ポン吉仙人

中の人はリケジョで元製薬業界のアナリスト。新型コロナウイルス感染症について、世界中で沢…

ポン吉仙人

中の人はリケジョで元製薬業界のアナリスト。新型コロナウイルス感染症について、世界中で沢山の知見が出ていますが、正しい情報は自分で取りにいかねば手に入りません。という訳で、正しいコロナ情報を提供していきます。

マガジン

  • 新型コロナウイルス感染症について知っておくべきこと

    新型コロナウイルスについて、知っているようで実は知らないことが沢山あります。自分や大切な人の健康を守るために必要な科学的知見を集めてみました。中の人は元製薬業界のアナリスト。一般の人向け対象です。

最近の記事

コロナが体内でどう広がっていくか?

ちょっと怖めの内容です。苦手な方はスルーしてください。私がコロナに絶対にかかりたくないと思った論文。 まだ査読前(プレプリント)の論文なんですが、コロナに感染した臓器が活性化T細胞を追跡する全身PET検査でわかるようになりました。 それを使ってコロナ感染前、感染後654日後のPETを取って、コロナ感染がどのように広がっているのかを調べたものです。 これが元論文(英語)です。Multimodal Molecular Imaging Reveals Tissue-Based

    • 感染状況と外食について

      コロナ第11波が立ち上がってきました。南日本、九州、大阪、沖縄などはすでに医療がひっ迫し始めています。今日は定点観測と外食についての考察。 コロナが流行り始めた2019年。まだコロナが二類感染症と分類された頃は、コロナ感染者数は全数把握といって、全ての医療機関がその日の感染者数を数えて保健所に毎日報告していました。 これだと感染者が増えるにつれて、医療機関が保健所に報告する労力が膨大になりやりきれないということで、全ての医療機関ではなく、その一部の医療機関を定点観測点として

      • 注意!~第11波始まっています。

        最近暑くなってきましたね。7月の声を聞いてかなり感染状況が心配になってきました。 陽性率を見ると大体昨年7月の今ごろと同水準ですね。おそらくはこのまま昨年と同じ経緯をたどると思われます。 昨年の感染のピークがお盆ごろ。そして二か月かけて収束していきます。現在の陽性率は45%くらい。 発熱外来に来た人の半分くらいがコロナ感染しています。 モデルナのサイトからコロナ陽性率を抜き出してみます。(全国) 昨年と今年の違う所は、1)マスクをつけていない人が多くなった。2)ワクチ

        • 海外では本当にマスクをしていないのか?~怪しいネット情報を信じてませんか?

          よくツィッターなんかで、海外ではみんなマスクしてない、とかマスクしているのは日本だけ、というコメントを見ますが、この際ですからはっきり言いましょう。 ずばり、海外でもまともな国(科学的事実に基づいて感染症対策をしている国)ではマスク着用を推奨している所が増えてきています。 例えば、WHOは屋内で混雑した場所では自分を守るためにマスクをつけましょうというPRをしていたり、 シンガポールで新型コロナウイルス感染症の新たな波が押し寄せ、1週間で2万5900件の感染者が記録され

        コロナが体内でどう広がっていくか?

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        • 新型コロナウイルス感染症について知っておくべきこと
          10本

        記事

          感染者は発症後いつからいつまで感染性のウイルスを出しているのか?

          さて、コロナ感染者ですが、いつ頃から感染性のウイルスを排出しているのでしょうか? 答えは厚生省のHPから抜粋してみましょう。 ~~抜粋部分~~「新型コロナウイルス感染症では、鼻やのどからのウイルスの排出期間の長さに個人差がありますが、発症2日前から発症後7~10日間は感染性のウイルスを排出しているとい われています 。  発症後3日間は、感染性のウイルスの平均的な排出量が非常に多く、5日間経過後は大 きく減少することから、特に発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いこと

          感染者は発症後いつからいつまで感染性のウイルスを出しているのか?

          マスクって本当に効果あるの?

          さて、マスクにはウイルスを含んだ飛沫を遮断するという効果があると前回書きました。マスクの効果を考える時に、二つのケースを考慮しなければ意味がありません。1)感染者がマスクをつけた場合 2)非感染者(感染してない人)がマスクをつけた場合です。 なぜなら、一番大事なのは空気中のウイルス濃度だと繰り返し説明していますが、上の1)(感染者がマスク)と2)(非感染者がマスク)を付けた場合では、空気中のウイルス濃度が全く異なるからです。 マスクの素材として、不織布、ウレタン、布などが

          マスクって本当に効果あるの?

          空気中にコロナウイルスが漂っている

          コロナウイルスがどうやって人から人にうつっていくのか、まずそれを知ることから始めましょう。 コロナウイルスがヒトからヒトに感染するためにはまず、感染者がウイルスを排出する所から始まります。その経路は、口や鼻(呼気やくしゃみ、鼻水、唾液)と、糞便、尿があります。まず一番大切な呼吸器からのウイルスの排出について。 1)まず感染者がくしゃみ、咳などでウイルスを含んだ飛沫を出す所から見てみましょう。 くしゃみ(飛沫)の可視化 横から 撮影事例 - YouTube 2)お喋りを

          空気中にコロナウイルスが漂っている

          一番大事なウイルス暴露量

          一度考えてみましょう。 例えば、コロナウイルスに暴露してしまった時、仮に10万個のウイルスが感染してしまった時と、10個のウイルスに感染してしまった時。 当然、重症化の度合いは違ってきますよね。もちろん、10万個のウイルスに暴露してしまった時のほうが症状が重くなります。 つまり、どのくらいのウイルス数で感染してしまったかどうか、が大事なのです。できれば重症化はしたくない。その挙句死亡したりひどい後遺症が残るなんてもってのほか。では、どうしたらよいのでしょうか? 一番大切

          一番大事なウイルス暴露量

          新型コロナウイルス感染症について知ろう~2

          コロナウイルスには色々な側面があるので、思いつくままですが、まずは概要だけ先に書きますね。 1)コロナウイルスは、一度感染すると運が悪い場合、感染先の内臓に持続感染を起こして体内で感染が広がっていく。 私が一番嫌なのはこの事実。(詳細については後日詳しく書きます) そうなると当然、体調がいつも悪い状態になる訳で、仕事や学業に差し支えるようになります。 2)コロナウイルスは感染すると20年分の老化を起こす。 一度の感染で20年分の老化に匹敵する細胞の変化が起きるようなリスク

          新型コロナウイルス感染症について知ろう~2

          新型コロナウイルス感染症について知ろう

          コロナウイルス感染症が流行し始めて、はや4年になります。最初に武漢で感染が確認されてから、グローバルパンデミックと化し、世界中で研究者たちが様々な科学的知見を報告し続けています。この4年間の研究、報告などを踏まえると、到底、コロナウイルス感染症が「ただの風邪」であるとは言えません。 では、風邪とどう違うのでしょうか? それはこのウイルスが持つ性質を知らなければなりません。 後遺症の話は多岐にわたるので最初はその概要だけ記載します。細かな性質等(CT画像等)についてはあとで

          新型コロナウイルス感染症について知ろう