経理パーソン

今の会社では
これまでの経験から私が感じ習得してきた
「経理としての常識」もしくは「社会人としての常識」が通じない
と感じることが多いのだけれど

その内容と理由について分析を試みる

私の経理組織のイメージはこうだ
大卒の会計学とかを専門に学んだ男性。往々にして税理士や公認会計士の資格持ち(少なくとも勉強はしたことある)
プラス
簿記2級程度の勉強しかしたことのない商業高校卒の女性。もっぱら現場の事務担当
の組み合わせ
だから、人間性とかマネジメントのやり方で衝突することはあっても、経理的な知識の多寡やそこから生まれる方針に疑問を持つことはない

翻って、彼女の出自は知らないのだけれど
今の上司は
経理パーソンとしての薫陶を受けていない
と感じる

本社経理ではなくせいぜい支店の業務課なので、仕方がないのかもしれない
でもかといって、本社にそういう人材がいるのかといえば、今のところ「どうなんだろう?」という感触

私もそれなりの歳なので、
もうそういう人材自体が払底している
という可能性もあるなと考えている
昔あるおばちゃんに聞いた話だが
自分の上司はそろばんの時代
そろばんから今に至る流れを俯瞰して見つめられている人材が残っているようには思えない
とすると
いつの間にかテキトーに人材が入れ替わってきたのだろう

具体例を挙げる
本社経理からの指示に、「減価償却費の当月の入力をしてから、必ず残高が合っているか確認してください」とあった
私は4月分ではそれをしたのだが、5月分は忘れてそのまま上司に伝票を回してしまい、後から気づいて慌ててチェックし、証憑を足そうとした
しかし上司は
インプットが合っているのだから残高のチェックは要りません
「当然!」と鼻で笑うように言った

そりゃあ理論上はそうよ
でもそれを確かめるのが経理ってもんじゃない?
それを「合理的」と言うの?

いろいろ考える

ここではインプット量が少ないので、わざわざ結果を確かめなくても大丈夫かもしれない
毎月はやらんでいいということかもしれない。決算ならやるんだろう。しかし、決算で慌てて確かめるよりは、毎月合わせておいた方がいいはず
彼女はそう言うけれど、実際に彼女のところでミスは見つかってないじゃないか!
(これに関しては、私は昔から、自分のミスも他人のミスも見つける能力があるみたいなんで、彼女に限ったことではない)

例えば今日、買掛の請求書の照合をしたのだけれど
請求書をシステムに登録する際、費用計上日と支払日を入力する
それぞれを確認画面で確認した上で「申請」し、上長も確認した上で「承認」しているはずだが
データをダウンロードしてみると、日付が来年になっているものが1件、費用計上日が末日ではなくシステムのデフォルトの日付のままのものが1件

インプットが正しければ、2人も確認してるんだから、理論上は間違いが混入するはずはない
直接日付を入力してるわけじゃないんだから、来年の日付なんて打ち間違うはずがない
でも、人間のやることってのはこうなるんですよ
往々にして。なぜか
だから「なべて見た」チェックは必要なわけです
個々のインプットの縦だけではなく、横からデータを眺めてチェックする
それでようやく「確からしい」と言うことができる

とにかく
一見無駄と思えても、もう一度チェックを入れる
それが、一番最後を預かる「経理」のやり方じゃないかな?と思う

ああああ
どこにも安住できないのが自分の宿命だとわかってはいるものの
まさか経理的な知識・経験まで疑えるような上司の下に就くとは……
辛くなってきた
私の人生
あるのが当然と思っていたのがそうでないことを知らされるばかり
せめて、率直に語れたらいいものを
今のところ、その萌芽はない

「ままならない自分」を撒き散らして
「彼か我か」の世界にギリギリと神経をすり減らし、
そんなではない地平は、いったいどこにあるんだろう?
まだ見ぬアヴァロンの霧の先……