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なぜ通販で買うのですか


こんにちは。
実家にしばらくいたら体重が5キロも増えていましたeijiです。😵

今日は「なぜ通販を買うのですか」を読んだので要約してみました。

学んだことのアウトプットで完全に自己満足ですので気になった方は是非こちらから⬇︎

著者:斎藤 駿
出版社:集英社新書



この本は通信販売をビジネスにしている、あるいはビジネスにしようとしている人向けにカタログハウスの社長である斎藤 駿氏が自身の経験を踏まえて通信販売の歴史、通信販売で成功するための秘訣について書かれた本です。2012年に発行されたもので情報が古いものは抜かして要約しました。


通信販売と記事体広告

従来の商品広告(テレビ、新聞等)の役割は告知と販売促進で、消費者を小売店の店頭に誘導するところで終わっていました。商品の細かい説明は小売店の店員さんに任せられ、広告と販売は分離していました。
これに対し通信販売は告知、販促から、販売までをセットで完結させる商品広告です。
したがって競合比較や、使用価値までを細かく報道し、解説できる記事スタイルは通信販売に最もふさわしいスタイルでした。


明治時代にも存在した「カタログ雑誌」

半分が商品販売のページ、半分が一般雑誌の形式を持ったカタログ雑誌は明治時代から存在していました。誌名は「二十世紀」、明治34年11月に創刊された月間のカタログ雑誌でした。

一体どうしてこんなアイデアが生まれたのか、その理由はとてもシンプルでした。

明治16年から郵便物が第一種から第四種までに区分されるようになり、第三種にあたる新聞や雑誌は教育普及のために郵便料金が優遇されるようになりました。そこで、カタログを雑誌の体裁にすることで第三料金で配送してもらい、コスト削減を狙ったのです。


日本とアメリカの通信販売

アメリカで通信販売が成立したのは「モノ不足」のせいでした。お金はあるけれど広大な土地のせいで都市まで出かけないと欲しいものが買えないという状況が、通信販売を誕生させました。(都市から地方へ型)

逆に日本で通信販売が成立したのは「モノ余り」のせいでした。国土の狭い日本では欲しい商品が小売店不足で買えないというケースはまれで、お金がないから買えないだけでした。しかし、お金ができて必需品である、三種の神器(白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫)3C(カラーテレビ、カー、クーラー)を買い揃えた時、さらに新しいモノを要求する消費者の欲望が通信販売を成立させました。(買い替え需要型)


通信販売と女性服

日本の1960年代までは既製服市場はほとんど存在せず、オーダー市場、すなわち生地売り場が主流でした。
しかし、これでは市場の発展に限界があると考えた伊勢丹、高島屋、西武は婦人既製服のサイズ体系を整備するなど共同戦略を策定し、既製服市場の土台を固めていきました。また、既製服=安物というイメージを払拭するために、イタリア、フランスの有名デザイナーと提携するといったブランド戦略も実行しました。
そんな努力の甲斐もあり70年代には、既製服をテーマとしたファッション雑誌「anan」「non・non」の創刊も後押しして毎日服を変えて出勤する習慣が定着していきました。

そして、80年前後のカタログ商品の大半は「女性服」であり、カタログ通販の主役となったのですが、どうして米や味噌、その他でなく「女性服」だったのでしょうか?

まず、民主主義(男女同権社会)進むことで今までの家父長が消費者の主役であった時代から女性が男と同格の経済力を持つようになり、女性が消費者の主役へと移り変わっていく背景がありました。
そして、服のカタログが定着したのは、購買力を身につけた女性たちに「街では入手しにくい服」を提示したからでした。

ここでいう「街では入手しにくい服」とは、街でも入手しやすいような服を3割安く買える商品、つまり価格を安くすることで街のデパートと差別化した商品でした。

通信販売とリアル販売との差別化は、上記のような価格設定の他にもブランド価値や、地域性によってもつくられます。(1地域でしか入手できない少量生産品)


消費社会

「消費社会」とは消費の中に「たまには失敗してもいいか」といった弛緩が発生する社会のことです。あるいは、従来のメーカーや小売店と消費者との関係性が揺らいできて、「たまには知らないメーカーの商品でも買ってみようか」と考える消費者が増えてくる社会のことです。
現物を見ないで買う通信販売が増えてきたのは、生活水準が上がり消費社会となってきた時代の流れに理由がありました。


自己保存と自己顕示

・使用価値 ー生理的欲望ー自己保存
・差異価値ー心理的欲望ー自己顕示

消費の本質は自己保存と自己顕示であり、この二つの本能(欲望)が重層化したものが商品です。
商品を使用することで肉体を温存したり、回復したり、拡大している。つまり、商品の使用価値とは「体の便利を作る価値」であり、買い物は体の便利を求めうる生理的欲望から生まれます。
自己顕示とは、他人とは違う自分を主には服や、化粧品やブランド品によって確認していく消費のことです。


街の売り場では使用価値は伝えにくい

消費者が商品を購入する時、その決意を固める最大の要因は使用価値です。そのため売り場ではどう消費者に使用価値を伝え、生理的欲望を刺激するかが大切になりますが、街の売り場では商品がおのれの使用価値を卑小化して表現されてしまうことが多々あります。例えば、デパートの調理器具売り場にはステンレスやホーローの冷たい塊が陳列されてるだけで、そこからは一つ一つの調理器具が作りだす料理の美味しさ、匂いや、色合い、湯気まで表現することは難しいです。一方通信販売であれば文字と写真を使って十分に欲望を刺激することができます。つまり、陳列してあるだけでは使用価値が分かりにくい商品ほど、通販商品に向いています。

ちなみに通販カタログの主役となっている服はモデル(写真)を使うことで実際に着用した状態、つまり”使用価値”を伝えています。

<買った後でなければ分からない使用価値を、買う以前に分かりやすく伝える> これが商品を売る上で大切なことだし、通信販売が得意とするところです。


理論より経験

通販において写真やもので使用価値を伝える際に注意したいのが、人は理論よりも経験によって動かされるということだ。
つまり、売り手の説明言葉よりも、実際に使っている購入者の経験言葉の方がはるかに読む人の心に届きます。


広告と信用の4つの関係

情報の信用性は、情報に占める発信者の利害度、受信者の発信者への好感度、この二つの組み合わせから発生します。

縦軸が感情線で横軸は利害線。


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広告は発信者である「広告主と利害関係の強い情報」である故に信用率トップのaランクには入れません。そこでせめてbランクに入るためにも好感度が高い著名人を利用して信用率をあげる手段があります。


広告の信用から広告主の信用へ

著名人を利用して広告の信用を得る手段を紹介しましたが、そこにはコストもかかりますし、多用できる手法ではありません。どうしたら著名人の信用媒介せずに小売自身の言葉だけで信用してもらえるようになるのでしょうか?

企業の信用は起業活動の差異からつくられていきます。

①広告活動による差異化
②本業活動による差異化
③本業外活動による差異化

以上によってブランドを差異化、つまりその企業の独自の思想や哲学を表現していき、ブランド、会社を好きになってもらい信用を得ていくのです。



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