教員の夏休み

「先生はいいなぁ。夏休み、長いですよね?」と、お決まりの嫌味。
散々説明し尽くしてきましたが、まぁ、一応ここでも。

夏季休業日は、勤務日です。
教員の夏休みは、夏季特別休暇が5日のみです。
それでも長い!と言われれば、それまでですが。

5日間の特休に加えて、授業日以外になかなか消化できない年次休暇を消化します。
土日祝日を合わせれば、二週間休みなんて事も簡単にできます。
こうして書くと、確かに「先生はいいなぁ」と言われるのもうなずけるかな?

では、子どもがいない学校で、どんな勤務があるのでしょうか?
「研修会参加」「会議」「職員作業」「教材研究」です。
中学校ならここに「部活動」が入ります。
小学校ならここに「プール当番」が入りますが、昨年度から今年度にかけては、コロナのために中止になっています(子どもたち、かわいそう)。

教員は普段、一日の大半が授業ですので、「研修会参加」「会議」「職員作業」「教材研究」は最低限しか組み込むことができません。
そこで夏休み。
一気に「研修会参加」「会議」「職員作業」「教材研究」が襲ってきます。

「研修会」は、教育課程研修会、教科研修会、ICT研修会、市教委主催各種研修会などは定番で、所属教科によっては、「夏季ゼミ」「県大会」「全国大会」などもあり、うれしい悲鳴です(単なる悲鳴・・・)。

「会議」は、毎週の会議以外のものとなり、生徒指導会議(QU検査結果を受けてのクラス分析、個人分析)、保健衛生会議(昨年度からは主にコロナ関連)、災害防災会議(土砂災害、河川災害が近年で実際に起きたため)などです。
児童がいない中での開催なので、大型化します・・・長丁場。
半日は普通で、終日の時もあります。
教室と職員室にはエアコンがありますが、会議室にはありません。
33度の室温の中、複数台の扇風機に手元資料を吹き飛ばされながらの会議です。
炎天下の部活動顧問と比べれば、余裕です。
余裕ですが、意識は朦朧とします。
なぜ職員室で会議をやらないのか?・・・「密になる」からです。
密を避け、熱風を運ぶ扇風機を頼りに、会議は続きます。

「職員作業」は、不要品(廃棄備品、書類等)を学校中から集め、ゴミ処理センターに運びます。
職員個人所有の軽トラが重宝され、作業日をみんなの都合に合わせて設定できます。
が、誰も軽トラを所有していない年は、行政から2トントラックを借りるしかありません。
1台しかなく、どの学校の夏季休業中、当然予約の競争率は爆上がり。
職員の都合に合わせた作業日設定は不可能で、最悪の年は、トラックの予約が取れた日に作業に参加できた職員が3名のみ(校長、教頭、担任1名)ということもありました。
そのときは、私も休みを取って家族サービスの予定でしたが、予約の変更が可能だったため、参加した「担任1名」に含まれるという栄誉を得ることができました(涙)。
普段は20名前後で行う作業内容なのに、3名だけ。
校長が昼飯おごってくれました(しかも豪華)、感謝。
職員作業はこれだけでなく、「図書館の模様替え」「家庭科室備品の全洗浄、整理」「体育館倉庫の整理、清掃」「図工室備品(のこぎり、金槌、かんな、電動糸のなど)のメンテナンス」「教室児童戸棚の補修」「児童机と椅子の補修」などもあり、道具メンテや補修工作大好きな私の活躍の場でもあります。
補修作業終了後に「さすが○○先生!!きれいな仕上がり!!お疲れ様!!」と、職員室でデスクワークしていたみんなに労ってもらい、鼻高々に帰宅の途中「騙されてないか?俺。便利に使われてないか?俺。」と気づく、いつもの夏。
「そんな作業、業者がやってます」という某都市の教員の話を読みましたが、うちのような田舎の小さい市に、そんな予算はありません。
金は使わないで、職員を使う、これ常識です。

「教材研究」は、普段土日にやっている短期研究ではなく、冬休みまでの長期の分を処理します。
毎時間の授業の流し方、導入の仕方とそれに必要な物品や資料の洗い出し(と、可能なら手配)、習得困難が予想される授業のフォロー案作成などです。
教員のサガとして、これは楽しいです、だから教員を辞められない。
予想と準備が無駄になることは多々ありますが、予想と準備がぴったりと決まったときの快感。
・・・社畜根性?

昨年と今年はコロナでありませんでしたが、プール当番もあります。
これ書き出したら、すごく書けてしまったので、ここでは割愛して、別項にします。

こうして書いて読んでみると、平和ですね、夏休み。
世間が見てるほど暇じゃないけど、世間ほど忙しくもない、ほのぼのした感じ?

「夏休みがずっと続けばいいな!」とは全然思っていませんが、1ヶ月ごとに夏休みが来れば最高だな、と。
すみません、調子こきました。

夏休み明け、宿題やってない児童の指導、気持ちがよく分かるだけに、憂鬱です。
「形だけ」でも、やっていてほしいな、あまり追求しないからさぁ・・・。

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