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台湾起業3年目を振り返って (コロナで変わった事業戦略)

こんにちは!
最近ファッションに興味を持ち始めたのに暑すぎてファッションどころではない applemint 代表の佐藤です!

applemint は起業して3年を終え、2020年9月からは4年目を迎えます!
思えば、起業した1年目は外国人がビザを更新するのに必要な300万元の売上 (約1000万円) がとてつもなく大きな数字に見えました。

しかし色々な幸運が重なり2年目に1000万円の売り上げを達成すると、その後急成長を遂げました。

2年目の調子が良かったので3年目は当初かなりの飛躍を見込んでいたのですが、コロナウイルスが来て….結局目標達成どころか赤字が続き…..というのが3年目でした。やっぱり物事うまくいかないものですね。

まーそんな色々あった台湾起業 3年目を時系列でお話したいと思います!

2019年 10-12月:やばい新入社員入社

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台湾のことを知らない人のために書くと、台湾の人材採用方法は主に以下に集約されます。

1. リファラル (紹介)
2. FB や HP へ DM (直接応募)
3. 人材派遣会社からの紹介
4. 104 (人材マッチングサービス)

この中で一番人気が高いのが #4 の104を使った人材採用です。なんせコストが安い。理想は直接応募されることですが、applemint みたいな中小企業に直接応募する人はほとんどいません...

applemint も事業の成長に伴い人材採用が必要となり、初めて104を使ってみることにしました。8000元ほど指定口座へ振込、募集要項や条件を入力して完了。早速 applemint の求人情報が掲載されました。

しかし待っても待っても誰も応募しません。

どうすればいいか悩んでいた所、クライアントの社長さんが、「受け身になってても誰も来ないよ!自分からメッセージ送らなきゃ!」と言われ、「はっ」としました。その後 DM をしたら数人から返信がありました。まだ、面接にも来てないのに返事だけで感動しました!

しかしここからが悪夢の始まり。

返事が来た数人と面接をしたのですが、全くいい人材が現れません。挙動不審な男性、お友達と一緒に面接に来る子、変な日本語を喋る人などとてもじゃないですが採用をする気になれませんでした。いったい何人と面接したのやら....そんな悪夢も終わりついに春が来ました。

面接した子の中に、一人だけかなり日本語ができて、非常に好印象を持った子がいました。他のメンバーも大絶賛!すぐにオファーを出し、1週間後に彼女から承諾の連絡が来ました!

そして2019年11月に入社。ついにこれで人材採用のストレスから救われると思うととても嬉しい気持ちになりました!

最初の2週間はトレーニング。その後3週目から本格的に OJT を始めました。ちなみに applemint では新人がトレーニング期間中だろうと OJT 期間中だろうと、在宅勤務日は在宅で仕事をさせます。これにはちゃんと訳があって実は新人をわざと泳がせてます。

applemint は自由を結構与える代わりにきちんとやるべきことを期日通りにやる責任感がある人を求めています。なので、在宅勤務中に主体的に仕事をするか、責任をもって言われたことをやるか見ています。

話をこの新人に戻すと、3週目からどうやら様子がおかしくなり始めました。在宅中にブログを書けと言ったのに、何やら全然終わらないんですね。トレーニング中も動画を見ろと言ったのに見てないんですね。

ちょっとおかしいなと思いながらも仕事に慣れていないのかな?とか呑気に思っていました。そして11月末に彼女の歓迎会を行ったのですが、なんと彼女から歓迎会当日に 39度の高熱のため欠席すると連絡が来ました。

仕方なく他の社員で食事会に行くと、他の社員から彼女に対する不満が大爆発(笑)
「あいつまじで言われたことしないから何も渡してない」
「Aやってって指示したら勝手にBやって危うく大問題になる所だった」
「家のネットが壊れたから終わらなかったってどういうことだよ!(怒)じゃーカフェ行って終わらせろや!っていうか3週間でもう2回ネット壊れてるんだけど(怒怒)」

これはもうやばいと思いました。全く仕事をしないのです。入って3週間でこれなのでもうお先真っ暗でした。しかもその当時は出来るだけ新人が入りやすいようにと試用期間を従来の3ヶ月から1ヶ月に短縮していました。

歓迎会を行ったのは彼女が入って3週目だったので、次の週には受け入れるか否かを決めないと、正式に入社して厄介になるということです。結果的には彼女を不採用にしました。

彼女に不採用を告げる面談前に何を言おうか前日に1-2時間考えたのを覚えています。でも不採用する旨を伝えたら相手の反応はあっさりしていました。

もしも彼女が歓迎会に来ていたら仕事を全くやらない子を雇うところでした。ちなみにその子は金曜日に 39度の熱が出たのですが、月曜日にはけろっとした様子でした。薬とかも服用していませんでした。まー仮病でしょう。

2020年1月-3月:ドキドキの紅包と忘年会

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2020年の台湾の過年 (年末) は1月でした。念のため話すと、台湾のお正月は旧暦に沿って毎年変わります。過年(年末)と言えば忘年会です。台湾ではこの忘年会のことを尾牙と言います。

尾牙でお馴染みなのが『紅包』(お年玉) です。そしてこのお年玉は通常経営陣のポケットマネーから出されます。2019年は僕の給与がショボすぎてとてもじゃないですけど出せませんでした。
実はこれを書いている2020年時点も給与は相変わらず結構しょぼいのですがそれでも他のスタッフよりはもらっているので初めて紅包を出すことにしました。

スタッフは僕らみたいに小さな会社で紅包もらえると思っていなかったのか、嬉しそうでよかったです。忘年会は毎年行く焼肉屋さんで行いました。
参考までに話すと、この焼肉屋さんは applemint の事業が少しずつ軌道に乗り始めた2年目に頑張ったご褒美に行った焼肉屋さんです。

ここまで全てが割と計画通りに進んでいました。2019年はかなり成長をし、2020年は更なる成長を見込んでいたところにコロナが来ました....

2020年4月-6月:コロナウイルスの影響直撃

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3月まで売上にあまり問題がなかったのが急に変わったのは4月です。4月に入り、広告主が一斉に広告予算を縮小してきました。よく、「台湾はコロナ封じ込めたから大丈夫でしょ」と言われるのですが、うちのクライアントは大部分が日系だったため、もろ影響を受けました。

日本の将来に不安を感じた日系の広告主は現金を確保しようと、広告予算の削減をしてきました。

4月から売上やその他の数字はどんどん悪くなっていき、4月から3ヶ月連続で赤字になりました。その後一瞬黒字になりましたが、元々4月末に現金化する予定だったウェブサイトのプロジェクトが相手側の手違いで4月に現金化して黒字になっただけです。

今でも本当にラッキーだったと思うのが、2019年にめちゃくちゃ現金をキープできたことです。2018年後半から2019年にかけてたった3人のメンバーで急成長して、もしもの事態に備えて現金資産を増やしました。

なので赤字は続いていましたが、心理的ダメージは少なく、ジタバタしてもしょうがないから今自分たちに何ができるか考えました。まず社内でコロナウイルス感染者が出た時のガイドラインを作りました。次に、この時に今まで週2日で行なっていたリモートワークを週5日にしたり、週4日にしたりしました。

台湾でのリモートワークの結論をお話しすると、僕は週5日リモートワークはないなと思いました。週5日全部リモートワークは作業効率や生産性云々より、正直精神的によくないと思いました。現在は週2日にしています。今後を様子を見て週3日を検討してはいます。

2020年7月-9月:動画の効果、広告代理店としての驕り

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コロナウイルスを機にYoutube で台湾のプロモーション事情を話すことをはじめました。台湾のプロモーション事情について「見て」知りたい人のために動画を始めたのですが、始めて3ヶ月でお問い合わせが複数来ました。素直にすごく嬉しかったです。

また、コロナウイルスで業績が落ち込み、改めて「広告代理業」という仕事を見つめ直した結果、広告代理業の「手数料」というビジネスに限界を感じました。今も今後も重要なのは手数料の先にあるデザインやコミュニケーションといった付加価値だと思っています。

電通や博報堂はとっくの昔に気づいてデザイン力やコミュニケーション力を磨いていたのに、自分は未来のない手数料ビジネスを強化しようとしていました。

また、applemint は今まで台湾の現地の会社との取引をわざと少なくしていました。理由は現地の会社は広告予算が少なく、今まで支払いトラブルが頻発したためです。しかし今回のように日本で何か問題が起きた時のリスクヘッジができていませんでした。

そこでコロナが起こってから6月以降は台湾の現地の顧客との取引も始めました。

コロナウイルスが起こってよかったとは微塵も思っていません。スタッフへボーナス払えませんでしたし、事業が縮小して来年やりたかったことも暗礁に乗り上げました。しかし、コロナウイルスで広告代理業とは何か改めて考え直せました。また、動画という領域にチャレンジしようとも思えました。

4年目も台湾で愚直に、謙虚に頑張っていきたいと思います。


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