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生徒さんの気持ちを理解するために6年ぶりに中国語を始めてみた

オンライン教師を本格的に始めて1年が経過しました。まだまだではありますが「進め方」は段々と見えてきました。ですが、こういう時こそ初心が肝心。生徒の気持ちになるためには、自分が生徒になってみるほか無いと思い、Preplyで中国語を勉強し始めました。そこでいくつかの気づきがあったので、まとめておきます。

事前情報として、私は高校〜大学までの7年ほど学校でゆるゆると中国語を勉強していました。なので、ある程度の基礎はわかるという状態です。おそらくJLPTで言うとN4~N3レベル。簡単な自己紹介と数字の数え方、基本的な挨拶はわかる状態で、基礎文法を使えば簡単な会話はできます。ただ、ブランクが6年なので、ほぼ初心者というていで初回レッスンに参加しました。

体験の先生を選んだポイント

だいたい自分と同じ料金設定(15~20USD)、母国語話者、時間帯を条件に検索しました。ヒットしたのは40名ほどで、ここから絞るのが結構難しいんです。

まず、生徒さんからのレビューをチェック。教えたレッスン数も大切ですが、どちらかというと「評価の質」を重視してチェックしました。また、雰囲気を知るために、先生の自己紹介動画を見ました。結局は「優しそうな先生」を選んで、体験を申し込みました。あとはやけに先生っぽくない人というのも重要なポイントでした。文型を詰め込まれそうだったり、ノリでお小遣い稼ぎしてそうな人も、安物買いの銭失いになりそうだったのでやめました。ある程度の金額を取っていて、落ち着いていて親切そうな人ということ、あとは同年代で話のトーンが合いそう、ということで今の先生に体験レッスンを申し込みました。

体験から本購入に至った理由

久々の中国語ということもあり、楽しすぎたので本購入に至るまでは秒でした。そして、先生の丁寧さも決め手になりました。レッスンが終わってすぐに授業で学んだ語彙や文法のまとめのリンクを共有してくれたので、熱が冷める暇がなかったというのもあります。体験から繋げるためにも、やはり初動って大事ですね。自分も見習おうと思います。

短時間でのたくさんのインプットは求めていない

先生側の視点だと、授業料の発生している、限られた時間の中でより多くの知識を増やしてあげた方がいいという思いが膨らんでついつい授業スピードを早めてしまったり、たくさんのことをインプットしてしまいたくなるのですが、それは必ずしも必要なことではないと感じました。
仕事をしながらだったり、趣味でゆるくレッスンを受けている人は、授業時間以外に時間をとっていないケースもあります。そんな中で多くのことをインプットしても、処理しきれない可能性があります。会話練習をしたかったり、言語学習が好きだからやっているという生徒さんに対しては、簡単な文型を提示してそれを使って会話練習をするといったやり方もいいかも、と思いました。

教師から見たオンラインの働きやすさと、生徒から見た予約の取りやすさは反比例する

私の中国語学び直しプロジェクト、最初は調子良かったんです。教科書を自分で復習したり発音の練習をしたり。でも、長く続きませんでした。もともと自分が飽き性だということもありますが、先生から突如夏休みにイギリス留学に行くとの連絡が。しかもレッスンの前日に。いやー、サブスク購入する前に言ってくれよ、と正直思いました。予約の取りづらい脱毛サロンと似た感覚になりました。生徒目線からすると、いつでも勉強したいときにレッスンの予約を取りたいと思います。あ、今晩時間が取れそうだから予約しておこう、とか。そのくらい気軽な感じで勉強したいんですよね。逆に教師側からすると、予約可能時間を多く開けておくことは、自分の時間を縛られることになります。例えばで地獄なのが、朝7:30、午後1時、5時、夜22時といったようにポツポツと予約が入ること。1日の稼働時間は4時間しかないのに、授業環境を確保するために長い間自宅やワークスペースにいないといけない。もしくは、16時だけ予約が入ったり。外出するにできず、引きこもり状態になってしまいます。今は、日本語教師がメインワークなので、できるだけ生徒さんにレッスンを予約してもらえるようにしていますが、そこも自分でバランス見つけていきたいなと思っています。

ノリでドイツ語もトライアルしてみた

中国語の先生が長期休暇に入ってしまうので、どうせならと余ったレッスンでドイツ語のトライアルを受けてみました。中国語の先生は二人とも自己紹介シートを作ったり、振り返りシートを作ってくれたりとマメでしたが、ドイツ人先生は一切そういうものもなく、教科書もなし。チャットに必要事項を随時メモして復唱していくスタイルでした。淡白でありながらも、"Die""Der""Das"の存在や発音の仕方を丁寧に教えてくれたのは良かったです。語学学校での経験もあるらしく、落ち着いていて発音も「良い」ではなく「悪くない」と言ってくれたのは正直で信頼できるなと感じました。

生徒のニーズは最初に聞き、タイムスケジュールを伝えるべき

ドイツ語のレッスンを受けた時に、50分の授業のうちの最初の30分が自己紹介で終わってしまうという事件がありました。しかも、全て英語で。こちらはドイツ語の勉強をしにきたから、早く本題に入ってほしいという気持ちでいっぱいでしたが、家族や友達、休日についてなどを英語で説明する正直難しい時間でした。おそらく、まずはお互いのことを知りたいということなのでしょうが、私はドイツ語を学ぶためにお金を払い、時間を確保しているのだけれどな〜とぐるぐるしてしまいました。多分、これは先生に伝えるべきでしたね。これを解消するためにも、最初にタイムスケジュールを生徒に伝えておくといいのかもしれません。ざっくりでも、最初の10分は自己紹介、次の10分でレベルの確認、次の15分で使用する教科書の選定と試し読み、最後の5分で疑問解消します。など。生徒の時間をもらっているということを忘れては行けません。

共通言語は英語がいい

中国語の先生は2名トライアルしましたが、お二人とも日本語ができる方でした。あえてこちらからそういう方を選んだのですが、これはちょっと失敗だったなと。私自身もどうしても日本語に甘えてしまい、え、なんか逆に先生の日本語レッスンになってない?って思う瞬間さえありました。先述したドイツ人の先生とのレッスンは、私がほぼゼロ初級だったので、最初のイントロダクションはレッスン時間の半分が英語でした。本来であれば簡単なドイツ語で導入して欲しかったという気持ちもありますが、日本語よりは英語の方がいい。英語の勉強にもなりますしね。母国語に甘えられない環境を作りにいくことは大切だと思います。

「他の先生おすすめシステム」が怖い

生徒用のページで、普段は見ないものが目に入ってきました。
それは、「今の先生に満足していますか?他の先生も試してみよう!」というもの。同じ価格帯の他の先生をサジェストしてくれるシステムなのですが、Preply自体からの離脱を防ぐために、こんなこともしてくれていたのですね。恐るべしPreply。いつでも先生を変えることができるというプレッシャーが、私たちに教師側にはのしかかっているということも理解できました。

生徒の気持ちに寄り添うとは

3人の先生のレッスンを受けてみて、満足度の高い授業をするためのヒントがなんとなく見えてきた気がします。簡単にまとめると、

・学習言語に触れる時間を増やす
英語など、共通語に頼っているとわざわざレッスンを受ける意味が薄れてしまいます。ネイティブと直接話せる機会を最大化してもらうためにも、簡単な単語を組み合わせて、日本語に触れる時間を1秒でも多く増やしてもらいましょう。学習者が母国語や英語に頼らないようにこちらも優しいプレッシャーをかけるといいと思います。

・学習スタイルのすり合わせは徹底的に行う
最初に目標を聞くことはあると思いますが、そこから何をするべきなのか提示するのも教師の仕事だと思います。文法の復習をしたいのか、文法は適当でもいいから繋ぎ繋ぎで会話の練習をしたいのか、日常会話に触れたいのか、など。そこからどんな教科書を使うべきかを提示し、学習スタイルを決めていくといいと思います。ふわっと聞いてしまうと、「会話ができるようになりたい」と大体返ってきてしまうので、こちらも質問を具体的にすることが必要だと思います。

・授業のタイムラインは最初に伝える
生徒さんはお金を払って、私たちの時間を買ってくれています。いただいた時間をどのように使うのかを示すのはやはり必要なことだと感じました。

・伝わらないところはきちんと指摘する
ドイツ語の先生に「悪くない」と言われたのが妙に嬉しかったため、このやり方は、今後使わせていただこうかと思います。生徒さんにも「もっと発音を指摘してほしい」と言われることがありますが、まさにそうだと。初級者なのに、全部「いいね!」と言われてしまうと少し信憑性に欠けてしまいます。わからないときは聞き返す、もう一度お願いします。と言う、こっちの表現の方がいいです、など、ちょいと厳しめくらいの方が良さそうです。

・予約の取りやすい人気教師になる!
出社しなくていい、どこにいてもいい、など自由な働き方ができるのが魅力の日本語教師ですが、そのメリットに甘えすぎていると生徒の離脱も進んでしまいます。生徒さんが予約を取りやすくなるには、やはり予約可能時間を多く確保していくこと、決まった休みの予定がある場合には2週間前には伝えておくのが良さそうです。

・何度でも失敗できる安心感を持ってもらう
これは個人的な好みになりますが、トライアルを予約したのは全員優しくて落ち着いている先生でした。外国語学習は「伝わらないかもしれない」という緊張感が伴います。失敗しても大丈夫。間違えても優しく答えを教えてくれるような安心感をアピールできるといいかもしれません。

以上、Perplyに投資してわかった学びをご共有しました!
最後までお読みいただきありがとうございました☺️

カバー写真📷:
イタリア、ヴェネツィアにて

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