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夕鶴と桐吾さんに共通する、ダチョウ倶楽部のお家芸について


漢字やアルファベットを読むのが好きな桐吾さん、スーパーでは必ず商品をひっくり返して、生産場所や内容量をチェック。
姿を見失っても、だいたいお菓子コーナーに行くと、険しい表情でひとつひとつ検品しているので、母はその間に買い物を済ませ。
満足いくまで検品し終えた彼に声をかけ、グミか知育菓子をひとつ買い、お店を後にするのが最近の流れ。

帰りの車内で、バックミラー越しに会話していたときのこと。

桐吾さん「さっきかったグミ、つくっているところかすがいしだったよ!」
母「そうなんだ〜(春日井市…UHA味覚糖か?)」
桐吾さん「でもそうじゃないかもしれないから、おかあさんみないでね!」
母「ん?違うの⁇」
桐吾さん「わからないけど、かすがいしじゃないかもしれないから、ぜったいおかあさんみないでね!」

いやいや、今見れば明らかですやん。
助手席に置いてあるショッピングバックの中探れば、一発で確認できますやん。
でもぶっちゃけ春日井市でも富士宮市でも安曇野市でも、生産地なぞどうでも良かったので、ハイヨーと返事をしてステージ終了かと思ったのに。

更に後ろから「ぜったい!ぜったいみないでね‼︎」の熱いフロウをお届けされたので、あれこれまだマイクスイッチ入ってる感じ?
ならばYO!チェケラ♪

見るな見るなと言うからにゃ
見て欲しいんだろワガママボーイ
グミの製造場所がどこなのか
教えてあげるよ学ぼーい

要は、ダチョウ倶楽部の熱湯コマーシャルですよね。
押すなよ!絶対に押すなよ!と言いながら、キラキラした目で周囲を見渡す竜ちゃんと、その期待にしっかり応える芸人達のチームプレー。
よし!
ここは私も桐吾さんの期待に応えねば…!

ショッピングバックの中を漁ること数秒、すぐに見つかったグミ。
裏返してみると、製造場所は春日井市じゃありませんでした。
ありゃ、何かと勘違いしちゃったのかな。

母「アハハ、春日井市じゃなくて千葉市だったね〜♪」
桐吾さん「なんでみるの⁈みないでっていったのに!」

…え?
みないでみないでは、みてねじゃないの⁈
すぐに後部座席から聞こえてきた鼻水を啜る音と、さめざめとした泣き声。
一気にトーンダウンした車内。

だってだって!
あんなに見るな見るな言われたら、逆に見て欲しいのかなって思うじゃん⁈
芸人だってそうじゃん!
桐吾、お笑い好きだから、そうなのかな〜?って思ったんだよ!
と、必死に弁明したらば。
「とうご、げいにんじゃないのに」と、涙目で返されました。

それでは聞いてください。
本日のパワーワード
『桐吾、芸人じゃないのに』
ごもっとも!

シクシク泣く桐吾さんを乗せながら、一気にお通夜となった重苦しい車内で私の脳裏に浮かんだのは、竜ちゃんのプリンとしたふんどしスタイルのお尻ではなく。
戯曲『夕鶴』の最後のシーンでした。

人間に化けて機織りしていた鶴のつうが、百姓の与ひょうに姿がバレてお別れする場面。
つう!つうよぉ〜!と、つうが去った空に向かって手を伸ばす哀れな与ひょう。
見るな見るな言われてたのに、なんで見ちゃうかな〜?と、当時は不思議に思ったけれど。

今ならわかるよ、与ひょうの気持ち!
そんな何度も念押しされたらさ、逆に見て欲しいのかなって思うよね?
期待に応えてあげなきゃって思うよね⁈

いや、つうも桐吾さんも芸人じゃないし。
ごもっとも!

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