプソディーを観に行った時の予告映像で、すでに胸が熱くなる予感がしていたので、近々絶対にまた映画館に来ると決めていた。
少し遅くなってしまったが、私なりの映画を観たレビューではなく、感想を残したいと思う。

いきなりだが、観終わった感想は、なんだか上手く言葉にできないくらい、感動してしまった、ということだ。もう何度も映画を観ながら感情が高まっていくのがわかったのに、そのあと上手く言葉にできないゆえ、他のnoteのレビューを見たりもした。でも、どの人のレビューも素敵で上手いのだけれど、いくつかレビューを読むうちに、きっと映画の見方が違うのだということに気がついた。私が伝えたかったことは映画の舞台背景や、俳優陣のすごさ、映画に隠されている歴史的背景、性差別、ポップ軽視、そういうことではないのだ。
その映画の躍動感や熱量を伝えたい、観てない人には是非観て欲しいということ。それだけなのだ。
ドキュメンタリーのような作りで、素顔のありのままのレディーガガがアリーに重なる。
ブラッドリー・クーパー演じるジャックにも人間の弱さが潜んでいて、いつのまにか惹かれ合う2人に、感情移入してしまっていた。

物語はアリーが元カレに汚い言葉を吐き捨てるシーンから始まる。
職場での不当な扱い、シンプルで質素な服に、簡単なお団子ヘアでゴミ捨てするシーン、 辞めようと思えばきっとやめられるのにそこに留まるアリー。どこかで見覚えがある光景だ。
そんなアリーが心を解放できる居場所がドラァグクイーンの歌い踊れるバー。
お酒飲みたさに、たまたまそこのバーに立ち寄ったジャック。「ただ酒があればいい」というくらいアルコールに依存している。
ドラァグクイーンバーでジャックは、突然自分の前に現れたアリーの才能と美貌に惚れ込む。映像は煌びやかな世界に、自信のある振る舞い、お客さんへのサービス精神旺盛なアリー、圧倒的な歌唱力で他を魅了する。
しかし、ジャックはその時点でアリーの奥の、自信のなさにも気がついている。細いつけ眉毛や濃いメイクを落として、「君の素顔が見たい」というような言葉をアリーに贈る。
なんて素敵なんだジャック!✨
そしてジャックもまたサービス精神旺盛である。バーのドラァグクイーンの1人に「私の為に歌って」とリクエストされて歌う曲があるのだが、普通知らない人に「〜して」なんて言われて、良いよと快く引き受けられるだろうか。そしてその歌がとても気取ってなくて、純粋でいて突き刺さる歌詞に歌声。

Maybe it’s Time
https://youtu.be/RdljoTFMhO4

Maybe it's time to let the old ways die
時代遅れのやり方がぶち壊される時が来たみたいだ
Maybe it's time to let the old ways die
時代遅れのやり方がぶち壊される時が来たみたいだ
It takes a lot to change a man
一人の男を変えるのも大変だ
Hell, it takes a lot to try
くそっ、やることが多いじゃないか
Maybe it's time to let the old ways die
時代外れのやり方がぶち壊される時が来たようだ

Nobody knows what waits for the dead
何が死者を待ち受けているのか誰も知らない
Nobody knows what waits for the dead
何が死者を待ち受けているのか誰も知らない
Some folks just believe in the things they've heard and the things they read
聞き覚えのあることや読んだことのあることをだた信じているだけの人もいる
Nobody knows what awaits for the dead
何が死者を待っているのか誰も知らない

I'm glad I can't go back to where I came from
自分の元の場所に帰れないっていうのは嬉しいことだね
I'm glad those days are gone, gone for good
あの日々は帰って来ない、完全に過ぎ去ってしまったんだから良かったよ
But if I could take spirits from my past and bring 'em here
でももし過去から気持ちを取り出して ここに連れて戻すことができたなら
You know I would
知ってるでしょ
Know I would
わかってるだろ

Nobody speaks to God these days
最近じゃ誰も神に話し掛けたりしないね
Nobody speaks to God these days
最近じゃ誰も神に話し掛けたりしないね
I'd like to think he's lookin' down and laughin' at our ways
彼は俺たちを見下ろして、様子を見て笑っているって考えることにするよ
Nobody speaks to God these days
最近じゃ誰も神に話し掛けたりしないね

When I was a child, they tried to fool me
俺が子供の時、みんな俺をバカにしようとしたんだ
Said the worldly man was lost and that a Hell was real
俗人は行方不明だし地獄は本物だと言った
Well I've seen Hell in Reno
ああリノで地獄を見た覚えがあるなあ
And this world's one big old Catherine wheel
そして世界のどこかの大きくて古いねずみ花火が
Spinnin' steel
鋼のように固い思いを揺さぶるんだ

Maybe it's time to let the old ways die
時代遅れのやり方がぶち壊される時が来たみたいだ
Maybe it's time to let the old ways die
時代遅れのやり方がぶち壊される時が来たみたいだ
It takes a lot to change your plans
お前の計画を変えるのも
And a train to change your mind
気持ちを変える練習も大変だ
Maybe it's time to let the old ways die
時代遅れのやり方がぶち壊される時が来たみたいだ
Oh, maybe it's time to let the old ways die
ああ時代遅れのやり方がぶち壊される時が来たみたいだ

ジャックは積極的にアリーの手を引いて栄光への道を歩もうとする。ジャックにとって誰が何を思おうかどうでもよく、ただ、アリーを純粋に欲している。そんな風に見えた。
私は映画『ラ・ラ・ランド』が好きでもう繰り返し何度か観ている映画なのだが、少しだけミアとセブに重なってしまうところがあった。
ミアとセブはお互いに夢を持つ同士惹かれ合うが、性質が違うせいか素直になれないところが互いに似ていてもどかしい。けれど、とてもわかってしまう。
アリーとジャックは、すでに有名なジャックが沢山の才能の中から埋もれたアリーを見つけ出して、2人はとても素直に恋していくし、展開も色々早い。
ジャックはアリーを自分の舞台に上げ、アリーの存在感を世に知らしめる。この時点で、彼の世界の中に確実にアリーの世界が融合して溶け、とても強力で固いふたりの絆が生まれる。ツアーコンサートのたび、それを見せつけられる人々もアリーを認知して、彼女を次第にプッシュしていく。こうして結婚したアリーとジャックはまさに幸せのピークだった。
本来ならば、ここで終わりを迎えても良かったはずだ。夢を見ることを続けていれば、やりたいことをしていれば、応援し、支え、見てくれている人もいる。そしてその人はそのままの自分を愛してくれる人かもしれないよ、と伝えるかのように。
そこで終わっても良かったのに。
ジャックもまた問題を抱えていた。アリーの自信のなさに寄り添いながら、ずっとアリーそのものを肯定し続けたジャックだが、ある日、思いやりのない言葉で彼女を傷つけてしまう。
自分の心や現実と向き合い葛藤しながらも「変容」していくアリーに対し、ジャックはいつまでも子ども時代の辛い過去に縛られている。
アリーがそばにいて歌手ではない自分と向き合ってくれるということは、ジャックにとって初めて安らげる居場所ができたことだった。しかし自己を追求する、水面を深くまで潜れば潜るほど、なかなか底までは辿り着けなくて。向き合う時間や見つめ合う時間が長ければ、破壊し合ってしまうこともある。

それでも、それ以上に愛し合っていて離れられないという2人。いつのまにか出会う前には戻れない関係になっていた。
アリーはアルコール、ドラッグ依存の深みに、以前にも増してはまっていくジャックに対し、自分と結婚してからのジャックはより落ちていくのではないかと恐怖を感じる。
しかし、ジャックはアリーを愛するがゆえ、依存から克服できるよう振る舞うし、セラピーも受けたりするシーンがある。
ジャックが一度、過去に自殺未遂をしたということを、他人に打ち明け笑い合うシーンがあるが、そこで、もうそれは過去の過ぎ去った傷なのかもしれないと観客に思わせるし、ジャックの今と過去が圧倒的に違うのは、ジャックにはアリーという心配してくれる人がそばにいるということ。
色んなレビューで目にするのは、男性が女性の成功に嫉妬して起こった悲劇だということ。
そういう見方はもちろんできるし、正しいのかもしれない。映画もそれを伝えたかったのかもしれない。だけど、わたしには少しだけ違うように受け取れた。
ジャックは、歌は真実だと言う。自分に嘘をついても、いずれ歌えなくなって消えていく歌手をたくさん見てきたと。だから、アリーに真実を歌えとずっと伝え続ける。

その自分自身の言葉と向き合ってきたのは紛れもなくジャックであり、その言葉がアリーを栄光の道へと突き動かした。

過去や運命や時代に飲まれ、その波にあらがうけれど、どうしても深みにハマれば苦しくなるし、辛いものと向き合わなければならない時間が生まれるかもしれない。しかし、それらと向き合わずして、何かを表現すると言うことは難しいのかもしれない。

アリーのように愛した1人を想い、真実を歌うこと、より今の自分から変容すること、とジャックのように愛した1人を想い、音楽を奏でること、より今の幸せを守ろうとすること、それはどちらも尊いのだ。

Shallow

https://youtu.be/bo_efYhYU2A

一つ一つの曲だけでも素晴らしいが、ぜひ一度映画を通してShallowを聴いて、その時の思いを大切にして欲しい。

#日記
#アリースター誕生



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