応答のない世界

応答のない世界に
私は住んでいる

彼らが私に応えるのは
私が彼らに経済的利益をもたらすときだけだ
そして、そのとき
彼らの動きはとても素早い

私が彼らに提供しているものは
提供できるものは
経済的利益だけなのか?
と思う
エコノミック・アニマル
でも持たざる者は
それを証明する理論を持たない
持ったところで、それは容易にかき消されてしまうどころか
何の波紋も生じさせない

私たちは
応答のない世界に生きている

何をしても変わらない
主体性の持てない人生
全ては
地位により予め決まっている
ほら
それを誤魔化す装置ごと、一大産業

その昔
私は今死んでも死ななくても何も変わらないのだなと絶望した
そうして、首を括った
私を生かした神は
今もそのままに世界を見せる

個人情報をばらまいて
哀れな求職者よ
彼らが振り向くのは
「利用できる」と思ったときだけ
労働は全て陳腐な蛸壺に落ち
家族すらせめぎ合う

要らない
こんなもの、要らない

自分を穏やかに保つ技術とか
そう、いかに環境に適合するかばかり
「私」はそこにはいない
「私」はそんな存在じゃない
あなたが思うような

逃げて逃げて逃げて
逃げることしかできなくて
逃げることしか許されてなくて
なのに
コペルニクス的転回を教え込む
あなたも「装置」の1つなんじゃないの?
あなたすら

そんなもの要らない
あたしは1人で生きてゆく
たとえ誰も耳を傾けなかろうとも
私の中の全ての辛い「私」と一緒に