モルカーの監督制作「マイリトルゴート」の考察とその後
えげつないものを観てしまった。
見里朝希監督の短編アニメーション映画「マイリトルゴート
https://mylittlegoat.tumblr.com/
見里朝希監督は、今流行りのモルカーという短編アニメーションでも有名な監督だ。
モルカーはその愛らしい見た目からネット上で人気になり、私も数話見たことがある。その時はこんなものか、と言った感想でそこまで刺さらなかったのだが、Twitterでおすすめされて同監督の「マイリトルゴート」をサラッと観た。これがえげつなかった。
「マイリトルゴート」は10分ほどの短編アニメーションで、モルカーと同じくフェルトで制作されている。
「おおかみと7匹の子ヤギ」という有名な童話を元に作られていて、一見、フェルトで作られた子ヤギたちも相まって何とも可愛らしい映画だ。
だというのに、なんとも内容がグロテスク!
最初の母ヤギがハサミでオオカミのお腹から子ヤギたちを助け出すシーンの、オオカミの体内。胃酸で溶かされ皮膚が一部剥がれている子ヤギたち。フェルトだというのに、観ていて皮膚がぞわぞわと粟立つ。
消化され結局出てこなかった1匹の子ヤギの為に母ヤギが狂ってしまい、人間の子供を攫ってくる。その人間の子供は性的虐待を父親から受けていて……という内容もフェルトの可愛いアニメーションでやるにはえげつない。
ストーリー自体はこういう系によくあるように感じたけど、作りのいいかわいいフェルトでやるところが心に刺さるグロテスクさを生み出している気がする。
10分とサラッと観やすい時間なのも嬉しい。1時間とかになるとスマホだとしんどい。
2月末までは無料で観られるので、興味がある方はぜひ。
https://sst-online.jp/theater/9511/
以下ネタバレあり考察とその後妄想
最後のヘリの音は父親と子供を捜索してるヘリだと思う。スマホが普通にある世界観で見つからないなんてことないから最終的にはナツキくんは保護されることになるのかな。
そもそも母ヤギがしてることも知らない子どもの拉致・自分の子供を含む子供たちの監禁など、ナツキの父親とはまた別の虐待を行なっている。そんな中、母ヤギだけがなんの叱責も受けないのは不自然な気もする。
だからあの後、ナツキと子ヤギたちは保護され母ヤギは逮捕される(ような機関があるなら でもスマホとヘリが存在してるならあるでしょ)んじゃないかなあ。
あの世界観で裁判関係がどんな風になっているかわからないけど、仮に現代と似たような感じだとして、母ヤギは精神を病んでいるので責任能力がないとして無罪にはなるかも?といっても、もう子供たちと暮らすことは難しいだろうけど。
そもそも、ナツキの父親はオオカミと同じ運命を辿っていると思えば死体が出てくるのかどうかも怪しいし。
個人的な嗜好で言えば、本人たちが幸せそうならどんな歪な形だとしてもいいと思っているので、あのままでもいいなあと思う。童話的だし。
悪いオオカミは倒されて、みんなずっと、幸せに暮らしましたとさ。終わり。