私が副会長になった話1

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さて、タイトルが「私が副会長になった話」に変わりました。引き続き読んでいただけると幸いです。

次の日学校に行くと、玄関の前に選挙の結果が張り出されていた。当選者の名前の上にだけつけられた赤い花が少しいじらしく見えて、モヤモヤした。
合唱部の朝練で音楽室に行くと、先輩や友達がおめでとうと祝ってくれた。
「そういえばうちの担任の先生がりんごベタ褒めしてたよ。大勢の前で歌えてほんとにすばらしいって」
面識のない先生に知らないところで褒められていたことがなんだかむずがゆくてそれでいて嬉しかった。

昼休み、前にさんざんなことを言ってきた吹奏楽部の友達に呼び出され行くと、
「副会長になったんだね。ほんと落ちたTさんがかわいそう。よくそんなことできるね。ありえない」
私が1番気にしているところをストレートに言ってきて、聞いているだけで何も言えなかった。副会長が誰になるかは生徒の皆が決めたことで、私じゃないけど、でも責任を感じて傷ついたし辛かった。

放課後生徒会室に行くと、前期の生徒会の人たちがTさんについて話していた。
「Tやめるって言ったんだけど生徒会の先生がとめたらしいよ。でも私は続けて欲しいんだよね」
......えっ?やめるの?私のせいじゃん。どうしよう。
そのときTさんが生徒会室に入ってきた。
「ねえ、やめるって本当?」
その人は笑ってごまかした。
あぁ、本当なんだな。
自分がここにいることが申し訳なくて申し訳なくて仕方がなかった。

生徒会に入って最初の仕事は、後期認証式だ。引き継ぎの意味もあり前期の生徒会の人たちと一緒に活動を行う。その日は前日リハーサルと当日の読み合わせだった。渡されたシナリオを見ながら今回の行事責任者である生徒会長が流れの確認をしていく。正直全然理解できずわからなかった私には「それはこういうこと?」と確認している3年生が、すごく遠くの人のように思えた。
それから、整列指導の練習をした。整列指導は椅子を持ってきた生徒を所定の位置にきれいに並ばせるというもので、私は2年生担当だった。
実際に生徒役と整列指導役とで分かれて行なってみる。人に指示するのが苦手な私は臆病になり大きな声が出せなくおどおどしてしまうだけで、なにもできなかった。
私のもう1つの仕事である呼名も練習した。合計130人近くになる認証生徒の名前を2人で半分ずつ読んでいく。滑舌の悪さが目立ってしまうのではないかと不安に思っていたら、案の定先輩にもっとハキハキしゃべろと注意を受けた。

リハーサルの朝、体育館で役員はぽちはりをしていた。椅子がどこに置けば良いのかを生徒の数だけ貼っていく。生徒会がこんなことまでしていたことを知り、大変だなと思った。

リハーサルでは整列指導にしても呼名にしても上手くいかなかった。
「お前ら酷いな。練習しろよ」
生徒会の先生からは酷評だった。
明日うまくいくのか?と不安に思っていると、生徒会のリーダーの先生が聞きたくなかったことを話し始めた。
「あの、色々話し合ったんだけどTは生徒会続けないことになりました。だから明日でTは生徒会最後になります。先生は反対していましたが、Tの話を聞いて気持ちを考えるとよくわかるからね、承諾しました。
でもちゃんと最後まで頑張るんだよ!」
あいつのせいだ、と全員の視線が自分に向かっているような気がして私はしばらく下を向いていた。

今回グダグダ感が否めないですが、最後までお読みいただきありがとうございます!

#学校 #中学 #生徒会 #副会長 #よろしくお願いします

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