私が副会長に立候補した話3
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選挙の私のスローガンは『輝く個性』だった。
私は演説で話す内容に、思い切った政策を入れてみた。それは、学校祭や校内新聞で様々な特技に着目して、色々な人を紹介していくというもの。自分の中でとても上手くまとまり完成した原稿に満足して、演説の日が楽しみだった。
しかし、生徒会の先生のチェックでその政策は入れてはダメだといわれ、全て書き直しになった。書き直してはダメ出しを受け、具体的な政策を入れることは諦めた。
最終的にできた原稿の内容は、立候補した簡単な動機と校歌の歌詞の一節からこの学校をもっと個性を輝かせるべきだという流れ。
何かが足りない。そう思った私は父に相談をした。
「合唱部なんだし、校歌の部分歌ったら?」
それだ!
次の日私は学校の先生に相談をした。
「あの、ここって歌ってもいいですか?」
「歌う?そんな人今まで誰もいなかったよ。
......でもいいんじゃない?やってみなさい」
ということで私は演説で歌うことにした。
立会演説会前日リハーサル
これは本番の動きを全て通して行う。
とても緊張をし震える足を動かしてステージへのぼった。8人いる立候補者のうち私の演説は2番目。
あっという間に私の番が来た。
「副会長候補1年○組りんごさんお願いします」
「はい!」反射的に立ち上がりお辞儀をし、マイクの前へ。
「みなさん、こんにちは......」
演説自体はもうスラスラと口から出ていく。
そして校歌の歌うとき。体がこわばり固まったことで声が思うように出ず、聞いてられないようなものだった。
それからはあっという間に時間が過ぎ、全ての演説が終了しリハーサルは終わった。
明日も絶対声出なくて、失敗する。もう歌うのやめよう。
私は諦めたのだ。
また来週の土曜日更新します。お楽しみに!
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